簿記が苦手で嫌い!?嫌いになりがちな理由と、楽しい・面白いと感じるためのコツ
特に商業系の学生さんや経理に配属された方は、学校や会社から簿記を取得するように言われることも多いと思います。
確かに簿記はその後のキャリアに大きく影響する資格ですが、中には
と言ったように、簿記試験に苦手意識を持ってしまう方も多いと思います。
この記事では、簿記が苦手・嫌いと言う方に向けて、どうすれば楽しい・面白いと感じてもらえるかについて触れていきます。
簿記に苦手意識が出る理由
そもそも、なぜ簿記が難しい、苦手だ。と感じてしまうのでしょうか。
難しいと言った意識が先行しているから
簿記試験と言うと、複雑な計算問題が多く計算力を問われることや、級が上がるにつれ会社法や会計学なども絡むため難しいと感じる方が後を絶ちません。
確かに、数字が嫌いと言う方や法律を覚えるのが苦手と言う方は中々乗り気になれない気持ちも分かります。
しかし簿記試験では実はそこまで難しい計算問題はなく、単純な計算問題の組み合わせであるパターンが多いです。
また、法律や会計学に関しても覚える範囲は限られており、重点的に対策すれば解けない問題はありません。
結局のところ、「難しい」と言うのは基礎の積み重ねで対応できるので、まずは基礎を大切にする事。
そこに注力すれば簿記は決して難しい試験ではありません。
企業や学校から「強制されている」と感じるから
人は興味があることは誰かに言われなくても(逆に止められても)のめりこんで突き進んでいくものです。
一方で、人から強制されたものは中々やる気になりませんよね。
学校で必要だから、会社から命令されたから・・・
筆者も学生の頃、親から勉強を強制されていた時は確かにやる気がなかったことを覚えています。
一方で、社会人になってからは勉強の重要性に気づき、仕事以上に注力していたりしますが(;・∀・)
複式簿記と言う概念に慣れていない
簿記では複式簿記と呼ばれる処理が必要になってきます。
よく家計簿をつけている方がそのノリで簿記試験に挑戦し玉砕していますが、それは単式簿記か複式簿記かの差が大きすぎるためです。
同じ取引でも書き方が全く変わってくるので、慣れが必要です。
- 3月3日:商品を買って現金500円を払った
- 3月9日:インターネット料金として1,000円が通帳から引き落とされた
- 3月15日:商品を売って800円が月末(3月31日)に振り込まれることになった
これらの例を単式簿記・複式簿記それぞれで見てみましょう。
単式簿記
日付 | 科目 | 収入 | 支出 | 摘要 |
3月3日 | 仕入 | 500 | ○○商品購入 | |
3月9日 | 通信費 | 1,000 | インターネット料金 | |
3月31日 | 売上 | 800円 | ○○商品売上 |
家計簿などはこの形式での入力が多いです。
実際に現金や預金が動いた時のみ書き込むパターンが多く、本人が分かれば良いためある程度ルールも自由に決められると言った特性があります。
複式簿記
日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
3月3日 | 仕入 | 500 | 現金 | 500 |
3月9日 | 通信費 | 1,000 | 普通預金 | 1,000 |
3月15日 | 売掛金 | 800 | 売上 | 800 |
3月31日 | 普通預金 | 1,000 | 売掛金 | 1,000 |
複式簿記ではこのように、取引内容を詳細に全て記入する必要があります。
お金の動きがない場合でも記入しなければいけなく、全国的に統一されたルールにしたがって仕訳を行う必要があるので非常に難しいと言えるでしょう。
算数・数学が嫌い
簿記と言えば、数字を扱うためどうしても算数や数学と絡めて考えてしまいがちです。
小・中・高と学生時代に数学が苦手だった方は、数字が出てくるだけでアレルギー反応が出てしまうことも少なくありません。
簿記が面白いと思えるために
上記の理由からも簿記が苦手と言う方は多いです。
しかし、簿記のスキルは多くの企業で通用するため社会人なら取得しておきたい概念です。
興味を持つためにもまずは簿記が面白い、と言うことに気づく必要があるので簿記の面白い点や、興味が出るポイントについて触れていこうと思います。
簿記の歴史を知ろう
そもそも簿記(複式簿記)とはいつどこで生まれたのかご存じでしょうか。
実は簿記の歴史は、14~15世紀のルネサンス期に、イタリアのヴェネツィア商人によって考案されたとされています。
今からおよそ600年前に簿記が生まれ、今日でも重要なスキルとして役立っているのは非常に興味深いですね。
また、簿記を日本に普及させた人物も興味深いです。
簿記を日本に普及させたのは「学問のすすめ」でも有名な福沢諭吉です。
当時のアメリカの簿記テキストを翻訳し日本に持ち込んだと言われています。
このように、簿記は歴史的もあり、誰しもが知っている人によって日本で広められたことを知っておくと興味が湧くのではないでしょうか。
簿記の最終目的を押さえておこう
簿記1つ1つの仕訳に全集中してしまうと、そこに目が行ってしまい最終目的を見失いがちです。
では簿記の最終目的は何でしょうか。簿記の目的としては1つ1つの仕訳を正確に行い、決算前に財務諸表と言った会社の成績表を作成することが目的です。
財務諸表を正しく作成することで、株主や投資家をはじめ多くの人に自分の会社の成果を示すことができます。
決算報告として、「○○社は売上が前年比××%増加!」などよく見るかと思います。
簿記の知識があればこれらの意味が分かり、どの会社が伸びているかと言うことが分かり、将来の会社選びに繋がると言えます。
頭で覚えるより体で覚えよう
簿記は論理的なように見えて、実は手を良く動かす技能的な部分が多いです。
電卓を叩くスピードや左右の貸借を瞬時に判断する、図を書いて原価を求めるなど、簿記問題では結構指先や手全体を使って問題を解くことになります。
そのため、頭で時間をかけて理解する、と言うよりは、この問題はこう解く!と言ったようにパターン化し、技能的に解くのが理想です。
頭で考えずにまずは手を動かす。このことを意識して問題を解いてみましょう。
3級・2級まではそこまで難しい計算は出ない
簿記は1級までありますが、就職に有利とされる2級まではそこまで難しい計算問題は出題されません。
すでに簿記学習済みの方であればわかるかと思いますが、簿記は四則演算と呼ばれる足し算・引き算・掛け算・割り算ができれば簿記2級までは取得できてしまいます。
つまり小学生レベルの知識があれば問題ないというわけですね。
最近では小学3年生で簿記3級を取得したと言うニュースもありましたが、要するにそういう事です。
小学生が解けるなら自分も解けるはず!そう思う事で、精神的な敷居は下がるのではないでしょうか。
簿記の苦手意識を克服するために
今回は簿記の苦手意識を克服するためにいくつか解決方法を紹介させていただきました。
頭ごなしに難しいと思い込むのではなく、簿記そのものを知り、最終的に何がしたいのかを押さえておくと目的が明確化します。
簿記は取れれば就職にも有利ですし、独立にも役立ちます。
苦手意識を持ったまま逃げ続けるのはもったいないので、簿記の面白さを知った上で楽しく勉強していきましょう♪
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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