[宅地建物取引士]資格の必要性は?将来性は高い??
これから宅建士を目指そうと考えている方の中には、宅建士の将来性について知ってから目指しても遅くないと考えている方も多いかもしれません。
このような疑問や不安は尽きない事かと思います。
そんな中で宅建は将来どのように変わっていくのでしょうか。
この記事では、宅建資格の将来性や必要性について解説していきます。
宅建士の将来性について
宅建士の将来性についてまず確認していきましょう。
最近はITだのAIだのが進み、多くの仕事にシステムが取り入れられています。
その結果人の仕事内容も変わりつつあり、宅建業務の中でも事務的な作業は特に、ITの影響は受けていると言えるでしょう。
しかし、宅建士の業務内容にはAIやITでもできない仕事は多く含まれており、宅建資格が必要とされることには変わりありません。
独占業務のため、需要は守られている
まず、宅建資格は独占業務で、宅地建物取引業法(通称:宅建業法)によって守られています。
法律の内容としては宅地建物取引業を行う事務所において、従業員の5人に1人は宅建士を置かなければいけないと言ったものです。
この法律によって、不動産業界では一定数の宅建士の需要が保証されています。
また、宅建業界だけでなく大手の金融会社や証券会社でも宅建士を必須と考えている企業が多く、手厚い資格手当が出ることもあります。
宅建士は士業化したこともあり、社会的な信用も上がりました。
法律で守られている、独占業務があるというだけで、将来性は相当高いと言えます。
AIにとって代わることは無い
近年AIがブームとなり普及しています。
AIの得意分野としては決められた作業を素早く正確に行うと言った特徴があります。
つまり、宅建業務でも事務作業などはAIに淘汰される可能性は否めません。
一方で対人関係の仕事、つまりは営業などは仕事をする側も人間でなければ難しいのではないでしょうか。
その結果として、AIにより業務の一部がシステム化されることはあっても、宅建の仕事の大部分はこのまま影響を受けないと考えられます。
不動産業界がなくなることもない
少子高齢化や海外への引っ越しにより人口減少が起こり不動産需要が低下していくことは考えられます。
しかし、不動産自体は人が生活を行う上で切っても切り離せない存在で、日本と言う国が存続している限り需要がなくなることはまず考えられません。
また、都市の再開発などで最近は新たに不動産の需要が増えている傾向も見られます。
人口減と呼ばれているご時世ですが、地域的に見ると不動産取引が活発化しているところもあり、将来性が無いとは言えませんね。
新たな需要が産まれ続けている
最近ではリバースモーゲージと呼ばれる、高齢者が住んでいる宅地や不動産を担保に銀行から融資を受取、住居者がなくなった際に不動産を売却すると言った金融商品が注目を浴びています。
この一連の流れは銀行が取り扱いますが、不動産絡みなので当然宅建士の知識が必要となります。
不動産に関する深い知識を持っている宅建士の方がいれば、金融商品をより詳しく説明できるため、今後は金融や証券・保険業界からの需要が増えると考えられますね。
宅建士の仕事は?
あらためて、宅建士の仕事内容について少し確認してみましょう。
独占業務
宅建士は業務独占資格と呼ばれ、宅建士でなければできない独占業務があります。
具体的には以下の3つになります。
重要事項の説明
不動産取引は一般的に高額になるため、後々言った・言わなかったなどのトラブルが発生する可能性があります。
そういったトラブルを未然に防ぐため、宅建士はあらかじめ、取引対象の不動産に関する重要事項の説明を顧客に対して行わなければいけません。
重要事項説明書(35条書面)への記名・押印
上記の重要事項を記載した書面(35条書面)を、顧客に対して口頭にて説明します。
そして、説明をした際に「しっかりと説明しました」といった意味合いを込めて宅建士が記名・押印をし、それを顧客に交付しなければいけません。
契約書(37条書面)への記名・押印
重要事項の説明が終わり、顧客がそれでokとなれば契約に進みます。
契約となれば金銭の支払い方法や不動産の引き渡し時期なども明確にしておく必要があります。
いくらで取引を行い、いつ引き渡すのかといった契約内容を明確にし、確認した後も宅建士が契約書(37条書面)へ記名・押印しなければいけません。
独占業務以外
宅建士の仕事内容としては上記で述べたような独占業務に目が行ってしまいがちです。
しかし、それ以外でも宅建士が関われる仕事は多く存在しています。具体的には
- 不動産が絡む金融商品の営業
- 土地や建物を賃貸・売買したい人同士の代理・媒介
- 不動産に関わる運用のコンサルティング
等が挙げられます。
仕事の幅が多い点も宅建士の需要が下がりにくい要因と考えられますね。
もちろん、他にも仕事は色々あるので以下の記事を参考にしていただければと思います。
長く宅建士として働く際に必要な事
宅建士の仕事や需要は中々減る事が無いと紹介しました。
しかし、需要が減らないからだらけていても将来安泰かと言われればそれは違います。
宅建士自体の人数は多く、就活などでにおいてはライバルも宅建士であることが考えられます。
その際、ただ資格を持っている、と言うだけだと勝てない場合もあるので以下のポイントを押さえておいてください。
資格にとらわれずスキルを伸ばし続ける
仕事において資格は重要ですが、資格を取ったらゴールではなくスタートです。
宅建士に限らず、医師や弁護士といった国内最難関と言われる資格を持っている方でも失業することはあります。
売上を伸ばすためのコミュニケーション力を磨く、IT関連のニュースにアンテナを張っておく等、できることは多いのではないでしょうか。
より深い専門性を身に着ける
宅建士の中でもさらに深い専門性を身に着けることで他の宅建士との差別化を図るのも生存戦略の一つです。
例えば海外の方向けに洋風の建築仕様を学んでおけば海外から転勤してきた方や、留学してきた方に適切なアドバイスができます。
このように不動産の中でもさらにニッチ化した分野を攻めてみても良いかもしれませんね。
加えて、不動産鑑定士の様にさらに上位で難易度が高いと言われる資格に挑戦してみるのもアリです。
ダブルライセンスを狙ってみる
宅建士はFPやマンション管理士といった他の資格とも科目が被ることがあり、宅建士の知識を持っていると受験がスムーズに進みます。
そのためダブルライセンスを狙って仕事の幅を広げて見るというのもアリではないでしょうか。
幅広い知識と言うのは応用力にもつながります。一つの資格を持っている方は多いですが、二つ・三つと増えていくとその数は限られてくるので希少性が増します。
宅建士の将来性まとめ
今回は宅建士の将来性について解説しました。
AIの普及により将来的に需要が下がるかもしれないと不安に思われる方も多いですが、宅建士は業務独占資格であること、対人営業が重要な業務の一つであることなどから、今後もなくなることは無いと考えられます。
一方でライバルも多く、確かに衰退している点もあるので、スキルを伸ばしたり、仕事の幅を深めたりは大事です。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません