[日商簿記2級(商業簿記)]無形固定資産[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記2級における無形固定資産について学習します。
無形固定資産
特許権や商標権など、物として実在しないものの長期的に収益を生み出すような資産を無形固定資産と呼びます。
簿記2級で出題される無形固定資産は特許権・商標権・のれん・ソフトウェアが挙げられます。
さっそく例題を通してみてみましょう。
①×1年4月1日 特許権を80,000円で取得し、代金は現金で支払った。
②×2年3月31日 決算につき、当期首に取得した特許権を8年で償却する。
①無形固定資産の取得時
無形固定資産を取得した時には、取得した支出額を無形固定資産の名称(特許権や商標権)などで計上します。
今回は特許権ですね。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
特許権 (資産の増加↑) |
80,000 | 現金 (資産の減少↓) |
80,000 |
②決算日
決算日にはソフトウェアや他の有形固定資産同様、減価償却を行います。
有形固定資産の場合、償却方法は残存価格がいくらで償却方法は定額法なのか定率法なのか、記帳方法は直接法なのか間接法なのかとバラバラでしたが、無形固定資産の場合は全て決まっています。
無形固定資産の場合
- 残存価格がゼロ
- 償却方法は定額法
- 記帳方法は直接法
によって行います。
今回のケースでは特許権80,000円を8年で償却するため、当期の償却額は80,000円÷8年=10,000円となります。
なお、無形固定資産の償却時はソフトウェア同様、「無形固定資産名+償却」といった名称になります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
特許権償却 (費用の発生↑) |
10,000 | 特許権 (資産の減少↓) |
10,000 |
因みにそれぞれの無形固定資産によって償却年数が決まっています。余力がある方は覚えておきましょう。
無形固定資産 | 償却年数 | 説明 |
特許権 | 8年 | 発明や研究を独占的に利用できる権利 |
商標権 | 10年 | 商品の名前や記号などを独占的に利用できる権利 |
のれん | 20年 | 合併や買収で取得したブランド力や稼げると言った期待など |
ソフトウェア | 最長5年 | コンピュータ上で動くプログラム。前回学習済み |
無形固定資産・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
また、仕訳が複数行に渡る場合、金額の多い物から順に書き、不要なところは空白のままにしておくこと。
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[現金][当座預金][商標権][のれん][商標権償却][のれん償却]
問1
×2年4月1日 商標権を取得した。なお、商標権の取得に伴う費用40,000円は小切手を振り出して支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問2
×3年3月31日 決算につき問1で取得した商標権を償却する。また、期首において他社を買収した際に生じたのれん50,000円(借方)を償却する。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解答(クリックで展開)
無形固定資産・まとめ
今回は無形固定資産について学習しました。無形固定資産の処理は残存価格ゼロ、定額法、直接記帳法と言う点は押さえておきましょう。
次回は有価証券の分類について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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