[FP3級]相続税の申告と納付[無料講座・例題付き!]
今回はFP3級における相続税の申告と納付について学習します。
相続税の申告と納付
相続税を納める額が分かり次第、申告し納付するといった手順を踏む必要があります。
申告と納付それぞれに分けて流れを見ていきましょう。
相続税の申告
相続税の相続にあたっては以下の3点を押さえておきましょう。
申告書の提出義務
相続や遺贈によって財産を取得した者が申告書を提出する必要があります。
相続財産が基礎控除以下の場合は申告は不要です。
ただし、配偶者の税額軽減などを受ける場合には納付税額が0円でも申告する必要があります。
提出期限
相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内に提出する必要があります。
提出先
被相続人が死亡時に住民票を置いていた地区の管轄税務署長に申告書を提出します。
相続税の納付
税金は納付期限までに金銭を一括で納付することが原則です。
ただし相続税に関しては延納や物納と言った手法も可能です。
延納
延納は相続税の全部または一部を年払いで納付する方法です。延納が認められる要件として、以下のポイントを満たす必要があります。
- 金銭一括納付が困難であること
- 納付すべき相続税額が10万円を超えていること
- 申告期限までに延納申請書を提出すること
- 延納税額が100万円を超えるまたは、延納期間が3年を超える場合は担保を提供すること
物納
物納とは相続財産によって相続税を納付する方法で、以下の要件を満たす必要があります。
- 延納によっても金銭納付が困難であること
- 申告期限までに物納申請書を提出すること
更に物納の中にも優先順位があります。
物納の順位 | 具体例 |
第1順位 | ・国債、地方債 ・上場している社債、株式、証券投資信託の受益証券 ・不動産 ・船舶 |
第2順位 | ・上場していない社債、株式、証券投資信託の受益証券 |
第3順位 | ・動産 |
逆に、物納できないものもあるのでこちらもあわせて押さえておきましょう。
- 抵当権の目的になっている不動産
- 差し押さえされている不動産
- 境界が明確でない土地
- 譲渡制限株式
また、延納から物納へ変更することはできませんが、申告期限から10年以内である場合で、延納による納付が困難になった場合は物納へと変更することができます。
相続税の取得費加算
相続によって取得した財産を一定期間内に譲渡した場合、相続税額のうちの一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができます。
この特例を受けるための要件としては以下の通りです。
- 相続や遺贈により財産を取得した者であること
- その財産を取得した人に相続税が課税されていること
- 相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以降3年を経過する日までにその財産を譲渡していること
相続税の申告と納付・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
問1
相続税の申告書の提出は、原則として、その相続の開始があったことを知った日の翌日から()以内にしなければならない。(2018年/5月)
1 4ヵ月
2 6ヵ月
3 10ヵ月
問2
相続税は、相続税の申告書の提出期限までに金銭により一時に納付することが原則であるが、所定の要件を満たせば、延納による納付方法も認められる。(2018年/9月)
○
×
問3
抵当権の目的となっている不動産は、相続税の物納に充てることができない。(2010年/9月)
○
×
解説(クリックで展開)
相続税の申告と納付・まとめ
今回は相続税の申告と納付について学習しました。
延納や物納と言った単語を押さえておくとともに、その要件についても確認しておきましょう。
次回は宅地の評価について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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