簿記と宅建、難しいのはどっち?優先して取るべき資格は?
就職に強い資格として簿記試験と宅建試験があります。
いずれも年間十数万人が受験する資格で人気資格と言って過言ではないでしょう。
この二つの資格を見比べていて
といった疑問を持たれる方も多いでしょう。
この記事では宅建士と簿記の難易度や将来性の違い、ダブルライセンスのメリットなどについて解説していこうと思います。
簿記と宅建の難易度比較
まず、簿記試験と一口に言っても日商簿記・全経簿記・全商簿記と複数に分かれ、一番人気のある日商簿記でも初級から始まって3級・2級・1級とランクアップしていきます。
まずは偏差値の観点から、一番人気な日商簿記試験の各級と宅建試験の難易度の相違を見てみましょう。
簿記3級と宅建士
まずは簿記3級と宅建試験の偏差値の差です。
偏差値は2021年3月時点での資格の取り方様を参考にしています。
日商簿記3級 | 宅地建物取引士 | |
難易度 | 45 | 57 |
簿記3級が偏差値45であるのに対して、宅建士は57です。
50が平均なので簿記3級はやや簡単にカテゴライズされるのに対し、宅建士はそれなりに難しいと言えるでしょう。
簿記2級と宅建士
日商簿記2級 | 宅地建物取引士 | |
難易度 | 58 | 57 |
簿記2級と宅建士の難易度比較です。
簿記2級の偏差値は58となっており、簿記3級と比較してもかなり高くなっています。
宅建士の偏差値が57なので僅差ですが簿記2級の方が難しいでしょう。
簿記1級と宅建士
日商簿記1級 | 宅地建物取引士 | |
難易度 | 67 | 57 |
簿記1級と宅建士の差ですが、簿記1級は偏差値67と、非常に難しく難易度の面からもかなり差があると言えるでしょう。
一応宅建士も士業化はしているものの、中小企業診断士や労務士といった他の士業と比較するとそこまで高い難易度とは言えません。
一方で簿記1級は国家資格でないもののこれら士業と肩を並べる難関資格となっています。
難易度が近い簿記2級と宅建士の違い
あらためて、宅建士と難易度的に近い簿記の級を見ると2級となります。
それでは簿記2級と宅建士の試験の違いについていくつかの項目から詳細に見ていきましょう。
実施回数的には簿記2級が簡単
簿記2級と宅建士の実施回数ですが、簿記2級は年に3回のペーパーテストとCBTによっていつでも受験できるといった特性から、年に何回でも受けられます。
一方で宅建士は年に1回(2020年は特別措置が12月にありましたが、1人が受けられるのは1度きりでした)なので、受験できるチャンスの多さとしては簿記2級に軍配が上がります。
出題形式的には宅建士が簡単
試験の出題形式について、簿記2級はほとんどが記述式で数字を自分で算出したうえで適切な勘定科目もこたえなければいけません。
一方で宅建試験は全部の問題がマークシートによる選択問題となっています。
そのため分からなくても適当に回答すれば得点できる可能性が少なからずあります。
簿記2級はあてずっぽうで回答して得点できる可能性は皆無なので、回答の形式から見ると宅建士の方がわずかながら簡単かなと言えます。
テキストの厚さ的にはあまり変わらない
簿記2級と宅建の試験科目についても確認してみましょう。
簿記2級は
- 商業簿記
- 工業簿記
の2科目構成となっています。
一方で、宅建士の試験科目は
- 宅建業法
- 民法
- 法令上の制限
- その他
の4科目構成となっています。
これだけ見ると
と思われがちですが、そうでもありません。
簿記試験の商業簿記・工業簿記はそれぞれ深い論点から構成されており、1科目ずつテキストが分かれており、それぞれ分厚さもなかなかあります。
一方で宅建士の各科目はそこまで内容が多くなく、テキストも1冊でまとめられていることが多いです。
内容量の観点では宅建士の方が少ないとも言えますね。
計算力は簿記2級の方が必要
簿記試験は経理に携わる資格といった観点からも文系向けの資格と思われがちです。
しかし簿記試験では複利の計算や減価償却の計算などが問われ、計算力が必要で理系の方が有利だったりします。
暗記力は宅建士の方が必要
簿記試験が計算力だったのに対し、宅建士は暗記力が必要とされています。
特に法律絡みの問題は細かい数値を覚えておく必要があります(○○の場合1週間、▲▲の場合2週間等)
それぞれの状況毎に詳細な数値を覚えておく必要があるので、暗記力は宅建士の方が必要と言えますね。
どちらを先に取るのが有利?
あらためて、どちらの試験を先に合格するのが良いかといった質問に関してですが人による、としか言えません。
簿記試験は考え方や解き方が重要になってくるため、数学を解いている感覚で解けます。
一方、宅建士は法律を元に覚えていくため、暗記力が無ければ難しいと言えるでしょう。
将来的にどのような仕事がしたいかによっても選ぶべき資格は変わってきます。
経理・会計・数学に興味がある/得意な場合は簿記
まず、経理や簿記・数学に興味がある、得意意識があるという方は簿記試験を優先して受験しましょう。
経理はほとんどすべての会社で必要な部署です。そのため、簿記資格があれば就職活動の段階でも大きな武器になります。
求人数もかなりなので、気になる方は以下の記事もご覧ください。
不動産業界・暗記に興味がある/得意な場合は宅建士
不動産業界に務めたい!昔から興味がある!という方や、覚えるのが得意な方は宅建士の方が向いていると言えるでしょう。
特に不動産営業で成功すれば年収1,000万円を超える方もいると聞きます。
もちろんそれは一握りですが、夢があるのも宅建士と言えるのではないでしょうか。
余裕があればダブルライセンスもアリ?
簿記2級と宅建士のダブルライセンスについてですが、双方の間に実はあまり共通点がありません。
例えば簿記2級×FP2級や、宅建士×FP2級の様にFP2級を間に挟むと相乗効果が生まれることもあるのですが、この二つでメリットが生じることはあまりないのではないでしょうか。
不動産関係の経理をする、といった場合が唯一の強みとなります。
いずれの試験も対策はフォーサイトがおすすめ
簿記2級も宅建士もともに人気資格で、合格するメリットは非常に大きいです。
しかし、いずれも偏差値60に近く、やや難関気味な資格と言えるでしょう。
勉強慣れしているならともかく、あまり普段から勉強をしなかったり、なかなか時間が確保できなかったりする場合独学合格は難しいかもしれません。
そんな時は通信講座を利用してみるのも選択肢の一つです。確かに費用は少しかさみますが、質の高い講義動画を見られたり、講師に質問できたりとモチベーションの維持に貢献してくれます。
特にフォーサイトは価格が安めでManabunと呼ばれるeラーニングアプリは魅力的なので活用してみてください。
それぞれの講座の教材について、詳しくレビューした記事もあるのであわせてご覧いただければと思います。
簿記と宅建の比較まとめ
今回は簿記と宅建の難易度の比較を元に、特にどちらを優先して受験すれば良いかについて解説しました。
状況にもよりますが、経理職を目指したい場合は簿記を、不動産業界を目指したい場合は宅建を最初にチャレンジしてみてください。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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