[日商簿記3級]訂正仕訳の処理[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記3級の訂正仕訳について学習します。
訂正仕訳
誤った仕訳を行ってしまった場合、本来処理すべき仕訳に訂正する必要があり、これを訂正仕訳と言います。
問題文中に「本来~とすべきところを~として処理していた」などといった文言があったらほぼ訂正仕訳を問う問題なので対処できるようにしましょう。
訂正仕訳の手順としては次の4ステップを頭に入れて置けば良いです。
- 誤った仕訳を考える
- 誤った仕訳の逆仕訳を行う
- 正しい仕訳を行う
- 2と3の処理を合わせる
実際に誤った仕訳を訂正する例題を解いてみましょう。
1.誤った仕訳を考える
文章中から誤った仕訳を考えてみます。
貸方に現金と仕訳してしまったことから、そのまま貸方に現金を記載します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 1,000 |
また、借方は正しく買掛金と処理しているのでそのまま買掛金を記載します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
買掛金 | 1,000 | 現金 | 1,000 |
2.誤った仕訳の逆仕訳を行う
次にこの仕訳の逆仕訳を行い、処理を帳消しにします。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 1,000 | 買掛金 | 1,000 |
この仕訳をすることでそもそもの処理をいったん無かったことにしているわけですね。
3.正しい仕訳を行う
そして正しい仕訳を考えます。小切手で支払った、という事は当座預金からお金が引き落とされることになります。
また、貸方は買掛金を支払ったことによる負債の減少なのでそのまま買掛金で問題ありません。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
買掛金 | 1,000 | 当座預金 | 1,000 |
4.2と3の処理を合わせる
2と3の処理を行えたら、それを合体させて処理します。
2は
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 1,000 | 買掛金 | 1,000 |
3は
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
買掛金 | 1,000 | 当座預金 | 1,000 |
となるのでこれを合体させると
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 1,000 | 買掛金 | 1,000 |
買掛金 | 1,000 | 当座預金 | 1,000 |
となります。
また、貸方、借方両方に買掛金1,000円があるのでこれらは相殺してしまいましょう。そうすると、以下のような仕訳が残りそれが答えとなります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 1,000 | 当座預金 | 1,000 |
訂正仕訳・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[現金][当座預金][売掛金][買掛金][売上][仕入]
問1
買掛金8,000円を現金で支払った時に、借方科目を誤って仕入と仕訳していたので訂正する。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問2
商品800円を掛けで売り上げた時に、誤って貸借逆に仕訳していたのでこれを訂正する。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解説(クリックで展開)
訂正仕訳・まとめ
訂正仕訳はちょくちょく問1に出題されることがあり、1問当たりの配点も大きいので決して落とせない論点になります。
そしてもちろん、2級、1級といった上の級でも当たり前のように出てくるので、①~④のステップを機械的に覚えてしまうのが得策です。
次回からは帳簿に関して学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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