中小企業診断士は役に立つ?役に立たない?食えない・仕事がないって噂は本当?
中小企業診断士は、資格の学校TACの「2022年人気資格ランキング」にトップ10入りする人気資格で、社会人がぜひ身につけたい知識が詰まった魅力的な資格です。
この記事では、当資格勉強中の筆者が中小企業診断士の魅力や活かし方について紹介していきます。
【大前提】中小企業診断士は役に立つ
中小企業診断士が役に立つ根拠としては以下の通りです。
経営コンサルタント唯一の国家資格
中小企業診断士は「中小企業支援法」という法律を担保に、国が認めた一定の知識と経験をもつ経営コンサルタントの資格です。
中小企業診断士資格を持っていれば、国お墨付きの経営コンサルタントということで、顧客から信頼が得られるのです。
実践形式で知識を身につけられる
中小企業診断士試験は経営の知識を問う問題だけでなく、実践形式でも問われます。
例えば、二次試験は企業の背景情報(与件文)を読み込んで助言や診断のコンサルティングをします。合格後の実務補習ではベテラン診断士の方の指導のもと、実際の企業でコンサルティングをします。
これらを通じて知識や経験が実践的に身につくのです。
IT・AIなどの知識も資格に盛り込まれている
試験科目には「経営情報システム」という情報系科目があり、情報について幅広い知識を学ぶことが可能です。
先述の実務補修においても、情報システムを活用した経営戦略が求められます。
「経営情報システム」ではITの基礎と経営への応用を学べます。ITの基礎知識はどのような職種にも役に立ちます。
中小企業診断士が役に立たないと言われる理由
中小企業診断士が役に立たないと言われる理由は以下の通りです。
名称独占資格である
世の中には「士業」と言われる仕事があります。例えば、弁護士・公認会計士・税理士・社会保険労務士などです。
これらの資格には、「独占業務」と呼ばれる、資格を持つ人しかできない業務があります。
しかし中小企業診断士には独占業務がなく、「名称独占資格」と言われています。名称独占資格は独占業務がないため、役に立たないと判断されるケースがあります。
資格以外に専門知識や実績が求められる
診断士資格を通じて実践的な経営知識が身につきますが、それはあくまでコンサルタントとしての「基礎の基礎」にすぎません。
組織開発・事業承継・マーケティング・ITなど自分の得意分野や興味は何なのか、また仕事での経験を活かしてどのようなスキルを伸ばしていくのかは診断士ひとりひとりに委ねられています。
まさに、中小企業のように自分の「強み」を見つけて伸ばしてく自己分析力と実践が必要です。
社内診断士が多い
診断士として独立して業務を行うにはハードルが高く、自分の属する企業や団体で働き続ける方も多いです。
しかし診断士資格を活かして組織で働くことは、コンサルタントとしての組織外部の視点とプレイヤーとしての組織内部の視点の2つをもつことになり、事業の推進に大きなプラスとなります。
中小企業診断士を活かす方法
以下に中小企業診断士の資格の活かし方を紹介します。
コンサルティング企業で活躍
診断士は日本で唯一の経営コンサルティング資格です。もっていればコンサルティング業界への転職が有利になります。
診断士資格は経営戦略・マーケティング・情報システムなど、経営に関する幅広い知識をもっている証明になるので、一定の評価が得られます。
独立して事務所を設立する
独立することで資格と自分の専門性を活かした幅広い業務ができます。
しかし、リスクも大きいため、下記のような副業から始めてみることをおすすめします。
副業として業務コンサルティングを行う
診断士の仕事は「診る・書く・話す」と言われています。例えば、以下の活動は診断士資格との親和性が高いです。
- 診る:スポットコンサルティング・フリーコンサルティング
- 書く:ブログ運営・webライティング
- 話す:研修講師・診断士受験生支援
資格取得後に実績を積むなら、ココナラやクラウドワークスでこれらの仕事を請け負ってみてもよいです。
中小企業診断士と他の資格のダブルライセンスもあり
診断士は幅広い分野を学習するため、相性の良い資格が多数あります。
診断士取得前に持っていると有利な資格、診断士資格合格後に取ると有効な資格に分けて説明します。
- 日商簿記:財務会計に有利
- マーケティング・ビジネス実務検定:企業経営理論に有利
- ITパスポート:経営情報システムに有利
- ビジネスキャリア実務検定:対応する各科目に有利
「診断士合格が最優先」の場合、関連資格を取得するのは遠回りになります。
事前に資格を持っていたらラッキー、1次試験で科目不合格だった場合は苦手克服のために取得する、という考え方がおすすめです。
- 社会保険労務士:人事・労務のスペシャリスト
- 税理士:財務と税理のスペシャリスト
- ファイナンシャル・プランニング技能士:個人・企業の両側面での資金繰りのスペシャリスト
- 行政書士:官公庁提出の書類作成のスペシャリスト
- 弁理士:知的財産のスペシャリスト
- ITストラテジスト:IT戦略のスペシャリスト
中小企業診断士試験に合格するには
試験に合格するには「診断士になって活躍したい!」という情熱と、計画的に勉強を進める冷静さが必要です。
以下で合格するための戦略概要を示します。
長期的な勉強になるため計画的に
中小企業診断士の試験範囲は膨大で、1次試験・2次試験合わせて約1,000時間の勉強時間を投入する必要があります。
勉強時間については保有資格や経験してきた業務によって個人差があり、習得のスピードに差が出てきます。
あくまでイメージですが、企業での科目と職種の関連は以下の通りです。
- 企業経営理論:経営幹部・経営企画・営業・商品企画・人事
- 財務会計:経理・財務
- 運営管理:製造・設計・小売業や卸業の商品部・物流
- 経営法務:法務・総務・経理・財務
- 経営情報システム:システム
- 中小企業経営・政策:経営企画・法務・総務
弱点をなくす努力をする
試験では不得意科目をなくすことが合格のカギとなります。
1次試験・2次試験ともに各科目の合格は60点以上ですが、ひとつの科目でも40点以下を取ってしまうと、他の科目が合格点以上でも不合格(足切り)となってしまいます。
そのため、不得意科目であっても安定して点を取れるように、勉強時間や負荷を集中投下する作戦が必要です。具体的には以下の流れで勉強しましょう。
- STEP1中小企業診断士試験のテキストを通読まずはわからなくても、テキストをひとまず読みましょう。
- STEP2中小企業診断士試験の過去問を解く試験においては過去問が重要です。
- STEP3わからないところはテキストで復習過去問を解いて解けなかったところはノートにまとめましょう。
- STEP4本番前には模試を解いてみる本番の緊張感や時間配分を把握するためにも大事です。
- STEP5試験直前は体調管理にも気を付ける一夜漬けで体調を壊すと実力を発揮できません。
通信講座を活用しよう
中小企業診断士試験はある程度勉強に慣れていなければ合格できません。もし独学での勉強が不安なら通信講座も活用してみましょう。
1位:スタディング
受講料(税込) | 53,790円~ |
受講期間 | 次回試験まで |
カリキュラム | ・合格戦略講座・・・9回 ・1次基礎講座・・・58回 ・実践フォローアップ講座・・・48回 ・2次基礎講座・・・48回 |
教材 | ・スマート問題集 ・過去問セレクト講座 ・1次試験年度別過去問題集 |
サポート・特典 | ・学習マップ ・チェックリスト ・AIマスター |
公式HP | https://studying.jp/shindanshi/ |
STUDYingではスマホ1台でいつでもどこでも講義視聴や問題演習ができるので手軽に勉強を続けられます。
受講価格も抑え気味で、サポートは充実しているのでコスパ重視の方におすすめです。
2位:診断士ゼミナール
受講料(税込) | 59,780円~ |
受講期間 | 3年間 |
受講形態 | ダウンロード |
カリキュラム | ・1次基礎講座 ・1次補習講座 ・1次問題演習講座 ・1次過去問題集 ・1次直前講座 ・2次基礎講座 ・2次事例別講座 |
教材 | ・各種テキスト ・講義動画 |
サポート・特典 | ・質問(無制限) ・3年間延長保証 ・合格祝い金 など |
公式HP | https://www.rebo-success.co.jp/ |
価格は安いですが、演習量が充実していたり無制限の質問可能だったりと、コンテンツ量・サポートの質ともに申し分ありません。
試験合格後には合格お祝い金として30,000円がもらえるので、無事合格できればかなり費用を抑えられます。
その他の中小企業診断士対策講座
これらの通信講座以外にも、中小企業診断士試験対策用の通信講座は多いです。下記記事ではそれぞれの講座を徹底的に比較しているので、是非一度ご覧ください。
結論:中小企業診断士は役に立つ
活躍の仕方が様々にあることが中小企業診断士の魅力です。
試験範囲が幅広いため、勉強するほど企業や社会の仕組み、自分の仕事に対する体系的な理解が深まります。
資格取得後のメリットが大きいのはもちろん、勉強中に大きく成長を感じられます。
福井県出身、神戸大学経済学部卒業。 卒業後、福井県内のメーカーで勤務し、営業、マーケティングを経験し、現在は経営企画部にて予算管理やDX(デジタル・トランスフォーメーション)を担当している。 取得資格は、日商簿記3級・2級、マーケティングビジネス実務検定、ITパスポート、中小企業診断士(1次試験合格) 中小企業診断士の得意科目は、企業経営理論、経済学、経営情報システム。 趣味は料理やカクテルづくり、旅行(とくに国内旅行) 将来の夢は、診断士資格を活かしてマーケティングや組織論、ITに関する知見を深めて地域活性化についてコンサルできる人材になること
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