[ITパスポート試験]表計算の関数[無料講座・例題付き!]
今回はITパスポートの表計算問題で良く取り扱われる関数について学習していきます。
関数とは
表計算ソフトでは関数を用いることでさまざまな処理を行うことができます。
関数を使いこなせて初めて計算ソフトを使えるようになったといっても良いくらいです。
ITパスポート試験でも当たり前の様に関数問題が出題されるので、しっかりと対策していきましょう。
関数と引数
表計算の関数は一般的に以下のように表現します。
関数名(x1,x2,・・・)
ここで、関数にデータとして渡すx1やx2を引数と呼び、それを処理した値が返ってきます。
引数は関数によっては1つの物もあれば数十、数百に渡る場合もあり関数によって異なります。実際に具体的な関数を見てみましょう。
実際に以下の成績表をもとに、いろんな関数を学んでいきましょう!
A | B | C | D | E | F | G | H | I | |
1 | 試験結果 | ||||||||
2 | |||||||||
3 | 氏名 | 得点 | 偏差値 | ||||||
4 | 国語 | 数学 | 英語 | 合計得点 | 合否判定 | 国語 | 数学 | 英語 | |
5 | チョロ | 15 | 80 | 10 | |||||
6 | ぷりん | 35 | 25 | 5 | |||||
7 | モナ | 75 | 95 | 100 | |||||
8 | くろん | 80 | 35 | 60 | |||||
9 | キュー | 100 | 100 | 100 | |||||
10 | カズ | 85 | 95 | 95 | |||||
11 | ラク | 45 | 60 | 55 | |||||
12 | |||||||||
13 | 平均点 | ||||||||
14 | 最高点 | ||||||||
15 | 最低点 | ||||||||
16 | 標準偏差 |
基本的な関数
まずは基本的な関数を学習していきましょう。
具体的には合計関数・平均関数・最大関数・最小関数があります。
合計関数
前回の復習からですが、まず合計関数からです。
E5に合計(B5:D5)と記入し、これをE11まで複写していきます。
A | B | C | D | E | F | G | H | I | |
1 | 試験結果 | ||||||||
2 | |||||||||
3 | 氏名 | 得点 | 偏差値 | ||||||
4 | 国語 | 数学 | 英語 | 合計得点 | 合否判定 | 国語 | 数学 | 英語 | |
5 | チョロ | 15 | 80 | 10 | 合計(B5:E5) | ||||
6 | ぷりん | 35 | 25 | 5 | 合計(B6:E6) | ||||
7 | モナ | 75 | 95 | 100 | 合計(B7:E7) | ||||
8 | くろん | 80 | 35 | 60 | 合計(B8:E8) | ||||
9 | キュー | 100 | 100 | 100 | 合計(B9:E9) | ||||
10 | カズ | 85 | 95 | 95 | 合計(B10:E10) | ||||
11 | ラク | 45 | 60 | 55 | 合計(B11:E11) | ||||
12 | |||||||||
13 | 平均点 | ||||||||
14 | 最高点 | ||||||||
15 | 最低点 | ||||||||
16 | 標準偏差 |
平均関数
次に平均関数です。
合計を求めた後に要素数で割って平均を求める、と言った処理をしてくれます。
B13に平均(B5:B11)と言ったように記入し、C13、D13にも複写していきます。
最大関数
指定したセルの中で最も大きな数値を返す関数が最大関数です。
こちらもB14に最大(B5:B11)と言った具合に記入することで、範囲内の最大値を返してくれるようになります。
最小関数
指定したセルの中で最も小さな数値を返す関数が最小関数です。
B15に最小(B5:B11)の様に記入することで、範囲内の最小値を返してもらえます。
これらを表に書き込むと以下の様になります。
A | B | C | D | E | F | G | H | I | |
1 | 試験結果 | ||||||||
2 | |||||||||
3 | 氏名 | 得点 | 偏差値 | ||||||
4 | 国語 | 数学 | 英語 | 合計得点 | 合否判定 | 国語 | 数学 | 英語 | |
5 | チョロ | 15 | 80 | 10 | 105 | ||||
6 | ぷりん | 35 | 25 | 5 | 65 | ||||
7 | モナ | 75 | 95 | 100 | 270 | ||||
8 | くろん | 80 | 35 | 60 | 175 | ||||
9 | キュー | 100 | 100 | 100 | 300 | ||||
10 | カズ | 85 | 95 | 95 | 275 | ||||
11 | ラク | 45 | 60 | 55 | 160 | ||||
12 | |||||||||
13 | 平均点 | 平均(B5:B11) | 平均(C5:C11) | 平均(D5:D11) | |||||
14 | 最高点 | 最大(B5:B11) | 最大(C5:C11) | 最大(D5:D11) | |||||
15 | 最低点 | 最小(B5:B11) | 最小(C5:C11) | 最小(D5:D11) | |||||
16 | 標準偏差 |
発展的な関数
発展的な関数も見ていきましょう。
具体的にはIF関数・条件付個数関数・整数部関数 等があります。
IF関数
代表的な関数の一つとして、特定条件を満たしたかどうかでTRUE(正しい)、FALSE(誤り)判定を行うIF関数があります。
例として、先ほどの試験表で合計点数が180点以上が合格、180点未満が不合格だったとします。
その時には以下の様に記入することで簡単に判定できます。
IF(条件式,真の場合,偽の場合)
真とは条件式が正しい事、偽とは条件式が正しくないことです。
180点以上で合格、180点未満で不合格なので、まずは”チョロ”から判断してみましょう。
F5にIF(E5≧180,合格,不合格)と記入します。
するとチョロの合計点数(E5)は105点なので不合格だと判定されます。
IF関数の場合、必ず引数が3つ存在しており、1つ目の引数で条件判定を行い、それが正しい場合は2つ目の引数の’合格’が関数の値となります。
逆に正しくない場合は3つ目の引数の’不合格’が関数の値となります。
これもF11まで複写することができます。
A | B | C | D | E | F | G | H | I | |
1 | 試験結果 | ||||||||
2 | |||||||||
3 | 氏名 | 得点 | 偏差値 | ||||||
4 | 国語 | 数学 | 英語 | 合計得点 | 合否判定 | 国語 | 数学 | 英語 | |
5 | チョロ | 15 | 80 | 10 | 105 | IF(E5≧180,合格,不合格) | |||
6 | ぷりん | 35 | 25 | 5 | 65 | IF(E6≧180,合格,不合格) | |||
7 | モナ | 75 | 95 | 100 | 270 | IF(E7≧180,合格,不合格) | |||
8 | くろん | 80 | 35 | 60 | 175 | IF(E8≧180,合格,不合格) | |||
9 | キュー | 100 | 100 | 100 | 300 | IF(E9≧180,合格,不合格) | |||
10 | カズ | 85 | 95 | 95 | 275 | IF(E10≧180,合格,不合格) | |||
11 | ラク | 45 | 60 | 55 | 160 | IF(E11≧180,合格,不合格) | |||
12 | |||||||||
13 | 平均点 | 62.14 | 70 | 60.71 | |||||
14 | 最高点 | 100 | 100 | 100 | |||||
15 | 最低点 | 15 | 25 | 5 | |||||
16 | 標準偏差 |
このように記入することで、誰が合格で誰が不合格かも一目瞭然ですね。
条件付個数関数
次に、合格者の人数を数えてみます。そこで登場するのが条件付個数関数になります。書式は以下の通りになります。
条件付個数(範囲,’条件’)
今回の場合F5~F11の間にいくつ合格があるかを数えるので、
条件付個数(F5:F11,’合格’)として、セルF13に記入しましょう。
A | B | C | D | E | F | G | H | I | |
1 | 試験結果 | ||||||||
2 | |||||||||
3 | 氏名 | 得点 | 偏差値 | ||||||
4 | 国語 | 数学 | 英語 | 合計得点 | 合否判定 | 国語 | 数学 | 英語 | |
5 | チョロ | 15 | 80 | 10 | 105 | 不合格 | |||
6 | ぷりん | 35 | 25 | 5 | 65 | 不合格 | |||
7 | モナ | 75 | 95 | 100 | 270 | 合格 | |||
8 | くろん | 80 | 35 | 60 | 175 | 不合格 | |||
9 | キュー | 100 | 100 | 100 | 300 | 合格 | |||
10 | カズ | 85 | 95 | 95 | 275 | 合格 | |||
11 | ラク | 45 | 60 | 55 | 160 | 不合格 | |||
12 | |||||||||
13 | 平均点 | 62.14 | 70 | 60.71 | 合格者 | 条件付個数(F5:F11,’合格’) | 人 | ||
14 | 最高点 | 100 | 100 | 100 | |||||
15 | 最低点 | 15 | 25 | 5 | |||||
16 | 標準偏差 |
整数部関数・その他の関数
次に、平均点のところに注目して、小数点を切り捨ててみます。
62.14や60.71と言ったように小数点だと分かりづらい、と言う場合は整数部関数を用いて取り出すようにしてみましょう。
整数部(算術式)
によって求められるので、整数部(B13)や、整数部(B13+C13+D13)の様に表現することで整数値を算出できます。
これ以外にも任意の桁で切捨てる切捨て関数、任意の桁で四捨五入する四捨五入関数、任意の桁で切上げる切上げ関数が存在します。
表計算の関数・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
問1
ある商品の月別の販売数を基に売上に関する計算を行う。セルB1に商品の単価が,セルB3~B7に各月の商品の販売数が入力されている。セルC3に計算式”B$1*合計(B$3:B3)/個数(B$3:B3)”を入力して,セルC4~C7に複写したとき,セルC5に表示される値は幾らか。(R.1/秋)
A | B | C | |
1 | 単価 | 1,000 | |
2 | 月 | 販売数 | 計算結果 |
3 | 4月 | 10 | |
4 | 5月 | 8 | |
5 | 6月 | 0 | |
6 | 7月 | 4 | |
7 | 8月 | 5 |
ア 6
イ 6,000
ウ 9,000
エ 18,000
問2
支店ごとの月別の売上データを評価する。各月の各支店の”評価”欄に,該当支店の売上額がA~C支店の該当月の売上額の平均値を下回る場合に文字”×” を,平均値以上であれば文字”○”を表示したい。セル C3 に入力する式として,適切なものはどれか。ここで,セル C3 に入力した式は,セル D3,セル E3,セル C5~E5,セル C7~E7 に複写して利用するものとする。(H.30/春)
単位 百万円
A | B | C | D | E | |
1 | 月 | 項目 | A支店 | B支店 | C支店 |
2 | 7月 | 売上額 | 1,500 | 1,000 | 3,000 |
3 | 評価 | ||||
4 | 8月 | 売上額 | 1,200 | 1,000 | 1,000 |
5 | 評価 | ||||
6 | 9月 | 売上額 | 1,700 | 1,500 | 1,300 |
7 | 評価 |
ア IF($C2<平均(C2:E2),’○’,’×’)
イ IF($C2<平均(C2:E2),’×’,’○’)
ウ IF(C2<平均($C2:$E2),’○’,’×’)
エ IF(C2<平均($C2:$E2),’×’,’○’)
解説(クリックで展開)
表計算の関数・まとめ
今回は表計算で実際に取り扱われる関数について学習しました。
特にIF関数や個数関数は重要な論点なのでしっかりと押さえておきましょう。
次回からはマネジメントの学習をしていきます。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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