[日商簿記2級(商業簿記)]期末商品棚卸高(棚卸減耗損・商品評価損)の算定[無料講座・例題付き！]

今回は日商簿記2級における期末商品棚卸高の算定について学習します。

チョロ

あれ・・・在庫のひまわりの種が50個程足りないでチュ・・・

ぷりん

どこ行ったんでちゅかね？(もぐもぐ)

期末商品棚卸高の算定

当期の売上高に対応した商品の原価(購入価格)を売上原価と言います。

三分法で処理している場合は売上原価は期首商品繰越に当期商品仕入高を足し、期末商品棚卸高を引くことで求めました。

売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入れ高-期末商品棚卸高

キュー

これは簿記3級や三分法の所でやったな

この中で期末商品棚卸高は次期の期首商品棚卸高へとなります。

そのままスムーズに次期に繰り越せればよいのですが、商品価値が下がったり、商品が紛失したりすることも考えられます。そこで例題を参考に、期末商品棚卸高の算定方法を学習しましょう。

売上原価の算定

まずは当期の売上原価の算定を行います。先ほどの売上原価を求める式にしたがって

といった仕訳を切ります。

カズ

一行目の仕訳で商品に期首商品棚卸高を足して、二行目の仕訳で期末商品棚卸高を引いてるんだね！

キュー

ここでの期末商品棚卸高の額は、帳簿棚卸数量(1,000個)×原価(@10円)で計算してるで

棚卸減耗損の計上

会社では、決算期に商品の実際の数量を数えます。このことを棚卸しと呼び、棚卸しによって把握された商品の数量を実地棚卸数量と呼びます。

一方、商品有高帳上の在庫量を帳簿棚卸数量と呼びますが。紛失や盗難などが原因となって、帳簿棚卸数量と実地棚卸数量が必ずしも一致するとは限りません。

ぷりん

まったく(もぐもぐ)許せない(もぐもぐ)奴も居たもんでちゅ(もぐもぐ)

チョロ

・・・

この棚卸数量の減少を棚卸減耗と呼び、棚卸減耗が生じた場合は商品の原価分の金額を棚卸減耗損(費用)として処理し、あわせて繰越商品(資産)を減らします。

棚卸減耗損=@原価×(帳簿棚卸数量 – 実地棚卸数量)

10円の商品が50個なくなったので、@10円×(1,000個-950個)=500円となります。

商品評価損の計上

商品は販売するための物なので、売る時の価格が重要です。

買った際の原価でそのまま売れれば何も問題ありませんが、時間が経つことでその商品の価値が原価より下がってしまう可能性もあります。

商品の時価が原価より下がっていたら時価まで減額する必要があり、その時の原価と時価の差分は商品評価損(費用)で処理しつつ、その分の繰越商品(資産)も減少させます。

商品評価損=(@原価 – @時価)×実地棚卸数量

今回のケースでは、(@10円 – @9.8円)×950個=190円となりますね。

カズ

帳簿棚卸数量じゃなくて、実地棚卸数量ってところがポイントだよ！

キュー

ちなみに、商品評価損は売上原価に含めるけど棚卸減耗損は含めない場合もあるから問題文をしっかり読もうな

これより、決算整理仕訳をまとめると

となります。

実際に問題を解く場合は、以下のようなボックス図を書いて面積を求めるようにして解くのが良いでしょう。

期末商品棚卸高・例題

例題を解いて慣れていきましょう。

問題

期末商品棚卸高・まとめ

今回は期末商品棚卸高の計算方法について学習しました。棚卸減耗損や商品評価損は作図から計算できるようにしておきましょう。

チョロ

とにかく手を動かしてボックスを書くことが大事でチュね！

ぷりん

もぐもぐ(手で慣れる感じでちゅ)

チョロ

・・・

次回は商品の払出単価の計算について学習します。

しかくのいろは

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日商簿記2級で問われる払出単価の計算方法について解説しています。先入先出法や移動平均法は簿記3級でも学びましたが、復習しておきましょう。

佐野 孝矩

福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。

経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)

簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者　など