[日商簿記2級(工業簿記)]棚卸減耗の処理(帳簿棚卸数量・実地棚卸数量)[無料講座・例題付き!]
今回は、日商簿記2級における棚卸減耗の処理について学習します。
棚卸減耗
月末には材料の在庫数量と帳簿の数量があっているか確認し、この作業を棚卸と言います。
それぞれの用語について、まずは押さえておきましょう。
- 帳簿棚卸数量・・・帳簿上の材料の数量
- 実地棚卸数量・・・実際に残っている材料の数量
破損や紛失、盗難などさまざまな理由により、帳簿棚卸数量と実地棚卸数量が異なることもあります。
この差のことを棚卸減耗と呼び、棚卸減耗の金額を棚卸減耗費と呼びます。
例題を通して確認してみましょう。
なお、棚卸減耗は正常なものである。
棚卸減耗が生じたときの処理
今回のケースでは、100kgあるはずの材料が90kgしかないため、その差額から棚卸減耗費を計算し、帳簿価格を減らします。
・@15円×(100kg-90kg)=150円
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
材料 (資産の減少↓) |
150 |
なお、棚卸減耗が生じた場合は、原因を調べます。
結果として、減耗が通常生じる程度のものならば製造間接費として処理します。
一方で、火災や盗難などで大量になくなっている場合、通常生じる程度を超えている場合は非原価項目として処理します。
今回は通常生じる程度のものなので、製造間接費として処理しましょう。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
製造間接費 (費用の発生↑) |
150 | 材料 | 150 |
棚卸減耗・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
また、仕訳が複数行に渡る場合、金額の多い物から順に書き、不要なところは空白のままにしておくこと。
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[材料][仕掛品][製造間接費]
問
月末における材料の帳簿棚卸数量は80kg(消費単価は@200円)であるが、実地棚卸量は77kgであった。
なお、棚卸減耗は正常なものである。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解答(クリックで展開)
棚卸減耗・まとめ
今回は棚卸減耗の処理について学習しました。帳簿棚卸数量と実地棚卸数量の用語とセットで、計算方法を覚えておきましょう。
次回は予定消費単価について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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