貯蓄型金融商品(利率・利回り)[FP3級講座]
今回はFP3級で問われる貯蓄型金融商品について学習します。
貯蓄型金融商品
貯蓄型金融商品は預貯金の事を指し、元本が保証されていていつでも引き出せる特徴があります。
貯蓄型金融商品について学習するにあたって重要な用語や計算がいくつかあるのでしっかりと学習していきましょう。
利率と利回り
元本に対する利息の割合を利率と言います。
一方で、元本に対する1年あたりの収益を利回りと言います。
具体的な計算方法としては、一定期間の収益合計を1年に換算し、それを当初の元本で割って計算します。
\[利回り=\frac{収益合計÷預入年数}{元本}×100\]
\[利回り=\frac{(5万円+5.5万円)÷2年}{500万円}×100=1.05\%\]
単利
預け入れた当初の元本に対して利息が付く計算方法を単利と呼びます。
\[元利合計=元本×(1+年利率×預入期間)\]
複利
一定期間ごとに支払われる利息も元本に含めたうえで、これを新しい元本として次の利息を計算する方法を複利と呼びます。
利息が1年で1度つくのであれば1年複利、半年に1度着くのであれば半年複利、と言ったような呼び方をします。
\[1年複利の元利合計=元本×(1+年利率)^n\]
\[半年複利の元利合計=元本×(1+\frac{年利率}{2})^{n×2}\]
(nは年数)
100万円を年利率5%で5年間預けた場合 | 単利 | 複利 |
1年後の元利合計 | \(100万円×(1+0.05×1)\) \(=105万円\) |
\(100万円×(1+0.05)\) \(=105万円\) |
2年後の元利合計 | \(100万円×(1+0.05×2)\) \(=110万円\) |
\(100万円×(1+0.05)^2\) \(=110.25万円\) |
3年後の元利合計 | \(100万円×(1+0.05×3)\) \(=115万円\) |
\(100万円×(1+0.05)^3\) \(=115.7625万円\) |
4年後の元利合計 | \(100万円×(1+0.05×4)\) \(=120万円\) |
\(100万円×(1+0.05)^4\) \(≒121.5506万円\) |
5年後の元利合計 | \(100万円×(1+0.05×5)\) \(=125万円\) |
\(100万円×(1+0.05)^5\) \(≒127.6282万円\) |
固定金利と変動金利
預け入れた時から満期まで金利が変わらない物を固定金利、市場金利の変化に応じて金利が変動するものを変動金利と呼びます。
現在の金利が高く、今後景気が悪くなり金利が低くなると予想される場合は今のままの金利で預け入れた方が得をすると予測されるので固定金利を、現在の金利が低く、今後景気が良くなり金利が上昇すると予想される場合は変動金利を選択する方が賢明です。
利子と税金
預貯金の利子は利子所得として課税されます。
所得税は15%・復興特別所得税は0.315%・住民税は5.0%の計20.315%から構成される源泉分離課税となる点も重要です。
貯蓄型金融商品・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
問1
1,000万円を、期間5年、利率(年率)0.8%の単利型商品に投資した場合、満期時の税引き後(税率20%)の元利合計金額は1,040万円である。ここで、復興特別所得税は考慮しない。(2010年/9月)
○
×
問2
元金2,000,000円を、年利2%(1年複利)で3年間運用した場合の元利合計金額は、税金や手数料等を考慮しない場合、()である。(2017年/1月)
1 2,097,544円
2 2,120,000円
3 2,122,416円
解説(クリックで展開)
貯蓄型金融商品・まとめ
今回は貯蓄型金融商品について学習しました。
利回りや利率を用いた計算は今後も頻出なのでしっかりと押さえておきましょう。
次回は金融商品の種類について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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