[日商簿記3級]仕訳日計表とは[無料講座・例題付き!]

2019年9月23日

日商簿記3級 仕訳日計表とは

今回は日商簿記3級仕訳日計表について学習します。

チョロ
チョロ
会社が大きくなって処理が増えたせいで転記ミスが増えてきたでチュ~・・・
モナ
モナ
そんな時こそ、仕訳日計表を使うニャ!

仕訳日計表とは

各取引を伝票に記入し、その後で総勘定元帳に転記する必要がありますが、処理が膨大になってくると転記ミスも生じやすくなってきます。

そこで、転記ミスを極力減らすための取り組みとして仕訳日計表と呼ばれる表を作ることが挙げられます。

仕訳日計表は日計というだけあり、1日分の取引を勘定科目ごとに集計しておく表のことを言います。

仕訳日計表

令和元年11月15日

12

借方 元丁 勘定科目 元丁 貸方
〇〇 現金 〇〇
△△ 当座預金 △△
□□ 売掛金 □□
・・・
※※ ←貸借は一致→ ※※

仕訳日計表も試算表の一種で、伝票の記入と集計作業に誤りがなければ貸借は一致します。

この仕訳日計表を作ることで日ごとに集計ミスや転記ミスを防ぐことができる仕組みです。

仕訳日計表の作成

では実際に問題を解きながら慣れていきましょう。

令和元年11月15日に作成された次の伝票に基づいて、仕訳日計表を作成し、総勘定元帳(現金勘定)に転記しなさい。

・入金伝票

入金伝票 No.1-1
売上 800
入金伝票 No.1-2
未収入金 500

・出金伝票

出金伝票 No.2-1
買掛金(A商事) 200
出金伝票 No.2-2
貸付金 300

・振替伝票

振替伝票 No.3-1
仕入 200 買掛金(B商事) 200
振替伝票 No.3-2
受取手形 400 売掛金(C商事) 400
振替伝票 No.3-3
買掛金(B商事) 100 支払手形 100
振替伝票 No.3-4
売掛金(C商事) 400 売上 400
振替伝票 No.3-5
売掛金(D商事) 400 売上 400

伝票から仕訳日計表への記入

伝票から仕訳日計表を作成するときも、通常の試算表問題同様仕訳に立ち返ることが大切です。

それぞれの仕訳を一度立ち返ってみましょう。

入金伝票
  • No.1-1:(現金) 800 (売上) 800
  • No.1-2:(現金) 500 (未収入金) 500
出金伝票
  • No.2-1:(買掛金・A商事) 300 (現金) 300
  • No.2-2:(貸付金) 300 (現金) 300
振替伝票
  • No.3-1:(仕入) 200 (買掛金・B商事) 200
  • No.3-2:(受取手形) 400 (売掛金・C商事) 400
  • No.3-3:(買掛金・B商事) 100 (支払手形) 100
  • No.3-4:(売掛金・C商事) 400 (売上) 400
  • No.3-5:(売掛金・D商事) 400 (売上) 400

ここから仕訳日計表へと記入していきます。

仕訳日計表

令和元年11月15日

12

借方 元丁 勘定科目 元丁 貸方
1,300 現金 600
400 受取手形
800 売掛金 400
300 貸付金
未収入金 500
支払手形 100
400 買掛金 200
売上 1,600
200 仕入
3,400 3,400

仕訳日計表から総勘定元帳へ

仕訳日計表に金額を集計し、総勘定元帳に転記していきます。

その際、総勘定元帳の摘要欄には「仕訳日計表」、仕丁欄には仕訳日計表のページ数(今回は12)を記入します。

また、仕訳日計表の元丁欄には総勘定元帳の丁数(例えば現金なら1・・・)を記入します。

仕訳日計表

令和元年11月15日

12

借方 元丁 勘定科目 元丁 貸方
1,300 1 現金 1 600
  ・・・  

総勘定元帳
現金

仕訳日計表の元帳→1

〇月×日 摘要 仕丁 借方 貸方 借/貸 残高
11 1 前月繰越 700 700
・・・
・・・ 2,000
15 仕訳日計表 12 1,300 3,300
15 12 600 2,700
・・・
仕訳日計表のページ数を記入 借方残高なら借
貸方残高なら貸
残高を記入

総勘定元帳以外を作成することも

今回の問題では総勘定元帳の現金についての転記が問題として出題しましたが、得意先元帳や仕入先元帳に記入する問題ももちろん試験で出題されることがあります。

この場合、その勘定科目を用意したり、会社ごとの得意先元帳を作成する必要があります。例えば今回の問題から得意先元帳(C商事)に記入をすると次のようになります。

~略~

振替伝票
  • No.3-1:(仕入) 200 (買掛金・B商事) 200
  • No.3-2:(受取手形) 400 (売掛金・C商事) 400
  • No.3-3:(買掛金・B商事) 100 (支払手形) 100
  • No.3-4:(売掛金・C商事) 400 (売上) 400
  • No.3-5:(売掛金・D商事) 400 (売上) 400

得意先元帳
C商事

1

〇月×日 摘要 仕丁 借方 貸方 借/貸 残高
11 1 前月繰越 500 500
15 振替伝票 3-2 400 100
15 3-4 400 500
・・・
得意先は仕訳日計表からではなく、それぞれの仕訳取引からそのまま転記する 伝票番号を記入 借方残高なら借
貸方残高なら貸
残高を記入
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仕訳日計表・例題

実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。

問題

福井商事は、毎日の取引を入金伝票、出金伝票、振替伝票に記入し、これを1日ずつ集計して仕訳日計表を作成し、仕訳日計表から各関係元帳に転記している。

福井商事の6月1日の取引について作成された次の伝票にもとづいて、(1)仕訳日計表を作成し、(2)用意された総勘定元帳および(3)仕入先元帳に転記しなさい。

(1)の仕訳日計表に関しては該当しない箇所は空白のままにしておくこと。

また、数字に関しては全て半角で3桁ごとにカンマ区切りを入れること。

・入金伝票

入金伝票 No.101
売掛金(石川商事) 8,000
入金伝票 No.102
受取利息 5,000
入金伝票 No.103
貸付金 4,000

・出金伝票

出金伝票 No.201
未払金 1,500
出金伝票 No.202
買掛金(富山商事) 2,000
出金伝票 No.203
買掛金(京都商事) 3,000

・振替伝票

振替伝票 No.301
仕入 2,000 買掛金(富山商事) 2,000
振替伝票 No.302
仕入 3,000 買掛金(大阪商事) 3,000
振替伝票 No.303
売掛金(石川商事) 5,000 売上 5,000
振替伝票 No.304
売掛金(兵庫商事) 4,500 売上 4,500
振替伝票 No.305
買掛金(大阪商事) 2,000 支払手形 2,000
振替伝票 No.306
受取手形 1,500 売掛金(石川商事) 1,500

仕訳日計表

令和元年6月1日

32

借方 元丁 勘定科目 元丁 貸方
現金
受取手形
4 売掛金 4
貸付金
支払手形
32 買掛金 32
未払金
売上
受取利息
仕入

回答ボタン

総勘定元帳
売掛金

4

〇月×日 摘要 仕丁 借方 貸方 借/貸 残高
6 1 前月繰越 20,000 20,000

総勘定元帳
買掛金

32

〇月×日 摘要 仕丁 借方 貸方 借/貸 残高
6 1 前月繰越 15,000 15,000

得意先元帳
石川商事

1

〇月×日 摘要 仕丁 借方 貸方 借/貸 残高
6 1 前月繰越 15,000 15,000
入金伝票
振替伝票

解説(クリックで展開)

仕訳日計表・まとめ

今回は仕訳日計表の作成から総勘定元帳や得意先元帳への転記に関する手法を紹介しました。

取引先元帳への転記もちょくちょく出題されることがあるので、仕訳を切る際、買掛金や売掛金は相手企業も含めて記入する癖をつけておくと良いかもしれません。

ラク
ラク
摘要の書き方あたりも帳簿によって異なるから注意しようぜ!

次回は証票の学習をすすめていきます。


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