[日商簿記2級(商業簿記)]材料費の処理[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記2級における材料費の処理について学習します。
材料費
材料費は、製品を製造するために消費した材料の金額です。
具体的にどのように分類するか、どのような処理をするかを例題を通して確認していきましょう。
②材料2,500円を消費した。このうち1,500円は直接材料費で、1,000円は間接材料費である。
③月末において材料の棚卸減耗(すべて正常な範囲内のもの)が1,200円生じた。
材料費の分類
材料費は製品との関連(ある製品にピンポイントでいくらかかったかが明らかかどうか)により、直接材料費と間接材料費に分類されます。
直接材料費 | 1.主要材料費 |
2.買入部品費 | |
間接材料費 | 3.補助材料費 |
4.工場消耗品費 | |
5.消耗工具器具備品費 |
直接材料費・間接材料費はさらに細分化され、それぞれの材料費の意味は以下の通りです。
- 主要材料費:ゲーム機の基盤・車のエンジン・家具の木材など、自社で製造する製品の要となる部品費用
- 買入部品費:ゲーム機のパーツ・車のタイヤなど、外部から購入して取り付ける部品費用
- 補助材料費:ネジ・接着剤・ペンキなど、さまざまな製品に使える部品費用
- 工場消耗品費:石鹸・洗剤・軍手など、工場で使う消耗品費
- 消耗工具器具備品費:ドライバー・金槌など、工具や器具における消耗品費
①材料を購入したときの処理
材料を購入した場合、購入した材料自体の価格(購入代価)に、材料の購入にかかった付随費用を加算した金額を、購入原価として処理します。
材料の購入原価:5,000円+500円=5,500円
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
材料 | 5,500 | 買掛金 | 5,000 |
現金 | 500 |
②材料を消費したときの処理
直接材料を消費した場合、材料勘定(貸方)から仕掛品勘定(借方)へ、間接材料を消費した場合、材料勘定(貸方)から製造間接費勘定(借方)へと振り替えます。
したがって、材料を消費した時の処理は以下のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仕掛品 | 1,500 | 材料 | 2,500 |
製造間接費 | 1,000 |
③棚卸減耗が生じたときの処理
材料の棚卸減耗が生じた場合、原因をしらべて通常起こりえる範囲内での減耗の場合には、間接経費(製造間接費)として、処理します。
したがって、今回の場合では以下のような仕訳を切ります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
棚卸減耗損 | 1,200 | 材料 | 1,200 |
製造間接費 | 1,200 | 棚卸減耗損 | 1,200 |
材料費の処理・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
また、仕訳が複数行に渡る場合、金額の多い物から順に書き、不要なところは空白のままにしておくこと。
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[材料][仕掛品][買掛金][製造間接費][棚卸減耗損]
問1
材料4,000円を掛けで仕入れた。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問2
材料のうち、直接材料として3,000円、間接材料として1,000円を消費した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問3
材料の実地棚卸をしたところ、200円の減耗(正常な範囲内)があった。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解答(クリックで展開)
材料費・まとめ
今回は材料費について学習しました。材料から仕掛品の流れや、製造間接費への流れを押さえておきましょう。
次回は労務費の処理について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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