[宅地建物取引士]士業化によって得られた強みとは?
宅建資格は数ある資格の中でも受験者数・求人者数が非常に多く、人気な国家資格と言えます。
毎年20万人以上が受験する資格で不動産業に務める方をはじめとし、金融業界・証券会社など幅広い分野で活躍できる資格です。
そんな宅建資格ですが、実は平成27年に宅地建物取引主任者から宅地建物取引士といった士業に変更されています。
士業に代わったことで
といったような疑問が出てくる方も多いと思います。
この記事では宅建資格が士業化したことで何が変わったのか、詳しく解説します。
宅建資格が士業化した理由
そもそもなぜ、宅建資格が士業化したのでしょうか。
当時はさまざまな憶測が飛び交いましたが、第一に公益社団法人が全国宅地建物取引業協会連合会に対して士業化しろと働きかけたことが大きな要因です。
宅建士のよりいっそうの活躍・専門家としての更なる期待といった事が表向きは語られていますが、実態はあまり変わっていないという声もよく耳にします。
一方、ITシステムの導入やグローバル化により宅建業務の内容が高度化・複雑化したため、士業として宅建士を追加し、その専門性を高めることでこれらの環境に適合させると言った意図もあるようです。
宅建資格が士業化したことによる変更点
宅建資格が始業したことによりどのような点が変わったのでしょうか。
具体的には法令(宅建業法)が変わり、大きなところで言うと以下の3点になります。
第5条の変更
宅建業の免許取得や資格登録に際し、欠格事由に暴力団員等が追加されました。
第15条の変更
宅建取引士の業務処理の原則・信用失墜行為の禁止・知識及び能力の維持向上について追記されました。
第31条の変更
宅地建物取引業者の業務処理の原則に「従業員の教育」が加えられました。
これだけ見ると結構変わったように見えます。
しかし、書かれている内容は当たり前と言えば当たり前のことで、そこまで大きな変更があったように思えないかもしれません。
更に、加わった内容はあくまで努力義務や禁止規定です。罰則規定に関する改正や厳罰化は無いため、実質あまり変わっていないのかもしれませんね。
宅建資格が士業化しても変わらなかった点
次に、宅建が士業化したもののあまり変わらなかった点も見てみましょう。
難易度
名称が変わったものの、今のところ合格率はそこまで変わっていません。
当時は士業化するため、全体の難易度や合格率は難化されると予想されていましたが全く変化がなかったため拍子抜けしたと言った声が良く聞かれます。
今後長い目で見ると難化していく可能性はありますが、現時点でその傾向はみられないため焦って受験する必要はそこまでないかもしれませんね。
試験費用
試験の受験料はもちろんの事、登録や更新に係る費用も特に変わってはいません。
士業になると一気に登録費用が掛かる資格(例えばセキュスペ→支援士)もありますが、宅建はもともと免許や登録に費用が掛かる資格だったため、大きな変更は見られませんでした。
宅建士業化によって変わったことまとめ
今回は宅建資格が士業になったことによって変わったことや変わらなかったことを解説しました。
宅建業法に多少の変更は見られたものの、あくまで努力義務でありそこまで大きな変更は見られません。
結果的には名称が変わっただけととらえる方も多く、一応士業になったためネームバリュー的には上がったのではないでしょうか。
士業の中では目指しやすい資格であると言えるので、これから受験する方も張り切って勉強しましょう!
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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