[日商簿記2級]工業簿記が難しい?効率よく解くためのコツやテクニックは?
日商簿記検定試験も2級になると工業簿記が科目に加わります。
工業簿記はその名の通り(?)工場で製品を作る際に必要な知識だと思って頂ければ間違いありません。
しかし経理業務や工場での勤務経験がない場合
と、工業簿記に苦手意識を持ってしまい得点できない方もよく見られます。
そこで、今回は工業簿記の解き方のコツを解説していこうと思います。
簿記2級で工業簿記対策が必要な理由
簿記2級で初登場の工業簿記ですが、意外と苦手意識を持つ方は多いです。
その苦手意識を克服せずに試験に臨むのは試験自体を捨てるようなものです。
まずはなぜ工業簿記対策が必要かを知ったうえで、しっかりと対策をしていきましょう。
全体の4割を占める
例年の傾向から、簿記2級は全体の内、商業簿記6割・工業簿記4割といった配点になっています。
工業簿記の方が商業簿記よりも配点が少なく、軽視しがちですが簿記の合格ラインは70点です。
工業簿記が0点の時点でどんなに商業簿記を頑張っても合格できないので、その点は注意しておきましょう。
工業簿記はスタンダードな問題が多い
後述しますが、工業簿記はある程度パターンが決まっています。
そのため対策すればするだけ得点が上がると言えます。
特に簿記2級の工業簿記では基礎的な問題しか問われないので、しっかりと対策すれば満点も夢じゃありません。
最近は商業簿記が難化傾向
最近特に顕著なのですが、範囲改定があってから日商簿記2級の商業簿記は難化傾向にあり毎回炎上しているように思えます。
どんなに難しいと嘆いたところで試験が変わることもなく、今後もしばらくは難化傾向が続くと言われています。
商業簿記で得点を取りづらくなったからこそ、点を確保しやすい工業簿記の方でしっかりと固め得点源にしておくことが望ましいですね。
工業簿記の内容
あらためて、工業簿記の具体的な内容を少し紹介します。
個別原価計算
まずは個別原価計算と呼ばれる内容です。
いくつかの製品を作り、それぞれに材料費がいくらかかって労務費がいくらかかって・・・といった計算をしていきます。
#101 | #102 | #103 | #104 | 合計 | |
月初 | 80,000 | 80,000 | |||
材料費 | 120,000 | 200,000 | 220,000 | 140,000 | 680,000 |
労務費 | 150,000 | 240,000 | 270,000 | 90,000 | 750,000 |
経費 | 150,000 | 150,000 | |||
製造間接費 | 100,000 | 160,000 | 180,000 | 60,000 | 500,000 |
合計 | 450,000 | 750,000 | 670,000 | 290,000 | 2,160,000 |
状態 | 完成・販売済 | 完成・販売済 | 完成・未販売 | 仕掛 | |
直接作業 | 50時間 | 80時間 | 90時間 | 30時間 | 250時間 |
直接工@3,000 | 製造間接費@2,000 |
こちらはそれぞれが月初・月末でどのような状態にあるのかを押さえておく事でそれなりにスムーズに解けるようになると言えます。
総合原価計算
総合原価計算では勘定連絡図にしたがって、それぞれのBOXを埋めていきます。
パターンとしては
- 原価の計算は先入先出法なのか、それとも平均法なのか
- 仕損はあるのか、ないのか
等を押さえておきましょう。
直接原価計算
直接原価計算は変動費と固定費に分けたうえで固定費調整を行い、最後にCVP分析を行うと言った流れになります。
商業簿記同様、損益計算書を作ることもあるのであわせて押さえて行きたいですね。
工業簿記の対策
あらためて、工業簿記を解く上でのコツをご紹介します。
手を動かして図を書こう
工業簿記の場合、商業簿記よりも図が多く理系的な知識を必要とします。
BOX図を含む勘定連絡図をはじめとし、シュラッター図もそうですし、個別原価計算においては自分で表を作図しなければいけないこともあります。
その都度「どうやるんだっけ?」といちいち思い出していては時間が間に合わないので、このパターンはこう!といったように手を動かし、体で覚えてしまった方が早いです。
暗記よりも解き方を抑える
商業簿記は覚える事も多いですが、工業簿記はどちらかというと解き方が大事です。
図の中に数値を埋めるにしても、どの順番で埋めていけば良いのかを押さえておく必要があります。
このあたりは慣れも大事なので、積極的に過去問を解いてパターンを掴んでいきましょう。
いざとなったら通信講座も活用
特に図を書く問題の場合、最終的な図は見えていてもその過程でどのように書いていけば良いのか分からないこともあるかと思います。
そんな場合は通信講座を活用してみるのも良いのではないでしょうか。
特に図を書く問題では講義の中で例題を通して、「このような手順で解いていきます」といったように一連の流れが見えるのでインプットがスムーズに行えます。
分からないところがあっても即座に講師に質問できるのも嬉しいポイントですね。
簿記の通信講座は数多くありますが、中でもフォーサイトが特におすすめです。
フルカラーで要点のみまとめられたコンパクトなテキストや、スマホがあればいつでも反復学習できるeラーニングアプリは非常に魅力的です。
以下の記事では実際に筆者が教材を用いてレビューしているので、気になる方は是非目を通してみてください。
簿記2級における工業簿記対策方法まとめ
今回は簿記2級における工業簿記対策について解説しました。
工業簿記は知識が無いとどこから解いて良いか分からず、なかなか手が進まないかもしれません。
しかし、得点源にできれば難化傾向にある簿記2級の突破口も見えてきます。
簿記2級は転職市場でも人気のある資格なので、是非挑戦してみてください!
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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