[情報セキュリティマネジメント試験]システム構成(稼働率)[無料講座・例題付き!]

2021年5月25日

情報セキュリティマネジメント 稼働率

今回は情報セキュリティマネジメント試験におけるシステム構成の稼働率について学習します。

くろん
くろん
前回RASISで触れた稼働率ってなんだにゃ?
モナ
モナ
システムがどれくらいの確率で運用しているかを表す数値だニャ!

稼働率

稼働率はシステムが運用開始してから現在に至るまでに正常に稼働している時間の割合です。

稼働率を求めるためにはMTBFとMTTRの値を用います。

例えば1日24時間のうちあるシステムが以下のようなパターンを考えてみましょう。

稼働 故障 稼働 故障 稼働
5時間 1時間 10時間 3時間 5時間

MTBF

MTBF(Mean Time Between Failures)は故障と故障の間隔の平均時間、つまり正常に稼働している稼働時間の事です。

この時間が長ければ長い程信頼性が高いシステムで、平均故障時間とも言います。

MTBF=稼働時間の合計÷故障の回数

表の場合

MTBF=(5+10+5)時間÷2回=10時間

となります。

MTTR

MTTR(Mean Time To Repair)は修理にかかる平均時間、つまり故障している平均時間です。

カズ
カズ
こっちは短い方が良さそうだね

この時間が短いほど信頼性の高い優れたシステムと言えるでしょう。平均修理時間ともいい、次の式で求められます。

MTTR=故障時間の合計÷故障の回数

表の場合

MTTR = (1+3)時間÷2=2時間

となります。

稼働率

稼働率はシステムが運用開始してから現在までに正常に稼働した時間の割合となります。

100%や1に近いほど高く信頼性も優れているシステムです。

\[稼働率=\frac{平均故障間隔(MTBF)}{平均故障間隔(MTBF)+平均修理時間(MTTR)}\]

で求めることができ、表の例だと

\[稼働率=\frac{10}{10+2}≒83%\]

となります。

稼働率に関する概要を表にまとめると以下の通りです。

用語 説明 計算
平均故障間隔
(MTBF)
平均稼働時間
長いほど信頼性が高い
稼働時間の合計÷故障の回数
平均修理時間
(MTTF)
平均故障時間
短いほど信頼性が高い
故障時間の合計÷故障の回数
稼働率 正常に稼働した時間の割合
100%や1に近いほど信頼性が高い
\(\frac{MTBF}{MTBF+MTTR}\)

稼働率に関する用語

  • レスポンスタイム・・・コンピュータに処理の依頼をし終わってから最初の応答が返されるまでの時間
  • ターンアラウンドタイム・・・コンピュータに処理の依頼をし始めてから全ての応答が完全に返されるまでの時間
  • スループット・・・時間当たりに処理可能な仕事量
キュー
キュー
ちなみにレスポンスタイムとターンアラウンドタイムの違いはこんな感じやで

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稼働率・問題

実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。

問題

問1

システムの信頼性指標に関する記述として,適切なものはどれか。(H.29/秋)

ア MTBFは,システムの稼働率を示している。
イ MTBFをMTTRで割ると,システムの稼働時間の平均値を示している。
ウ MTTRの逆数は,システムの故障発生率を示している。
エ MTTRは,システムの修復に費やす平均時間を示している。

問2

Webシステムの性能指標のうち,応答時間の説明はどれか。(R.1/秋)

ア Webブラウザに表示された問合せボタンが押されてから,Webブラウザが結果を表示し始めるまでの時間
イ Webブラウザを起動してから,最初に表示するようにあらかじめ設定したWebページの全てのデータ表示が完了するまでの時間
ウ サーバ側のトランザクション処理が完了してから,Webブラウザが結果を表示し始めるまでの時間
エ ダウンロードを要求してから,ダウンロードが完了するまでの時間

解説(クリックで展開)

稼働率・まとめ

今回は稼働率について学習しました。

MTBF・MTTRの違いや稼働率の算出工程について良く問われるので押さえておきましょう。

カズ
カズ
レスポンスタイムとターンアラウンドタイムの違いについてもね!

次回はデータベースについて学習します。

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