[情報処理安全確保支援士試験]難易度や偏差値は?中小企業診断士など他資格との比較もあり
情報処理安全確保支援士はIT系初の士業と言われており、注目度も高い資格の一つです。
士業と言うとどうしても以下のように難易度の面で尻込みしてしまう方も多いのです。
ここでは実際に情報処理安全確保支援士の資格を持つ筆者が、受験した時に感じた内容を書いていこうと思います。
情報処理安全確保支援士の難易度について
情報処理安全確保支援士の難易度について、まずはデータの方から分析していきましょう。
合格率から見る支援士の難易度
まずは直近5回の合格率を見てみましょう。
- R5春・・・19.7%
- R4秋・・・21.1%
- R4春・・・19.7%
- R3秋・・・20.1%
- R3秋・・・21.2%
このようにしてみると毎回、大体合格率20%前後で推移しています。
他の高度区分の試験より簡単?
情報処理安全確保支援士は応用情報技術者試験に合格した方が次のステップに進む試験として受験されることが多く、他の高度試験より簡単とされています。
こちらもそれぞれ令和元年度の試験の合格率を比較してみましょう。
- 情報処理安全確保支援士試験・・・19.4%
- ネットワークスペシャリスト・・・14.4%
- データベーススペシャリスト・・・14.4%
- プロジェクトマネージャ試験・・・14.1%
高度区分の他の試験は15%弱、一方支援士試験は20%弱なので多少合格しやすい試験だと判断できます。
支援士の偏差値は67なのでかなり難関!
次に支援士の偏差値です。
資格の取り方のサイトでは偏差値67に該当しており難関資格の部類です。
この偏差値67は大学に置き換えると大体旧帝大中位~下位レベルに該当します。したがって数値的にみるとそこそこ難しいということが分かります。
情報処理安全確保支援士は実際のところ難しい?
実際に筆者が支援士を受けてみて難しかったかどうかと言ったポイントも触れていこうと思います。
3回の試験を突破しないといけないから体力的に大変
まず、支援士試験は午前1(50分)・午前2(40分)・午後(150分)で計4時間を1日でこなすハードな試験です。
しかも中小企業診断士の1次試験や税理士の様に科目合格など用意されておらず、どこかで60点以下を取ってしまったらその時点で1発OUTとなります。
そのため長時間試験を解き続ける忍耐力が必要で慣れるまでが非常に大変でした。普段から机に向かう習慣をつけていないと合格は困難です。
長文読解の力が求められる
肝心の試験の中身ですが、特に午後試験では社内や組織の状況が詳細に紹介され、そこからインシデントが発生しどう対応すべきか、何がいけなかったかなどを問われます。
状況が詳細に書かれているため文章もかなり長く、見開き数ページに渡るのがデフォルトです。
そのため長文を読む力・集中力・要約力と言った国語力に近い能力が求められます。筆者自身理系ベースの人間なので、この辺りもかなり厳しく感じました。
技術的な知識はそこまでいらない
一方で技術的な知識や経験はそこまで必要なく、午前試験で問われる知識をしっかりとインプットしておけば「全くわからない」といった局面は避けられます。
筆者自身も合格時にIT業界での経験は0、加えてプログラミングも全く書けない状態でした。それでも無事に合格できたのでIT未経験者の方も安心してください。
情報処理安全確保支援士と他資格の難易度の比較
次に他の資格との比較情報も見てみましょう。
偏差値は先ほどの資格の取り方のサイトを参考にしています。
応用情報技術者試験との比較
情報処理安全確保支援士 | 応用情報技術者試験 | |
難易度 | 67 | 65 |
知名度 | 中 | 中 |
求人数 | 中 | 中 |
将来性 | ◎ | ◎ |
受験料 | 5,700円 | 5,700円 |
スキルレベル4の情報処理安全確保支援士試験ですが、一つ下のスキルレベル3に該当する応用情報技術者試験とそこまで難易度に大差はありません。
応用情報技術者試験はセキュリティに関する知識では支援士ほど深く問われませんが、ストラテジやマネジメントをはじめ、他の技術についても深く知っておく必要があます。
学習範囲では応用情報技術者試験の方が広いため、人によっては対策を立てづらいと感じてしまいます。総合的な知識量ではむしろ応用情報技術者試験の方が広いかなとすら感じます。
一方で支援士試験は午前でこそ幅広く問われるものの、鬼門とされる午後ではほぼセキュリティに関する内容なので狭く深く学ぶ必要があります。
日商簿記1級との比較
情報処理安全確保支援士 | 日商簿記1級 | |
難易度 | 67 | 67 |
知名度 | 中 | 高 |
求人数 | 中 | 中 |
将来性 | ◎ | ◎ |
受験料 | 5,700円 | 5,700円 |
同じ偏差値67に該当しており難関と認識される試験として、日商簿記1級が挙げられます。こちらも相対評価で合格率は10%台と決して簡単な資格ではありません。
筆者自身も何回もチャレンジして落ちている試験です。
複雑な計算や細かな論点では日商簿記1級の方が難易度が高い一方で、長文を読むようなことはあまりないので読解力の点では支援士に軍配が上がります。
中小企業診断士との比較
情報処理安全確保支援士 | 中小企業診断士 | |
難易度 | 67 | 67 |
知名度 | 中 | 高 |
求人数 | 中 | 高 |
将来性 | ◎ | ◎ |
受験料 | 5,700円 | 1次試験:13,000円 2次試験:17,200円 |
同じ国家資格で士業として中小企業診断士も情報処理安全確保支援士と同じラインの難易度だと感じています。
診断士試験も筆者は挑戦していますが、知識量の広さでいえば応用情報技術者試験にさらに会計や法律の知識を加えており、ストレート合格を目指すなら圧倒的に診断士の方が難しいと感じています。
ただ、診断士は1次試験は科目合格が、2次試験は独自の研修を受けることで免除制度があり計画的に取得できるため、総合的にみると科目合格のない支援士と大差のない試験です。
そして診断士試験については応用情報技術者試験や情報処理安全確保支援士で問われる知識が流用できるので、情報処理技術者の資格を持って入ればダブルライセンスを狙いに行くのもアリです。
情報処理安全確保支援士に合格するために
最後に、難易度の高い情報処理安全確保支援士に合格するためのコツをご紹介します。
応用情報は取っておきたい
多くの方は応用情報技術者試験→情報処理安全確保支援士と言った流れで合格されている方が多いです。
理由として、応用情報技術者試験を取得しておくことで午前1試験を2年間(要するに4回)免除することができるためです。
1日に受ける試験の数が3つ→2つになるだけで負担が減り合格しやすくなることは間違いありません。
特に午前1の開始時間は午前9:30から、午前2の開始時間は10:50からなので、早起きが苦手な方にもおすすめです。
勉強方法をしっかりと確立する
支援士の学習を始めるにあたって闇雲に勉強をすることはおすすめしません。問われる内容にも傾向があるため、傾向にあった勉強をすることが近道です。
実際筆者も勉強したつもりになっていざ問題を解いてみたところ何が書かれているかさっぱりわからず模試や過去問では2割程度しか取れないこともありました。
その後自分なりに試行錯誤しつつ勉強方法を確立したところ、本番では全部の試験が7割超えで合格することができました。参考までにその時の勉強方法も記載しておきます。
支援士対策の教材は?
試験勉強をするにあたってどのテキストを選ぶのか、そもそも通信講座などを利用するのかと言った点もしっかりと考えておきたいポイントです。
最後に、支援士対策のテキストと通信講座などについてご紹介させていただこうと思います。
支援士対策のテキストについて
テキストはどの場合でも必要なので1冊持っておいて損はありません。
個人的には上原本と呼ばれる翔泳社のテキストをおすすめしています。
ただ、それ以外も見てみたい!と言う方は以下のページをご覧ください。
支援士対策の通信講座について
支援士は新しい資格なだけあり、スクールに関しては費用も高く開講スクールが少ないです。
そんな中で、これから支援士を受験される方がより少ない負担で、より効率よく勉強できるように作られたコミュニティが支援士ゼミです。
支援士ゼミでは過去問解説講義に加え、学習者同士で交流できるチャットルームや、プロの講師にマンツーマンで質問できる環境も用意されているので、ぜひご活用ください。
支援士ゼミ以外のスクールを比較した記事もあるので、気になる方は以下の記事も目を通していただければ幸いです。
情報処理安全確保支援士の難易度まとめ
今回は情報処理安全確保支援士の難易度について、統計的なデータと実際に受験して感じた筆者の立場からまとめてみました。
決して簡単な資格ではありませんが、IT業界での経験やセキュリティについての知識がなくても対策さえすれば合格できる資格です。
IT系の士業と言うことで注目されている試験でもあるので、ぜひ挑戦してみてください!
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません