[ITパスポート試験]労働関連法規(労働者派遣法・労働基準法)[無料講座・例題付き!]
今回はITパスポートで問われる関連法規について学習していきましょう。
労働関連法規
近年では従来の雇用関係が複雑化し、労働形態も派遣やアルバイト、フリーランス等さまざまな形態になっています。
ここで法律を知らないと一方的に雇用を打ち切られてしまったり、不当な労働を強いられても、文句も言えず損をする可能性もあります。
また、技術の発展により新しいセキュリティの攻撃も増え、それに伴った法律も整備されつつあります。
今回は労働関連法規について見ていきます。
労働者派遣法
派遣で働く労働者の権利を守るために派遣会社や派遣先企業が守るべき法律を定めているのが労働者派遣法です。
特に注意しておくポイントは以下の通りです。
- 二重派遣の禁止・・・派遣されてきた労働者を、さらに他に派遣することは禁止されています。
- 派遣期間・・・原則最長3年と定められています。
- 派遣先事業者の責任・・・派遣先事業者は、派遣先責任者を任命し、管理台帳の作成・苦情処理・連絡調整といった管理業務を行う義務があります。
- 日雇派遣の禁止・・・労働契約の期間が30日以内の短期派遣は原則禁止されています。
労働基準法
労働時間や休憩、休暇など、労働条件の最低ラインを決めた法律を労働基準法と呼びます。
この法律は範囲的に非常に多岐に渡りますが、試験で問われるのは主に以下の点です。
- 労働時間・・・使用者は、労働者に休憩時間を除いて1日8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。
- 休日・・・使用者には毎週少なくとも1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなくてはいけません。
労働契約法
労働契約の基本原則、労働契約の締結、労働契約と就業規則の関係、雇用など、労働契約の開始から終了に至る労働関係のさまざまな場面に関わるルールをまとめた法律を労働契約法と呼びます。
2013年4月に改正され、有期労働契約が通算で5年を超え反復更新された場合に労働者の申し込みによって無期労働契約へと転換される仕組みが導入されました。
製造物責任法
製造物の欠陥によって生命、身体またはほかの財産に損害をもたらしてしまった場合、被害者は製造業者等に対して損害賠償を求めることができる法律を製造物責任法(PL法)と言います。
総菜など食べ物による食中毒も製造者に責任があるとみなされる場合はこの法律が適用されます。
労働者派遣法・労働基準法における重要語句
以下は試験でも良く問われる語句です。あわせて押さえておきましょう。
- 委任契約・・・仕事や製品の完了(完成)が目的ではなく、契約で合意した内容を実現するための作業を遂行することを目的とした契約を差します。
- 請負契約・・・契約で合意した内容を実現する事が契約の目的で、契約を完了するためには、合意した内容を完成させる必要があります。
- 秘密保持契約・・・取引や交渉に際して相手方から一般に公開されていない秘密の情報を入手した際、それを公開したり第三者に渡したりしないことを求める契約です。
労働関連法規(労働者派遣法・労働基準法)・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
問1
労働者派遣法に基づき, A社がY氏をB社へ派遣することとなった。このときに成立する関係として,適切なものはどれか。(R.1/秋)
ア A社とB社との間の委託関係
イ A社とY氏との間の労働者派遣契約関係
ウ B社とY氏との間の雇用関係
エ B社とY氏との間の指揮命令関係
問2
PL法(製造物責任法)によって,製造者に顧客の損害に対する賠償責任が生じる要件はどれか。(H.30/春)
[事象A] 損害の原因が,製造物の欠陥によるものと証明された。[事象B] 損害の原因である製造物の欠陥が,製造者の悪意によるものと証明された。
[事象C] 損害の原因である製造物の欠陥が,製造者の管理不備によるものと証明された。
[事象D] 損害の原因である製造物の欠陥が,製造プロセスの欠陥によるものと証明された。
ア 事象Aが必要であり,他の事象は必要ではない。
イ 事象Aと事象Bが必要であり,他の事象は必要ではない。
ウ 事象Aと事象Cが必要であり,他の事象は必要ではない。
エ 事象Aと事象Dが必要であり,他の事象は必要ではない。
問3
ソフトウェアの開発において基本設計からシステムテストまでを一括で委託するとき,請負契約の締結に関する留意事項のうち,適切なものはどれか。(H.31/春)
ア 請負業務着手後は,仕様変更による工数の増加が起こりやすいので,詳細設計が完了するまで契約の締結を待たなければならない。
イ 開発したプログラムの著作権は,特段の定めがない限り委託者側に帰属するので,受託者の著作権を認める場合,その旨を契約で決めておかなければならない。
ウ 受託者は原則として再委託することができるので,委託者が再委託を制限するためには,契約で再委託の条件を決めておかなければならない。
エ ソフトウェア開発委託費は開発規模によって変動するので,契約書では定めず,開発完了時に委託者と受託者双方で協議して取り決めなければならない。
解説(クリックで展開)
労働関連法規(労働者派遣法・労働基準法)・まとめ
今回は労働関連法規に関する内容を学習しました。
特に委託業務と請負業務は頻出ポイントなので押さえておきましょう。
次回はセキュリティにおける関連法規について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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