[ITパスポート試験]経営分析(PPM分析・SWOT分析)[無料講座・例題付き!]
今回はITパスポートで問われる経営分析について見ていきます。
経営分析
経営戦略は企業が自らの目標を達成するための指針や構想を指します。
経営戦略を立案するためにはどのような分野で戦い、どのような製品に重点を置くかを検討していく必要があります。
その戦略を立てるためにも、自社だけでなく他社や市場・事業環境などを包括的に分析する必要があります。
経営情報分析は、各種のデータをもとに会社の経営状態を分析し、その分析結果に基づいて問題点を洗い出し、今後の策定を行う方法です。
主によく出題される分析手法はPPM分析・SWOT分析・CSF分析・バランススコアカード分析・RFM分析の5つです。
PPM分析
商品について、市場成長率を縦軸に、市場占有率を横軸にとって4つの象限に分割し、商品がそのいずれに属しているかにしたがって経営資源の配分や優先順位の決定に役立てる市場分析手法をプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)分析と呼びます。
ポジションは全部で4つ、
- 金の生る木・・・一番お金を生むポジションで大きな投資をすることなく資金の回収が可能です。
- 花形・・・すでに売れ始めているものの、競争が激しく、シェアを維持する必要があるため、積極的に広告を売ったりキャンペーンを行う必要があります。
- 問題児・・・市場は成長しているものの、自社のシェアが低いため売り上げを圧迫しています。しかししっかりと育てば将来的に花形へとなるため、投資をするか、撤退をするかの見極めが重要です。
- 負け犬・・・市場占有率も市場成長率も低く、一般的に撤退を検討すべき部所になります。しかし徹底して合理化を行い、他の他社が撤退するまで生き残ることで金の生る木へと移行できる可能性も十分にあります。
SWOT分析
SWOT分析は、組織を
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
の4つに分けて分析する手法で、その頭文字をとってSWOT分析と呼んでいます。
さまざまな要因を4つに分類し、表にまとめることで問題点が整理されます。
SWOT分析 | 自社の目標達成に | ||
プラスとなる要因 | マイナスとなる要因 | ||
環境要因 | 内部環境 | S | W |
外部環境 | O | T |
CSF分析
CSF分析は経営目標(KGI:Key Goal Indicator)に対する重要成功要因のことになります。
競争優位を確立するために、何をすればよいか、何ができれば良いかを明確にしたものです。
バランススコアカード分析
バランススコアカードは、従来の財務的な視点のみではなく、そこに学習・成長の視点、業務プロセスの視点、顧客の視点の3つを加えた4つの視点から企業の現在と将来の橋渡しをする戦略策定手法になります。
それぞれ掘り下げると、
- 財務の視点・・・どうすれば儲かるか
- 顧客の視点・・・どうすれば満足してもらえるか
- 業務プロセスの視点・・・どうすれば無駄を省けるか
- 学習と成長の視点・・・どうすれば社員が成長するか
を表しています。
RFM分析
顧客の過去の購買実績を分析する手段で、次の指標を用います。
- R(Recency:最新購買日)・・・いつ買ったか、最近購入したか。
- F(Frequency:購買頻度)・・・どのくらいの頻度で買われているか。
- M(Monetary:累計購買金額)・・・いくら使われているか。
経営分析・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
問1
PPM(Product Portfolio Management)の目的として,適切なものはどれか。(H.29/春)
ア 事業を”強み”,”弱み”,”機会”,”脅威”の四つの視点から分析し,事業の成長戦略を策定する。
イ 自社の独自技術やノウハウを活用した中核事業の育成によって,他社との差別化を図る。
ウ 市場に投入した製品が”導入期”,”成長期”,”成熟期”,”衰退期”のどの段階にあるかを判断し,適切な販売促進戦略を策定する。
エ 複数の製品や事業を市場シェアと市場成長率の視点から判断して,最適な経営資源の配分を行う。
問2
ある業界への新規参入を検討している企業がSWOT分析を行った。分析結果のうち,機会に該当するものはどれか。(H.30/春)
ア 既存事業での成功体験
イ 業界の規制緩和
ウ 自社の商品開発力
エ 全国をカバーする自社の小売店舗網
問3
部品製造会社Aでは製造工程における不良品発生を減らすために,業績評価指標の一つとして歩留り率を設定した。バランススコアカードの四つの視点のうち,歩留り率を設定する視点として,最も適切なものはどれか。(H.26/春)
ア 学習と成長
イ 業務プロセス
ウ 顧客
エ 財務
解説(クリックで展開)
経営分析・まとめ
今回は経営分析に関する内容を学習しました。
いずれの分析手法も頻出なので、図とともに覚えてしまいましょう!
次回は経営戦略について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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