経理に簿記は必要?何級から仕事で役に立つ?取っておいた方がいい理由を徹底解説!
経理の仕事をする上で、簿記の必要性についてはよく問われます。
筆者は3年以上経理の仕事をやっていましたが、会社からも簿記を取得するように推奨されました。結論から言えば、簿記の知識は経理の仕事をする上で欠かせません。
この記事では経理業務を行ううえで、簿記がどのような場面で役に立つか解説します。また、何級から特に評価されるかについても解説していきます。
本記事のまとめ!
- 経理で簿記が求められる・役に立つ場面は非常に多い!
- 転職・キャリアアップに有利なのは簿記2級から
- 短期間で簿記2級を目指すならフォーサイトがおすすめ!
簿記が経理をする上で必要な理由は?
簿記が経理をする上で必要な理由は、以下の3つです。
経理業務全般の基礎知識を学べるため
経理には独特の業務がいくつかあります。
- 日計仕訳
- 税務申告
- 決算処理
- 原価計算
- 予算管理
これらの業務はすべて、仕訳ができたり簿記一巡を知っていたりしなければ、なかなか処理が進みません。
知識がないままに経理の業務にあたると、時間がかかってしまったりミスを繰り返してしまったりします。
実力を客観的に示せるため
経理に簿記が必要な理由として、実力を客観的に示せる点が挙げられます。
経理は専門性が高い仕事なので、知識やスキルがなければなかなか採用されません。しかし簿記を持っていることでスキルを客観的に示せるため、内定率がグンと上がります。
経営者とのコミュニケーションが円滑になるため
経営者が会社を動かすうえで一番気にするのが数字です。投資をしたり予算を組んだりするときも、数値を示すことで決断が下りやすいです。
そして数字を出すのは経理の仕事です。数字を理解することで、経営者との距離は一気に縮まります。
経理の仕事で簿記が役に立つ例
経理の仕事をしていく上で、簿記の必要性を感じた場面はかなり多くありました。
以下は経理業務で簿記が役に立った一例です。
仕訳
経理の業務において、各取引を伝票に記入する仕訳作業は重要です。仕訳は毎日行う業務ですが、簿記の基礎知識がないとスムーズに処理できません。
仕訳の中には煩雑だったり難解だったりするケースもあります。借方や貸方に何の勘定科目を入れれば良いかを瞬時に正確に判断するためには簿記の基礎知識が土台となります。
仕訳は経理業務のなかでも基礎的かつ重要な業務なので、簿記を通して学んでおきましょう。
固定資産の管理
会社が建物や設備として持つ資産を固定資産と呼びます。固定資産の管理をする場合も簿記で学ぶ知識が必要です。
固定資産については、具体的には以下のような論点があります。
- 有形固定資産と無形固定資産
- 建設仮勘定
- 減価償却費
償却率の計算(定額法・定率法の違いなど)は簿記をやっていないと理解に時間がかかるので、簿記試験を通して理解を進めておきましょう。
連結会計
子会社や親会社など、グループ企業がある場合は連結会計をする必要があります。連結会計とはグループ外の利害関係者に会社の財務諸表を見せる際、グループ内での取引を相殺して開示することです。
連結会計に関しては特に親会社で必要であり、日商簿記2級の新範囲にも組み込まれています。連結会計も簿記で知識を備えていなければ、経理業務に対応できません。
会計監査
どの企業も正しい会計を行っているか、脱税や虚偽報告のための不正をしていないかを証明するために、会計監査を受けなければいけません。
会計監査は公認会計士の立会いの下行われます。会計士との対応・会計士への質問・会計士からのアドバイスを受ける場合も簿記の知識が不可欠です。
会計士の言っていることを理解し、自社の財務に落とし込むためには簿記で体系的な知識を備えておくと良いです。
簿記は何級まで持っていれば役に立つ?
簿記には日商簿記・全経簿記・全商簿記がありさらに級が分かれています。
今回は需要が高い日商簿記に絞って解説していきます。
他の簿記試験のレベルが日商簿記だとどれくらいの評価か知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
日商簿記3級の評価や需要
中小企業の経理スタッフとして働きたい場合、日商簿記3級があれば十分です。
日常で行う仕訳・減価償却費の処理・財務諸表の意味など基礎的なことが学べるのでそのまま仕事に活かせます。
日商簿記3級はそこまで難しくないので、まずは挑戦してみましょう
日商簿記2級の評価や需要
中小企業の経理部門長や大企業の一般経理職を目指す場合は、日商簿記2級があると良いです。
日商簿記2級では株式の処理を取り扱うため、経営にかかわる知識などを学べます。
連結会計も学べるので、子会社や親会社と連結会計を行っている会社の経理業務では簿記2級があればかなり重宝されます。
日商簿記2級は難易度も高いので、計画的に勉強しておきましょう。
日商簿記1級の評価や需要
日商簿記1級は大企業の経理部門長クラスに求められる資格です。公認会計士・税理士など、業務独占資格を目指す方も狙うことがあります。
難易度は簿記2級と比べて跳ね上がり、取得までの平均勉強時間は1,000時間以上必要です。その時間を費やしてでも取るメリットがあるかどうかを判断した上で目指しましょう。
簿記だけで経理業務全てをカバーはできない
経理職をする上で、簿記の資格だけあれば良いわけでもありません。業務をする上では消費税法の知識だったり、計算を的確に素早く行える計算力だったりも必要です。
ビジネスマナーやコミュニケーション能力など、他の人と働く際に必要な能力も多々あります。
前者に関しては下記社団法人の試験により伸ばすことができます。
後者のヒューマンスキルに関しては仕事を始めてからじっくりと伸ばしていきましょう。
経理職以外で簿記が役に立つ場面は?
簿記は経理以外でも役に立つ場面も多いです。具体的には以下のような仕事で需要があります。
管理職
管理職の方にとって予算・原価・費用対効果などを正しく把握するのは必須のスキルです。会議でも数値に基づいた説得力のある発言には簿記の知識が大いに役に立ちます。
管理職と言っても、経理部門長・社長だけでなく理系職・営業職などすべての部門に当てはまります。管理職を目指す方は簿記の知識があれば大きな武器になります。
エンジニア
情報処理技術者試験を受けるエンジニアの方にも簿記の知識は役立ちます。
システムを組むことやプログラミングをコーディングするのは得意だけど財務や会計は全くノータッチといった方も多いです。
しかし簿記とエンジニアは意外と相性がよいです。会計システムは需要が多いですが、簿記・システムの両方を把握していないと作れません。
また、先述の通りエンジニアからマネージャーに進むときにも、管理会計の知識は必須です。
独立したい方
独立する場合、会社に頼らず自分で決算・納税を行うため、簿記の知識が必要です。何が費用として計上できるか、税金はどれくらいかかるのかを知っていると、節税できたりスムーズに仕訳処理できたりします。
決算報告ができない場合税理士を雇って別途費用が発生するため、独立を視野に入れている方も簿記を勉強しておきましょう。簿記を一から勉強したくない方でも、「フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。」と言った本は持っておくと便利です。
経理に役立つ簿記を効率的に勉強しよう!
最後に、効率よく簿記を学ぶための方法をご紹介します。
独学での勉強方法
簿記を独学で突破したい場合、徹底したスケジュール管理をしつつ、勉強の習慣を身につけましょう。
難易度は高く時間はかかりますが、必要な費用は受験料(+電卓などの備品)なのでかなり節約できます。
当サイトで勉強方法をまとめているのでよろしければご参照ください。
日商簿記3級の勉強方法
日商簿記2級の勉強方法
通信講座
通信講座を使う場合は時間がかなり短縮でき、解き方のコツなども動画や講座を通して体系的に学べるので短い時間でサクっと合格したい方にはおすすめします。
ただしそれなりに費用がかかる点は注意しましょう。おすすめの簿記対策通信講座は以下の通りです。
1位:フォーサイト
受講料(税込) | 37,800円~ |
受講期間 | 次回試験まで |
受講形態 | 通信講座 |
教材 | ・受講ガイド / 戦略立案 / 合格必勝 テキスト&メディア ・eラーニング 道場破り ・確認テスト(道場破り内) ・テキスト1冊 ・模擬試験(1回分) ・問題集1冊 ・合格体験記 ・講義DVD6枚 ・簿記マンガ ・解答用紙集1冊 ・無料メール質問5回 ・解答・解説集1冊 |
サポート・特典 | ・教材無料サンプル ・合格時amazonギフト券贈呈 |
公式HP | https://www.foresight.jp/boki/ |
扱う論点を頻出分野に絞り、どこを学ぶべきかが一目瞭然です。スマホで簡単に学べるアプリ、Manabunも人気なのでぜひ試してみてください。
2位:スタディング
受講料(税込) | 19,800円~ |
受講期間 | 次回検定試験日まで |
カリキュラム | ・基本講座19回 ・検定対策模試3回 |
教材 | ・WEBテキスト ・通勤問題集19回 |
サポート・特典 | 無料講座登録で初回5%OFF |
公式HP | https://studying.jp/boki/ |
スマホ1台でいつでもどこでも講義視聴や問題演習ができるので手軽に勉強を続けられます。
価格も抑え気味なので、お財布にやさしい点も大きな魅力です。
その他の簿記通信講座
ここで紹介した以外にも、多くの通信講座が簿記講座を開講しています。下記記事ではそれぞれの通信講座を徹底的に比較しているので、一度ご覧ください。
経理職で簿記を役立たせるうえでよくある質問
- 簿記を学ぶ必要性を知りたいです。
- 簿記の知識があれば会社の財務状況を把握できます。自社の経営状況を把握できるとともに、営業職でも役に立ちます。
- 経理職で簿記は何級から必要ですか?
- 小規模企業のスタッフなら簿記3級を、中小企業~大企業の経理職なら2級を目指しましょう。大企業の部長や会計士・税理士を狙うなら簿記1級があると望ましいです。
- 簿記を取ればどんな仕事で役に立ちますか?
- 簿記があれば経理部門・税理士事務所・会計事務所などで働けます。
簿記は必要性が高く経理職に役立つ!
本記事のまとめ!
- 経理で簿記が求められる・役に立つ場面は非常に多い!
- 転職・キャリアアップに有利なのは簿記2級から
- 短期間で簿記2級を目指すならフォーサイトがおすすめ!
簿記は経理をする上でなくてはならない知識を学べる素晴らしい資格です。経理マンとしてキャリアを積みたい方は、可能な限り取るようにしましょう。
しかし、経理をする上で簿記の知識だけでは経理は務まりません。資格を取りつつ実務経験やコミュニケーション能力もあわせて伸ばしておくと良いです。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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