[日商簿記検定試験]簿記は実は理系向け?工学部出身元経理マンがその真髄に迫る!
社会人になると文系・理系を問わず今まで大学で学んできた内容以外の事も学習しないといけない場面は増えてきます。
特に資格取得に力を入れている会社だとその傾向は顕著ですね。その中でも受験者数が多く企業からの需要も高い簿記は、よく会社から取るように言われることが多いのではないでしょうか。
筆者も情報系出身でありながら経理職を経て簿記を取得したので、今回は理系が簿記を取得することのメリットや注意点について解説していこうと思います。
本記事のまとめ!
- 簿記は計算問題が多くて理系に向いている
- 管理職やコンサルタントなど数字を扱う仕事では簿記の知識も必須
- 簿記を手軽に学びたいならフォーサイトがおすすめ!
理系が簿記を受けるメリット
最初に、理系が簿記を受ける事のメリットについて解説します。
計算が多く取得しやすい
簿記試験は計算問題が非常に多く、素早く正確に計算する能力が問われます。
商業簿記と工業簿記に分かれ、商業簿記は知識的な側面も多いですが、工業簿記は図を書きながら物の流れを追ったり差異を求めたりと、理系的な能力を問われます。
特に文系の方だと、「商業簿記はわかるけど工業簿記が分からない・・・」と言った方が多いのですが、理系の方は逆に工業簿記がすんなり理解できた!と言うパターンが多いです。
ただ、計算にあたっては電卓の使用が許されており、そちらは慣れておかないといけないので、以下の記事もあわせてご覧ください。
他の理系試験にもつながる
簿記の最終目標の一つは財務諸表を作成したり読み解いたりする能力を取得することです。
この財務諸表ですが、簿記試験以外の理系向け、技術者向け試験で有名な情報処理技術者試験のストラテジ分野でも出題されます。
前提知識がない状態でこれらの問題を解くのは非常に困難で対策に時間がかかります。
しかし、すでに簿記を持っているとあらためて勉強する必要がなく、ほとんど勉強をせずにストラテジ分野を満点取れて得点源になることもあります。
文系理系関係なく管理職では簿記の知識が必要
専門職を目指したり出世したりするつもりがない場合問題ないのですが、将来的に管理職クラス以上を目指す場合簿記の知識が必要です。
管理職になると経営会議等で、自分の部署で毎年いくら必要なのかと言った予算案を提出する必要があります。
また、自分の部署の実績を経営者に報告する必要も出てきますね。
そのさい、より説得力を持たせるには簿記を通して得られる数値を用いて主張する能力が不可欠です。
例えば
「A製品の今年度の売上は去年より伸びているので、もっと投資が必要です!」
と言うよりも、
「A製品の今年度売上は前年度比で10%の増加です。来年度はさらに15%売上を上げるため、5億円の設備投資お願いしたく思います」
と言ったように、具体的な数値を出した方が明確に伝わりますね。
理系が簿記を受けるにあたって気を付けるポイント
次に、理系の方が簿記を目指すにあたって注意するポイントもあるので解説します。
会社法や会計学など文系分野も出題される
簿記試験は計算問題も多いですが、特に会計学・商業簿記では会社法と呼ばれる法律に関する内容や会計学など、文系的な要素も問われます。
簿記3級ではそこまで顕著でなく、2級くらいから少し出題され始め、1級では理論問題として出題されます。
特に1級クラスになると理論問題としてかなり深い所まで問われるので、十分に知識を蓄えて試験に備える必要があります。
会計に関する細かいところまで問われるので、理系の方だと苦手意識を感じてしまう事も多々あります。
直接理系職の就職には活きない場面も
先程、管理職や独立にも役立つと書きましたが、逆にそれ以外の理系職ポジションでは活きてこない可能性もあります。
例えば「ゲームクリエイターとしてバリバリ働きたい!」「化学薬品の研究員として働きたい!」
と思った時にアピールする資格として簿記は不適切です。その仕事にあった資格を選んで取得するようにしましょう。
もちろん、中には会計のシステム開発だったり、会計コンサルタントだったりと言った簿記が活きる職もあります。
可能なら2級を目指そう
簿記には初級から始まって、3級・2級・1級とレベルが上がっていきます。
初級は簡単すぎて飛ばす方が多いのですが、3級も基礎的な内容が多く、あまり評価されない事もあります。
可能であれば簿記の中でも最も求人数が多く、評価されやすい2級を取得することをおすすめします。
また、1級になってしまうと一気に難易度が跳ね上がります。将来的に会計士を目指したり大手企業の経理職を目指したりすると言った場合でなければ、あまり目指すメリットはないでしょう。
効率よく簿記を取得するために
理系の方が効率よく簿記を取得するためのコツを紹介して終わりにしようと思います。
勉強方法は早めにおさえておこう
簿記試験では特に、最初に勉強方法を押さえておくことは重要です。
間違えた勉強方法をしてしまうと、時間だけが無駄にかかってしまい、結果的に合格できなかった・・・と言うパターンもあります。
以下の記事では筆者が一発合格した時の勉強方法をまとめています。あくまで一例ですが、興味がある方は覗いてみてください。
最新のテキストを用意しよう
簿記は特に出題範囲がコロコロ変わることで有名です。
そのため1年前、2年前のテキストでは取り扱われていない論点も多く、試験に対応できるとは言い難いです。
確かにメルカリ等で古い本が格安で売られていると手を出したくなりますが、そこはぐっとこらえて最新版のテキストを用意しましょう。
以下の記事で3級・2級それぞれ、おすすめのテキストを紹介しています。参考にしてください!
いざとなったら通信講座を利用しよう
特に社会人としてすでに働いている場合、なかなか独学で勉強する時間を確保できなくて学習が進まないと言った方も多いかなと思います。
そんな時は通信講座の活用も検討してみては良いかもしれません。
通信講座では短時間で効率よく勉強できる仕組みが満載です。
特にフォーサイトは受講料も安く、フルカラーテキストやハイビジョン講義動画など見どころ満載で筆者おすすめの通信講座です。
以下のページで実教材を用いたレビューもしているので、気になる方は参考にしてみてください。
理系の人も簿記取得を目指そう
本記事のまとめ!
- 簿記は計算問題が多くて理系に向いている
- 管理職やコンサルタントなど数字を扱う仕事では簿記の知識も必須
- 簿記を手軽に学びたいならフォーサイトがおすすめ!
今回は理系の人が簿記を取得することのメリットについて触れていきました。
理系の方の計算力の高さは簿記試験と相性がよく、資格取得までのハードルは意外と高くありません。
将来管理職になる場合や独立を目指す場合、会計的指標も読み解く必要があるので早め早めのうちに取得しておくことをおすすめします。
現在の仕事で他に必要な資格がある場合、そちらを優先して取得するべきですが、そうでなく時間に余裕がある場合、是非簿記に挑戦してみてください!
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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