[FP3級]実技はFP協会ときんざいどっちが良い?選ぶ時のポイントやおすすめの科目について
FP3級の実技試験には日本FP協会が実施するものと、きんざいが実施するものの2つがあります。
そうすると中には
と、迷ってしまう方も多いかなと思います。
この記事では、実技試験を受けるにあたってFP協会かきんざい、どっちが良いのかを解説していこうと思います。
FP3級の実技試験におけるFP協会ときんざいの違い
まず、実技試験におけるFP協会ときんざいの試験内容の違いを見ていきましょう。
出題範囲が違う
実技試験の日本FP協会ときんざいの大きな違いですが、出題範囲が異なると言えます。
そもそも実技科目は以下の様に、FP協会は資産設計提案業務、きんざいは個人資産相談業務と保険雇用資産相談業務があります。
日本FP協会 | きんざい |
資産設計提案業務 | 個人資産相談業務 |
– | 保険顧客資産相談業務 |
出題範囲も結構違ってくるので、一覧表で確認しておきましょう。
資産設計提案業務 (日本FP協会) |
個人資産相談業務 (きんざい) |
保険顧客資産相談業務 (きんざい) |
|
ライフプランニングと資金計画 | ○ | ○ | ○ |
リスクマネジメント | ○ | ○ | |
金融資産運用 | ○ | ○ | |
タックスプランニング | ○ | ○ | ○ |
不動産 | ○ | ○ | |
相続・事業承継 | ○ | ○ | ○ |
それぞれの科目について、特徴などを解説します。
資産設計提案業務(日本FP協会)
資産設計提案業務の内容としては
- 関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニング
- ファイナンシャル・プランニングのプロセス
- 顧客のファイナンス状況の分析と評価
出典:https://www.jafp.or.jp/exam/subjects_03/
となっています。つまり実際にお客さんに、ライフプランの提案をどのようにするか、と言った技能が問われます。
出題範囲としてもFPの6分野と呼ばれる
- ライフプランニングと資金計画
- リスクマネジメント
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業継承
からまんべんなく出題されます。
個人資産相談業務(きんざい)
個人資産相談業務の内容としては
- 関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニング
- 個人顧客の問題点の把握
- 問題の解決策の検討・分析
出典:https://www.kinzai.or.jp/ginou/fp/3kyu/index.html
となっています。
日本FP協会の資産設計提案業務と似ていますが、リスクマネジメントに関してのみ出題されません。
一方で、それ以外の分野からは幅広く出題されます。
- ライフプランニングと資金計画
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業継承
保険顧客資産相談業務(きんざい)
保険顧客資産相談業務に関しては
- 関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニング
- 保険顧客の問題点の把握
- 問題の解決策の検討・分析
出典:https://www.kinzai.or.jp/ginou/fp/3kyu/index.html
となっています。
保険と名前が着く通り、保険業界でFPの知識を生かしたい方向けの内容となっています。
出題分野としては
- ライフプランニングと資金計画
- リスクマネジメント
- タックスプランニング
- 相続・事業継承
となっています。
合格率が違う
出題範囲の点以外でも合格率が大きく異なっています。
以下の表はFP協会・きんざいそれぞれの合格率の違いになります。
年月 | 資産設計提案業務 (日本FP協会) |
個人資産相談業務 (きんざい) |
保険顧客資産相談業務 (きんざい) |
2020年9月 | 88.04% | 35.28% | 56.20% |
2020年1月 | 79.45% | 50.22% | 48.19% |
2019年9月 | 79.48% | 45.44% | 43.31% |
詳しい合格率については以下の記事をご覧ください。
これだけ見ると合格率は圧倒的に日本FP協会が高いことが分かります。
一般的にきんざいの方が受験者層のモチベーションの関係上合格率が低くなるといった傾向がありますが、それでも差が歴然としています。
対応しているテキスト・スクールが違う
対応しているスクールやテキストについても多くの出版社や予備校が日本FP協会の資産設計提案業務を取り扱っています。
例えばFP講座で有名なフォーサイトであればFP3級の実技問題は日本FP協会・きんざいの両方対応していますが、2級は日本FP協会のみの対応となっています。
FP3級のテキストとスクールはそれぞれ以下の記事で紹介しています。
FP3級の実技試験におけるFP協会ときんざいの同じ点
次に、FP3級の実技試験における、日本FP協会ときんざいの同じである点も確認しておきましょう。
企業側からの指示がない限り、評価はほとんど同じ
基本的に日本FP協会で受験して合格してもきんざいで受験して合格しても、3級ファイナンシャル・プランニング技能士として扱われます。
そのため、実技でどちらを選択したからと言って評価が大きく変わることはあまりありません。
しかし保険顧客資産相談業務が保険のセールスマンに特化した内容だという事からも、保険業界ではきんざいの受験を推奨すると言ったパターンも少なからずあるようです。
すでに金融系に務めていている場合はどちらが評価されるか確認しておいても良いかもしれませんね。
午前に受ける学科試験は同じ(ただし・・・)
午前で受ける学科試験の問題は出題数も配点も全く同じです。
しかし合格率を見てみると
年月 | 日本FP協会 | きんざい |
2020年9月 | 89.64% | 69.28% |
2020年1月 | 85.34% | 65.43% |
2019年9月 | 78.09% | 62.77% |
と、かなり合格率に差があることが分かります。
同じ問題を解いていてもこれだけ差があることから、受験のモチベーションの差としては圧倒的に日本FP協会で受験する方の方が高いことが伺えます。
結局どっちを受けるのがおすすめ?筆者は資産設計提案業務をおすすめします。
結局のところどっちを受けるのがおすすめでしょうか?
筆者なりの見解としては資産設計提案業務を選ぶのが良いと考えています。
理由としては以下の通りです。
対応している教材が非常に多い
まず、日本FP協会の資産設計提案業務の方が毎回受験者も多いため、基本的にスクールやテキストもこちらを対象に解説しています。
むしろきんざいのテキストはきんざい自身が発刊する公式テキストに限られますが、こちらのテキストは簡潔に書かれすぎていて多少とっつきづらいイメージでした。
テキスト・スクールだけでなく無料アプリでも基本日本FP協会向けなので、対策できる環境が整っている点で資産設計提案業務を選んでおくことが無難と言えるでしょう。
毎回ほぼ同じ形式で対策が楽
FP協会の資産設計提案業務は毎回同じ形式の問題が出題されます。
例えば2019年の1月と5月の問題を見比べてみましょう。
資産設計業務では穴埋めヵ所と数値が多少変わっただけでほとんど内容が同じだという事が分かりますね。
このように、問題は毎年ほぼ同じため、対策が立てやすく得点しやすいと言えます。
試験対策のための労力や時間が抑えられます。
きんざいを受ける場合は教材選びに注意
中には保険業界に務めていて、保険顧客資産相談業務で試験を受けないといけない、という方もいらっしゃる事かと思います。
その際は別途、きんざいのテキストを用意して受験する必要があります。
公式のテキストが発売されているので、そちらの最新版を用意して試験に備えましょう。
まとめ
今回はFP3級における実技試験で、日本FP協会かきんざいの内容の違いや、どちらを選んだほうが良いのかについて解説しました。
自己啓発やステップアップを考えている場合教材が多く出ており対策しやすい日本FP協会の資産設計提案業務を、会社からの命令などで仕方なく受験する場合はきんざいを受けるのが一般的かと思います。
最終的にどちらを経由してとっても評価は同じなので、自分が取れそうな分野で挑戦してみると良いのではないでしょうか。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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