基本情報技術者試験とITパスポート試験の違い!Iパスは飛ばしても大丈夫?
情報処理技術者試験にはレベルが1~4まで用意されており、特に知名度が高く人気がある資格はレベル1のITパスポートとレベル2の基本情報技術者試験になります。
ただその2つを比較するとどうしても基本情報の方が有力視されており、
等、Iパスを取ってからステップアップして基本情報を取ればよいのか、いきなり基本情報に挑戦しても良いのか等迷うポイントは多いかなと思います。
そこで今回はこの二つの試験両方に挑戦したうえで、さらに応用情報や支援士資格まで合格している筆者が具体的な違いを紹介しつつ、どのような順序でとって行けば良いかアドバイスさせていただきます。
本記事のまとめ!
- ITパスポートと基本情報は偏差値こそあまり変わらないが、プログラミングの有無で難易度は大きく変わる
- ITパスポートを飛ばしても問題ない
- Iパスや基本情報対策なら通信講座を活用しよう!
難易度の面での比較
まず、最も気になるであろう難易度の面での比較を見てみようと思います。
偏差値での違い
まず偏差値の違いです。
難易度の値は2020年1月時点での資格の取り方様を参考にさせていただいています。
時期や個人によって感じ方はさまざまなので、その点ご了承いただければと思います。
- ITパスポートは45
- 基本情報技術者試験は49
となっており数値だけ見ると、一応基本情報技術者試験の方が難しいですが双方にそこまで差は見られないように感じられます。
合格ラインはともに6割
合格できるラインはITパスポートも基本情報も、ともに6割とされています。
注意しないといけない点として、ITパスポート及び基本情報技術者試験の午前試験は全て四択問題であり配点も等しいため、単純に全体の問題数の6割を正解すればクリアとなります。
しかし一方で、基本情報技術者試験の午後に関しては問題によって配点が異なってくるので配点基準が分からないため合格発表日にならないと合格は分かりません。
一方でITパスポートの場合、配点は明確ですが足切り制度が設けられています。
ITパスポートは主にテクノロジ系、ストラテジ系、マネジメント系の3つの分野から構成されており、1分野でも3割を切ったら全体で6割超えていても不合格になるので注意しないといけませんね。
一方で基本情報の午後試験は以下のような配点基準になっています。(2020年から改定)
問 | 分野 | 選択方法 | 配点 |
1 | 情報セキュリティ | 必須 | 20点 |
2~4 | ソフトウェア・ハードウェア データベース ネットワーク |
2~5の中から2問 | 15点 |
5 | プロジェクトマネジメント サービスマネジメント システム戦略 経営戦略 企業と法務 |
15点 | |
6 | データ構造とアルゴリズム | 必須 | 25点 |
7~11 | ソフトウェア開発(C言語、Java、Python、アセンブラ、表計算) | 7~11の中から1問 | 25点 |
基本情報技術者試験の場合足切りはありませんが、問6と問7~11のアルゴリズムやプログラミングに占めるウェイトが非常に重くなっていることが分かります。
基本情報には避けられないプログラミングの壁がある
上記の表でも示した通り、基本情報技術者試験にはプログラミングの壁があり、これが人によっては非常に難しく感じることが多いです。
特に実務経験がなかったり、数学やアルファベットに抵抗があったりする人はとっつきづらく、筆者自身も苦戦した記憶があります。
基本情報でプログラミングは避けようと思っても避けられないので乗り越える手段は2つで、一つ目がしっかりとプログラミング対策を行う事。
もう一つが、あえてプログラミングを必要としないさらに上の試験、応用情報技術者試験に挑むことです。
応用情報と言うと完全に難関資格と言った認識があり、いきなり無謀じゃない!?と思われる方も多いかと思いますが、実際に筆者は基本すらもすっ飛ばして応用に手を付け合格しているので意外といけます。
ITパスポートはいつでも受けられる
受験時期に関しても相違があり、ITパスポートは年中実施しており受験者の方で指定して受講する形になります。
一方で基本情報技術者試験は春の4月と秋の10月の年2回に限られており、タイミングの合わせ方が難しくなります。(令和2年度以降変わっています)
仕事の繁忙期と重なってしまうと基本情報は中々受験すらできない!と言った方も多く、実際受験場に向かっても空席が目立つこともありました。
また、受験形式に関して、ITパスポートではパソコンを用いたCBT(Computer Based Test)と呼ばれるSPI試験のような形式で受験しますが、基本情報技術者試験ではセンター試験の様なマークシート形式で受験します。
CBT体験は慣れていないとなかなか手筈が分からないので、一度練習しておくのが良いでしょう。
試験時間に関してはITパスポートが120分、基本情報技術者試験が午前午後それぞれ150分の計300時間と言う長丁場になっています。
この長時間に集中力がついて行かず途中から問題文が読めなくなってしまうことも予想されるので、時間を図りながら問題を解く癖も同時に着けておきたいですね。
評価比較
次に、資格取得後の評価の違いも見ていきましょう。
進学・大学での評価
まずは学校での評価です。
大学や専門学校の中では最近資格を重視するところも増えつつあります。
以下の表はIPAが出している表で、各大学で資格ごとに認定される単位をリスト化したものになります。
こうしてみると単位数的にはあまり変わりませんが、僅差でIパスの方が勝っていますね。
一方、進学に関してはどちらをとってもあまり有利になるという記事は見かけないため、どちらかと言うと入学後に単位認定を狙いコマ数を減らすと言った目的になりますね。
就職時の評価
次に入社後の評価を見てみましょう。
以前筆者の方でそれぞれの資格における求人数を調べたことがあります。
これを見ると大手転職サイトのDodaにおいてはITパスポートが200弱、基本情報が400超えと倍以上の差があることが分かります。就職で強いのは基本情報になりますね。
いきなり基本情報に挑むメリット
次に、いきなりITパスポートを飛ばして基本情報技術者試験に挑むことのメリットを紹介します。
評価が高い
先ほども書いた通り、就職においてはITパスポートよりも基本情報の方が人気が高く、求人数も多いです。
また、企業によっては資格手当がつくことが多いですがほとんどの企業で基本情報技術者試験≧ITパスポートとなっております。
中には昇進条件になっていることもあるそうなので、狙える場合はガンガン狙っていきましょう。
費用を抑えられる
情報処理技術者試験はどの資格も一律で5,700円です。
その為、ITパスポート→基本情報の順に取ると11,400円かかってしまいますが、基本情報技術者試験をいきなり取れてしまえば5,700円になります。
5,700円あればゲーム1本買えたり、美味しいディナーを食べられたりするので、可能であれば浮かせたいですね!
午前で知識を補強すれば、ITパスポートにノー勉で合格することも可能
基本情報技術者試験の午前問題とITパスポートの問題のレベルは若干ITパスポートの方が難しいかな?くらいで、大して変わりません。
そのため基本情報を先に勉強して午前対策をしておけば、ITパスポートがやっぱり欲しい!となったときもほぼノー勉・もしくは一夜漬けで合格できると言えます。
筆者自身もこのパターンで先に上位資格に合格した後にITパスポートにすんなり合格できています。
リスク
次にリスクもあります。
出題範囲が広すぎて挫折しやすい
非IT系の方が基本情報の勉強をしようとするとその範囲の広さや専門性の深さから挫折してしまうこともあります。
具体的に書いてみると
技術系であれば
- 離散数学
- コンピュータアーキテクチャ
- セキュリティ・ネットワーク
- データベース
マネジメント系であれば
- プロジェクト・サービスマネジメント
- システム開発系
- 監査
ストラテジ系であれば
- 経営戦略
- 法務
- 企業活動
等多岐に渡りそれなりに深いです。
加えて先ほど書いたプログラミングの壁もあり学ぶことが非常に多いです。
一方でITパスポートに関して、範囲は同じでも基本情報程深くはなくプログラミングも必修ではありません
そのため段階的にIパス→基本情報の方が負担は少ないです。
業務に役立つのはIパス寄り
基本情報技術者試験では技術者よりの事を主に学びます。
その為、エンジニアとしての知識を多く養える一方で事務や営業と言ったIT機器を使うもののそこまで深い知識を必要としない場合には余計な知識が多いです。
一方でITパスポートは基本的なIT機器の仕様(例えばBluetoothやICカードの仕組み)だったり、メールの使い方やセキュリティだったりといった業務に役立つ事を学びます。
ゴリゴリのエンジニアを目指す!と言った方でない場合はIパスだけ取得しておいても問題ないでしょう。
効率よく基本情報技術者試験に合格するために
ITパスポートを経由せずに基本情報技術者試験に合格したい場合、特に前提知識がない場合はそれなりに戦略を立てて挑む必要があります。
実際に筆者も非IT系からの勉強で苦戦しましたが、その時の備忘録として勉強方法を残しており、それ以外にもおすすめのテキストやスクール情報もまとめてあるのであわせてご覧ください。
勉強方法
まずは勉強方法です。各分野の対策法や勉強の流れ、モチベーション維持の方法などをまとめているのでご覧ください。
テキスト選び
独学で勉強する場合特にテキスト選びも大事です。
筆者自身複数のテキストを読み比べた経験もあり、それぞれのテキストの特徴をある程度把握したうえで比較記事を書きました。
テキストの選び方から使い方までまとめているのでこちらもあわせてご覧ください。
独学が難しい場合はスクールも
独学で勉強していても分からないことだらけだと独学が難しいと感じてしまうこともありますし、社会人の場合そもそもまとまった勉強時間が取れない可能性もあります。
そういった時に考えられる選択肢の一つとしてスクールや通信講座を受講する事が挙げられます。
筆者もいくつかの試験でスクールを利用したことがありますが、勉強時間も抑えられますし、何より受講したときとしてないときの合格率が段違いです。
基本情報技術者試験のスクールはいくつかありますが、その中でも次の2校が非常におすすめです。
スタディング
勉強時間がなかなか確保できない、より効率的にコストを抑えたいと言う方はスタディングがおすすめです。
スタディングは歴史こそ老舗スクールより浅いものの、近年特に受講者数を増やしている勢いのある講座です。
学習進捗管理機能や他の受講者の学習時間を把握できると言うのもモチベーションにつながるポイントであり、問題集もテキストも全てオンライン上で完結、スマホ一台あればどこでも勉強できるので忙しい方でも安心して受講できます。
こちらも詳しく掘り下げた記事を用意しているのでご覧ください。
BizLearn
プログラミング言語の対策をしたり、午前免除を受けたかったりする場合、BizLearnがおすすめです。
また、マンツーマンでのサポートも行われており時間をとってでもしっかりと勉強して合格を手にしたいという方はBizLearnをおすすめします。
スタディングと比較すると多少高くなってしまいますが、大原などの大手スクールよりははるかに安いので気軽に受講できます。
いきなり基本情報を受けるにあたってのまとめ
本記事のまとめ!
- ITパスポートと基本情報は偏差値こそあまり変わらないが、プログラミングの有無で難易度は大きく変わる
- ITパスポートを飛ばしても問題ない
- Iパスや基本情報対策なら通信講座を活用しよう!
今回はITパスポートと基本情報技術者試験を比較しつつ、ITパスポートを飛ばしていきなり基本情報技術者試験を受ける場合のメリットやリスク、さらにその方法を紹介させていただきました。
どちらから取得するにしても国家資格でありそれなりの対策は必要ですが、取得することで転職や昇進など色んな所でプラスになる事に間違いありません。
一度とってしまえば生涯有効なこともあり魅力的なので是非取ってみてください!
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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