[日商簿記2級(商業簿記)]労務費の処理[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記2級における労務費の処理について学習します。
労務費
労務費とは、工場で働く従業員に対して支払う賃金や給料を指します。
労務費にもいくつか種類があるので、例題を通して確認しましょう!
②当月の賃金消費額は3,300円であった。そのうち2,200円は直接工直接作業賃金で、1,100円は間接工賃金であった。
労務費の分類
労務費のうち、製品の製造に直接かかるものは直接労務費、それ以外のものは間接労務費となります。
1.賃金 | 直接工 | 直接作業分 | 直接労務費 |
間接作業分 | 間接労務費 | ||
間接工 | |||
2.給料 | |||
3.従業員賞与手当 | |||
4.退職給付費用 | |||
5.法定福利費 |
①賃金・給料を支払ったときの処理
賃金や給料を支払ったときは、賃金(費用)や、給料(費用)で処理します。
したがって、今回のケースでは以下のような仕訳をします。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
賃金 | 3,000 | 現金 | 3,000 |
②賃金・給料の消費額の計算
賃金や給料の消費額は次の計算式で求められます。
当月消費額=当月支給額+当月未払額-前月未払額
例えば、5月分の賃金支給額が3,000円で、前月未払い額(4月21日~4月30日)が300円、当月未払い額(5月21日~5月31日)が600円である場合、5月の賃金消費額は3,000円+600円-300円=3,300円となるわけです。
直接労務費の消費
直接労務費(直接工直接作業賃金)を消費した時は、賃金勘定(貸方)から、仕掛品勘定(借方)に振り替えます。
したがって、直接労務費に関する仕訳は以下の通りです。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仕掛品 | 2,200 | 賃金 | 2,200 |
間接労務費の消費
間接労務費(直接工間接作業賃金・間接工賃金・給料など)を消費した場合、賃金勘定(貸方)から、製造間接費(借方)へと振り替えます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
製造間接費 | 1,100 | 賃金 | 1,100 |
労務費の処理・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
また、仕訳が複数行に渡る場合、金額の多い物から順に書き、不要なところは空白のままにしておくこと。
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[現金][仕掛品][賃金]
問1
当月の直接工直接作業賃金の支払高は5,000円(現金による支払い)であった。
なお、月末および月初に未払いはない。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解答(クリックで展開)
労務費・まとめ
今回は労務費について学習しました。直接工直接作業にかかる賃金のみ仕掛品へ、それ以外は製造間接費であると覚えておきましょう。
次回は経費の処理について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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