[日商簿記2級(商業簿記)]端数利息の計算[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記2級における端数利息の計算について学習します。
端数利息の計算
公社債を期中に売買した場合、売却日までの利息もあわせて受渡をする必要があります。
この売却までの利息の事を端数利息と呼びます。
例を通して学習してみましょう。
なお、この社債は年利率7.3%、利払日は6月末と12月末の年2回である。この時
①ひまわり商事(売り手側)
②あざらし商事(買い手側)
についてそれぞれ仕訳しなさい。
①売り手側の処理
公社債の利息は利払日に発行会社(すすき商事)から受け取ります。
そして、今回のケースのように、所有する公社債を利払日以外の日に売却したさいは、前回の利払い日(6月末)の翌月(7月1日)から売却日(9月10日)までの利息(端数利息)を買主から受け取ります。
端数利息の計算方法は以下の通りです。
\[端数利息=1年分の利息×\frac{前回利払日の翌日から売却日までの日数}{365日}\]
今回の場合であれば7月1日から9月10日まで72日間あるので
- 1年分の利息:100,000円×7.3%=7,300円
- 端数利息:\(7,300円×\frac{72日}{365日}=1,440円\)
より、1,440円となります。
今回の仕訳では受け取れる現金は、売却額が@98円×1,000口=98,000円で受け取れる利息が1,440円なので、計99,440円となります。
貸借差額に関しては有価証券売却益を用います。また、社債であっても売買目的で購入している場合、売買目的有価証券の科目を使う点、価格は取得原価とする点も押さえておきましょう。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 99,440 | 売買目的有価証券 | 97,000 |
有価証券利息 | 1,440 | ||
有価証券売却益 | 1,000 |
②買い手側の処理
次は買い手側の処理になります。
公社債の買主であるあざらし商事は利払日である12月にすすき商事から7月1日~12月31日までの半年分の利息を受け取ります。
しかし、このうちの7月1日から9月10日までの分は前の所有者であるひまわり商事の物です。
そこで、利払日以外の日に公社債を購入したときは前回の利払日(6月30日)の翌日(7月1日)から、購入日(9月10日)までの利息(端数利息)を支払います。
この時、あざらし商事は有価証券利息を立替払いしたとして、有価証券利息(収益)の減少として処理します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
売買目的有価証券 | 98,000 | 現金 | 99,440 |
有価証券利息 (収益の減少↓) |
1,440 |
端数利息の計算・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
また、仕訳が複数行に渡る場合、金額の多い物から順に書き、不要なところは空白のままにしておくこと。
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[現金][当座預金][売買目的有価証券][有価証券利息][有価証券売却益]
問1
×2年10月20日 かねて売買目的で額面100円につき96円で購入していた京都社の社債(額面総額100,000円)を額面100円につき97円で売却し、代金は前回の利払日の翌日から売却日までの利息とともに小切手で受け取った。
なお、この社債は利率年7.3%、利払日は6月末、12月末の年2回で、端数利息は1年を365日として日割計算する。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問2
×3年5月25日 売買目的で額面総額90,000円の大阪社の社債を額面100円につき98円で購入し、端数利息とともに小切手を振り出して支払った。
なお、この社債は利息年7.3%、利払日は3月末、9月末の年2回で、端数利息は1年を365日として日割計算する。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解答(クリックで展開)
端数利息の計算・まとめ
今回は端数利息の計算について学習しました。日割計算は1日単位で問われるので、しっかりと押さえておきましょう
次回は貸倒引当金の設定について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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