[ITパスポート試験]業務のモデリング[無料講座・例題付き!]
今回はITパスポートで問われるシステム戦略について学習していきます。
業務のモデリング
相手に物事を伝える場合もそうですが、ビジネスにおいて効果的かつ経済的にシステムを利用するには戦略が非常に重要です。
そのためには業務を分析することが必要不可欠で、現時点でどのようなプロセスを踏んでいて、将来的にどのようになるかといった見通しを立てる必要があります。
例えば冒頭の例の様に言葉が伝わらない相手であれば、言葉以外の伝達手段である画像やグラフを用いる(可視化する)必要があります。
そして業務やシステムにおいて可視化することをモデリングと呼びます。
モデリングの手法としてはE-R図・DFD・BPR・EA等があります。詳しく見ていきましょう。
E-R図
関係データベースの設計において用いられる図をE-R図と呼びます。
対象となる実体(エンティティ)と、実体間の関連(リレーションシップ)を表現する図になります。
この図では、「商品」と「発注」、「取引先」がそれぞれエンティティとなっています。
それらのエンティティをつなぐ→がリレーションシップです。
矢の無い側(ここでは商品や取引先)が1、矢のある側が多となります。
この画像の意味を解釈すると、「一つの商品に対して発注がかかることが複数あり、一つの取引先が複数の発注をすることがある。しかし、発注は一回ごとに一つの商品や一ヵ所の取引先が決まっている」という意味になります。
DFD
データの流れに注目して業務をモデリングする手法をDFD(Data Flow Diagram)と呼びます。
データの加工プロセスやファイル、帳票などのデータの保存先であるデータストアを階層的に表現します。
DFDで用いられる記号と記述は以下の通りです。
記号 | 名称 | 意味 |
〇 | プロセス | データの入力や出力、加工などのプロセス |
→ | データフロー | データの流れ |
= | データストア | データの保存、ファイルやデータベースなど |
□ | データの源泉と吸収 | データの発生元と行き先 |
BPR
業務内容やビジネスプロセスを見直し、再構築することをBPR(Business Process Reengineering)と呼びます。
また、複数回にわたって業務プロセスの分析と改善を継続的に行う事をBPM(Business Process Management)と呼びます。
EA
大企業や政府機関といった巨大な組織において、業務と情報システムの整合性を維持し全体の最適化を図る設計や管理手法をEA(Enterprise Architecture)と呼びます。
業務やシステムの現状(As Is)と、将来どのようになるべきか(To Be)を分かりやすく可視化した図面や文書を作成するところから始まります。
業務のモデリング・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
問1
E-R図に関する記述として,適切なものはどれか。(H.29/春)
ア 構造化プログラミングのためのアルゴリズムを表記する。
イ 作業の所要期間の見積りやスケジューリングを行い,工程を管理する。
ウ 処理手順などのアルゴリズムを図で表記する。
エ データベースの設計に当たって,データ間の関係を表記する。
問2
DFDにおいて,データフローや処理(機能)以外に記述されるものだけを全て挙げたものはどれか。(R.1/秋)
a.データの処理に要する時間
b.データの蓄積場所
c.データの発生源や出力先
ア a,b
イ a,b,c
ウ b,c
エ c
問3
EA(Enterprise Architecture)で用いられる,現状とあるべき姿を比較して課題を明確にする分析手法はどれか。(H.31/春)
ア ギャップ分析
イ コアコンピタンス分析
ウ バリューチェーン分析
エ パレート分析
解説(クリックで展開)
業務のモデリング・まとめ
今回は業務のモデリングについて学習しました。
特にE-R図とDFDは頻出なので、この図を見たらこれだ!と断定できるようにしておきましょう。
次回はソリューションビジネスについて学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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