[医療事務]レセプトって何?手順は難しい??教えてもらえる通信講座は???
医療事務の仕事や資格取得においてレセプトは切っても切り離せない存在です。
といった疑問を持つ方も多いと思うので、この記事ではレセプトの概要や流れ、学べる資格や未経験でも問題ないのかについて解説します。
診療報酬とは
医療機関においては、各患者に対するカルテをもとにレセプトと呼ばれる資料を作成します。
そしてレセプトを診療報酬請求書とあわせて医療報酬支払審査機関に提出します。
審査が無事に終了し、不備不正がなければ医療報酬支払審査機関は医療保険者(国民健康保険や各人が加入している社会保険等)に通知し、医療保険者から預かっている資金から診療報酬を支払います。
なお、医療保険の支払い審査機関としては社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険団体連合会の2つがあります。
2つの機関の違いとしては審査担当が異なり、それぞれ
- 社会保険診療報酬支払基金:健康保険・協会けんぽ・共済組合
- 国民健康保険団体連合会:国民健康保険・後期高齢者医療制度
が担当となります。
レセプトについて
あらためて、医療事務をやっているとよく耳にするレセプトについても確認してみましょう。
レセプトの概要
レセプトは診療報酬明細書とも呼ばれ、医療機関が患者さんにした医療行為に対してかかった費用の内訳を明細に記入した資料のことです。
先ほども少し触れましたが、病院の場合収入は患者さんからの診察料や薬代だけでなく、公的な医療保険から支払われる診療報酬も含まれます。
そしてこの診療報酬を得るためにはレセプトと診療報酬請求書を翌月10日までに提出しなければいけません。
レセプトには、患者さんの個人情報として
- 加入している公的医療保険の種類
- 病気の名称
- 診療報酬点数
- その他個人情報(氏名・性別・生年月日など)
が記載されることとなります。
レセコンについて
レセプトは基本的にレセコンと呼ばれるコンピュータによって自動化されます。
そのため、人が行う主なレセプト業務の内容としては、各患者が受けた医療サービスに関する診療情報の入力とレセコンが作成した電子レセプト間に相違がないかチェックすることとなります。
計算自体はコンピュータがおこなうわけですが、カルテ作成や診療に関する情報は人の手で行われるためヒューマンエラーが起こる可能性は十二分にあります。
間違った入力に対してはコンピュータでもさすがに判断できないため、最終的に人のチェックが必要となるわけですね。
医療報酬支払審査機関の審査では、万が一提出されたレセプトに不正・不備があるとその分の診療報酬は支払われないため、いかに医療事務の仕事が重要かわかりますね。
レセプト作成業務の流れ
レセプト作成業務は以下のようなステップをたどります。
- 診療情報をレセコンへ入力
- レセコンが電子レセプトを自動生成
- 作成されたレセプトの点検
- 医師に点検と確認依頼
- 医療報酬支払審査機関へレセプトを提出
詳しく見てみましょう。
1.診療情報をレセコンへ入力
レセコンの診療情報に関しては手作業での入力になりますが、外来患者の方と入院患者の方では入力の時期が異なります。
外来患者の場合、診療を受ける都度入力となりますが、入院患者の場合は月に何度か一括で入力します。
入力内容としては英数字によるコードや医薬品・医療器具に割り振られたコードです。
2.レセコンが電子レセプトを自動生成
診療情報を入力後は、自動的にレセコンが診療報酬点数や額を計算して患者さんごとの電子レセプトを作成します。
そのため、患者さんの数が多いような大規模な病院から医療従事者の少ない小規模な病院まで手軽にレセプトを作成できるようになりました。
3.作成されたレセプトの点検
レセコンによって作成されたレセプトなので、計算上の間違いはそこまで懸念する必要はありません。
しかし入力の時点で間違えてしまうと最終的な値に間違いが含まれることになります。
いかに早い段階でミスに気づき修正作業を行えるかが医療事務の大きな役割といえるのです。
4.医師に点検と確認依頼
医療事務の方がレセプトのチェックを終えたら、医師の方にも間違いがないか確認してもらいます。
要するにダブルチェックですね。もしダブルチェックでミスが見つかれば修正します。
5.医療報酬支払審査機関へレセプトを提出
点検を終えて間違いがなければレセプトを診療報酬支払機関へと提出します。
提出方法としてはプリントアウトして書類として郵送するパターンと、電子レセプトをそのままデータ送信する方法に分けられます。
最近ではペーパレス化が進んでいることややり取りが簡単なことから、電子レセプトでの送信が増えていますね。
レセプトを学べる資格
レセプトは医療事務にとって重要な資格ですが、未経験の場合なかなか経験する機会がありません。
そんな場合はまず資格を通してレセプトを学んでみるのが良いです。
医療事務を学べる資格はいくつかありますが、その中でもレセプトを学べる資格は以下の4つになります。
診療報酬請求事務能力認定試験
診療報酬請求事務能力認定試験は公益財団法人 日本医療保険事務協会主催の資格です。
医療保険制度や公費負担医療制度を含め多岐にわたる知識を求められるため、医療事務関連の資格の中でも難易度は非常に高いと言われています。
その分取得後の評価も高いので可能であれば目指していきたいですね。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
医療事務技能審査試験は別名メディカルクラークとも呼ばれ、レセプト業務に加え患者さんへの対応に関する知識や技能も求められます。
一般財団法人 日本医療教育財団によって実施され、医療事務に関する幅広い知識も得られるので、未経験者が狙うには程よい資格です。
医療事務資格
医療事務資格は一般財団法人 日本能力推進協会が主催する資格です。
具体的には医療保険制度・診療報酬・薬価基準・材料価格基準の基礎知識・医療用語・薬学の基礎知識・レセプト作成などを幅広く学べます。
医療事務管理士
最後に紹介する医療事務管理士は技能認定振興協会が実施する資格で、レセプト業務や医療知識だけでなく会計業務やカルテ管理といった事務的な知識も学べます。
放棄や医学知識も学べることから人気の高い資格です。
レセプト経験なし・資格なしだと就職は難しい?
医療事務は資格がなくても免許制ではないので就職自体は可能です。
しかし採用側からすると資格はあった方がよく、レセプト経験に関してもあるに越したことありません。
そのため、可能であれば資格を取っておきたいですね。
資格取得は独学でも不可能ではありませんが、時間がない方や勉強方法に自信がない方は通信講座も検討してみるとよいです。
レセプト業務内容まとめ
今回は医療事務の業務内容で切っても切り離せないレセプト業務について解説しました。
これから医療事務資格に挑戦する方や、仕事として働きたい方にとっては重要な業務なので内容を理解して処理できるようにしておきましょう。
高校卒業後に医療系専門学校に進学し、首席で卒業する。
医療事務だけでなく経理の経験もあり。一人息子をこよなく愛する。
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