情報処理安全確保支援士は高すぎるから登録しない?失効条件等も要確認!
情報処理安全確保支援士試験に無事合格したものの、
と言ったように、高すぎるからといった理由で登録しない方も多いかと思います。
確かに年間2万円と、3年で8万円の費用は負担が大きいですよね。
今回は支援士に登録しないといった選択肢を取った場合、どのような点でメリットがあるのか、注意しないといけないのかを解説します。
支援士に登録しない選択肢はアリか
まず情報処理安全確保支援士に登録しないという選択ですが、これも立派な選択肢の一つです。
理由としては以下の3点が挙げられます。
受講義務等が発生せず経済的にやさしい
情報処理安全確保支援士は合格していても、登録しなければ年間の高い受講料や煩雑な更新手続きをしなくて済みます。
3年間で14万円は普通のサラリーマンには中々厳しく、企業が維持費用を負担してくれる場合でなければ登録はあまり魅力的ではないという声も最もです。
講習も毎回数時間を費やし、集合演習では現地に出向く必要もあるので貴重な休みがつぶれてしまう可能性も否めません。
一方で登録しなければこれらの義務は発生しないので、生活に余裕が出てきますね。
登録はいつでもできる
支援士に登録するタイミングですが、一度支援士試験に合格していれば登録自体はいつでもできます。
登録できるタイミングは毎年4月、10月の2回あり、必要に応じて登録すれば良いため急ぐ理由がなければ様子見をするのもアリです。
登録の手続きは結構煩雑なので、以下の記事を参考にしていただければと思います。
支援士と名乗ってはいけない
支援士に登録していない場合、名刺や履歴書に「情報処理安全確保支援士試験 合格者」とは書けても、「情報処理安全確保支援士」と書くことはできません。
万が一書いてしまうと
(名称の使用制限)
第二十七条
情報処理安全確保支援士でない者は、情報処理安全確保支援士という名称を使用してはならない
に抵触し、罰金が発生する可能性もあります。
支援士には失効もある
情報処理安全確保支援士には失効(欠落事由)もあり、その条件を満たしてしまうと支援士登録から抹消されてしまいます。
失効している間も名乗れない
情報処理安全確保支援士を失効し、名称の使用の停止を命じられている間も未登録の時同様、支援士の名称は使用できません。
第五十三条
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十九条第二項の規定により情報処理安全確保支援士の名称の使用の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、情報処理安全確保支援士の名称を使用したもの
二 第二十七条の規定に違反した者
名刺なども同様で、以前支援士と書かれたものを使っていた場合は書かれていないものに作り替えましょう。
支援士の失効条件
ではどのような条件だと支援士が失効してしまうのかも確認しておきましょう。
概要は情報処理安全確保支援士の欠格事由に書かれていますが、深堀して解説しようと思います。
成年被後見人又は被保佐人
まず成年後見人または被保佐人は支援士に登録できません。
これらの単語は宅建士や行政書士など民法に関わる試験を勉強したことがある方はおなじみかもしれませんが、それ以外の方はあまり知らない言葉かと思います。
筆者自身も支援士に登録するまで知りませんでした。
それぞれの意味としては
- 成年被後見人・・・精神上の障害により、事理を弁識する能力を『欠く』常況にある者
- 被保佐人・・・精神上の障害により、事理を弁識する能力が『著しく不十分』である者
となっています。
登録時には正常な判断があっても事故や病気で成年被後見人や被保佐人になる可能性は考えられます。その際も支援士は失効してしまいます。
禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者
禁錮刑(要するに捕まって身柄が拘束されること)以上の刑罰を受け、その執行が終わってから2年間経過しなければ支援士に登録することはできません。
例えば2018年4月に禁錮刑になり、2020年3月末まで禁錮されていた場合、そこから2年後の2022年4月までは支援士として登録できないことになります。
軽 | ←これ以下は失効しない | これ以上は失効する→ | 重 | ||
科料 | 拘留 | 罰金刑 | 禁錮刑 | 懲役刑 | 死刑 |
参考:https://keiji-soudan.jp/base/865/
情促法の規定、刑法168条の2及び168条の3の規定並びに不正アクセス行為の禁止等に関する法律(以下、「不正アクセス禁止法」)第11条、第12及び第13条の規定により、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者
少し長いですが、要するに情報セキュリティを守るはずの支援士が、不正アクセスなどの悪事を働いた場合は厳しく取り締まるといった内容になっています。
先程触れた支援士でない者や支援士の使用を停止されている場合に支援士と名乗って罰則を受けた場合もそこから2年間、登録することができなくなります。
情促法第19条第1項第2号又は第2項の規定により登録を取り消され、その取り消しの日から起算して2年を経過しない者
情促法第19条の第1項第2号と第2項の規定はそれぞれ以下の通りです。
- 情報処理安全確保支援士が、虚偽又は不正の事実に基づいて登録を受けた場合
- 情報処理安全確保支援士が、信用失墜行為を行った場合、秘密保持義務に違反した場合、講習受講義務に違反した場合
要するに、一つ目は試験を不正な方法(カンニング等)で突破したり、合格した事実がないにもかかわらず書類を偽装して登録した場合、二つ目は支援士としての信用を失う行為をしたり、顧客の機密情報をもらしたり、または受講しないなどが考えられます。
これらの行為を行った場合も支援士が取り消され、2年間は登録できないことになります。
支援士に登録しないことについてや失効条件のまとめ
今回は、情報処理安全確保支援士に合格した者の、あえて登録しないことのメリットや注意点、さらには登録していても失効してしまう条件等を紹介しました。
費用や試験受講義務は発生しない物の、支援士と名乗れない(名乗ると罰則)と言った注意点もあるので登録しない場合特に注意しましょう。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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