[日商簿記2級(商業簿記)]利益準備金の積立額の計算[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記2級における利益準備金の積立額の計算について学習します。
利益準備金の積立額の計算
会社の利益は株主の物ですが、配当の割合を多くしてしまうと資本が会社からなくなってしまい、翌期の活動が制限されてしまう可能性があります。
そこで、会社法では繰越利益剰余金を配当する場合に、どれくらいは積み立てしないといけないと言った規定を設けています。
例題を通してみてみましょう。
×年4月3月31日 ひまわり商事㈱の株主総会において、繰越利益剰余金10,000円を次のように配当、処分することが承認された。
- 株主配当金:5,000円
- 利益準備金:?円
- 別途積立金:1,000円
なお、ひまわり商事㈱の資本金は20,000円、資本準備金は1,250円、利益準備金は250円であった。
利益準備金の積立額
会社法では、繰越利益剰余金を配当する場合、資本準備金と利益準備金の合計が、資本金の4分の1に達するまで、配当金の10分の1を利益準備金として積み立てなければいけないと言った決まりがあります。
簡単に表すと
- \(資本金×\frac{1}{4}-(資本準備金+利益準備金)\)
- \(株主配当金×\frac{1}{10}\)
のいずれか小さい方の金額を積み立てることとなります。
今回のケースでは、
- \(\underset{資本金}{20,000円}×\frac{1}{4}-(\underset{資本準備金}{1,250円}+\underset{利益準備金}{250円})=3,500円\)
- \(\underset{株主配当金}{5,000円}×\frac{1}{10}=500円\)
のいずれか小さい方なので、500円が利益準備金として積み立てられます。
利益準備金の積立額の計算・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
また、仕訳が複数行に渡る場合、金額の多い物から順に書き、不要なところは空白のままにしておくこと。
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[繰越利益剰余金][未払配当金][別途積立金][利益準備金]
問1
大阪商事株式会社は、株主総会の決議により、繰越利益剰余金の配当および処分を次のように決定した。
なお、大阪商事株式会社の資本金は20,000円、資本準備金は2,000円、利益準備金は1,000円である。
- 株式配当金:2,400円
- 別途積立金:1,400円
- 利益準備金:各自算定
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問2
京都物産株式会社は、株主総会の決議により、繰越利益剰余金の配当および処分を次のように決定した。
なお、京都物産株式会社の資本金は30,000円、資本金準備金は4,500円、利益準備金は2,700円である。
- 株式配当金:3,300円
- 別途積立金:1,200円
- 利益準備金:各自算定
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解答(クリックで展開)
利益準備金の積立額の計算・まとめ
今回は積立額の計算について解説しました。計算が少々複雑ですが、記憶しておかないと解けない問題なので何問か解いて頭に入れておきましょう。
次回は純資産総論について学んでいきます。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
ディスカッション
コメント一覧
問2の利益準備金は330円ではないでしょうか。
「資本金×1/4−(資本準備金+利益準備金)」と「株主配当金×1/10」の内小さくなる方を積み立てるため、300円の方を積み立てで問題ありません!