[日商簿記2級(商業簿記)]固定資産の減価償却(定額法)[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記2級における定額法による減価償却について学習します。
減価償却(定額法)
固定資産は長期的に企業で使われることを前提として購入されます。
そして長時間をかけて売上げを出していきます。
また、固定資産を使用することでその価値は減っていきます。
そこで固定資産の価値の減少を見積もり費用として計上するのです。
この手続きを減価償却と呼び、計上される費用を減価償却費と呼ぶのでした。その方法として
- 定額法
- 定率法
- 生産高比例法
等があります。今回はこの中の定額法についてみてみましょう。
なお、減価償却方法は定額法(耐用年数30年、残存価額は取得原価の10%)、記帳方法は間接法による。
定額法による減価償却費の計算
定額法では、固定資産の価値の減少分は毎年同額であると仮定して計算する方法です。
取得原価から残存価格を差し引いた金額を耐用年数で割って計算します。
\[減価償却費(定額法)=\frac{取得原価-残存価格}{耐用年数}\]
今回の減価償却費は\(\frac{8,000円-8,000×10\%}{30年}=240円\)となります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
減価償却費 (費用の発生↑) |
240 | 減価償却累計額 (負債(負の資産)の増加↑) |
240 |
期中に取得した固定資産の減価償却費の計算
期末に取得した固定資産については1年分の減価償却を計上します。
一方で期中に取得した固定資産の減価償却費は使った期間のみで月割計算します。
例えば今回のケースで当期首(×2年4月1日)ではなく×2年9月1日に購入した場合は、取得日×2年9月1日から決算日×3年3月31日までの7ヵ月分の減価償却費を計上します。
- 1年分の減価償却費:240円
- 7ヵ月分の減価償却費:240円×\(\frac{7ヵ月}{12ヵ月}=140円\)
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
減価償却費 (費用の発生↑) |
140 | 減価償却累計額 (負債(負の資産)の増加↑) |
140 |
直接法による減価償却費の計算
今回の例題では間接法で減価償却累計額といった勘定を用いていますが、固定資産から減価償却額を減らす直接法と呼ばれる処理方法もあります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
減価償却費 (費用の発生↑) |
240 | 建物 (資産の減少↓) |
240 |
このあたりはしっかりと問題を読んで判別しましょう。
減価償却(定額法)・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
また、仕訳が複数行に渡る場合、金額の多い物から順に書き、不要なところは空白のままにしておくこと。
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[備品][建物][備品減価償却累計額][建物減価償却累計額][減価償却費]
問1
次の取引について、間接法によって仕訳しなさい。
決算につき、前期に購入した備品(取得原価150,000円)について、減価償却を行う。
なお、減価償却方法は定額法(耐用年数30年、残存価格20%)である。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問2
次の取引について、直接法によって仕訳しなさい。
決算(×2年3月31日)につき、当期(×1年7月1日)に購入した建物(取得原価70,000円)について、減価償却を行う。
なお、減価償却方法は定額法(耐用年数10年、残存価格ゼロ)である。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解答(クリックで展開)
減価償却(定額法)・まとめ
今回は減価償却の定額法について学習しました。間接法は簿記3級でもやっているはずなので、忘れていた方は押さえておきましょう。
次回は固定資産の定率法による減価償却について学んでいきます。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません