[日商簿記2級(商業簿記)]貸倒引当金の設定[無料講座・例題付き！]

2021年7月26日2022年2月10日

今回は日商簿記2級における貸倒引当金の設定について学習します。

チョロ

あざらし商事に売り上げたときの掛金が無事回収できるか不安でチュ・・・

モナ

確かに、あそこは信用ならないニャ！

キュー

・・・

1. 貸倒引当金
2. 貸倒引当金の設定・例題
- 2.1. 問題
- 2.2. 解答(クリックで展開)
3. 貸倒引当金の設定・まとめ

貸倒引当金

貸倒引当金とは、決算日における債券について、時期以降に貸倒れが生じると予想される場合にあらかじめ金額を見積もって設定しておく事です。

一般的な債権については一括で貸倒引当金を設定しますが、回収可能性に問題がある場合、個別に貸倒引当金を設定します。

実際に例題を通してみてみましょう。

×3年3月31日　決算日において、売掛金の期末残高5,000円について次の資料にもとづき、貸倒引当金を設定する。

なお、貸倒引当金の期末残高は50円である。

①すすき商事に対する売掛金1,000円については債権金額に対して5%の貸倒引当金を設定する。

②あざらし商事に対する売掛金500円については債権金額から担保処分見込額200円を差し引いた残高に対して50%の貸倒引当金を設定する。

③それ以外の売掛金については貸倒実績率2%として貸倒引当金を設定する。

①通常の貸倒引当金の設定

通常の貸倒引当金に関しては

貸倒引当金の設定額=債権の期末残高×貸倒設定率

で求めることができます。

すすき商事に関しては1,000円の5%なので、1,000円×5%=50円となります。

②回収可能性に問題がある債権の場合

回収可能性に問題がある場合の債権の設定については

貸倒引当金の設定額=(債権の期末残高-担保処分見込額)×貸倒設定率

となります。

あざらし商事に関しては担保処分見込額があるため、(500円-200円)×50%=150円となります。

③その他の売掛金

売掛金の期末残高が5,000円で、そのうちすすき商事が1,000円、あざらし商事が500円でした。

つまりその残りの3,500円に対しては2%の貸倒引当金を設定することになります。

3,500円×2%=70円

貸倒引当金繰入額の計算

①~③までの額が求まったので、それを累計すると50円+150円+70円=270円となります。

貸倒引当金を設定するにあたって、期末に貸倒引当金の残高がある場合は、当期の設定額と期末残高との差額だけ追加で貸倒引当金を繰り入れます。

当期の貸倒引当金の設定額：270円
貸倒引当金の期末残高：50円
貸倒引当金繰入額：270円-50円=220円

チョロ

これは簿記3級でもやった差額補充法でチュ！

借方	金額	貸方	金額
貸倒引当金繰入 (費用の発生↑)	220	貸倒引当金 (負の資産の増加↑)	220

また、今回は売上債権にかかる貸倒引当金の設定でしたが、営業外債権に係る貸倒引当金もあります。

処理自体は変わりませんが損益計算書上の表示位置が異なるので、これも後程学習しましょう。

貸倒引当金の設定・例題

例題を解いて慣れていきましょう。

問題

次の仕訳をせよ。

金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。

(例：現金　500、商品　1,000,000)

また、仕訳が複数行に渡る場合、金額の多い物から順に書き、不要なところは空白のままにしておくこと。

使える勘定科目は以下のものとする。

勘定科目：[売掛金][貸倒引当金][貸倒引当金繰入][貸倒損失]