[宅地建物取引士試験]独学で合格するための勉強方法は?
宅建試験の勉強をしていると
と感じる方も多いのではないでしょうか。
宅建試験は合格率が15%前後と狭き門で、合格者の多くは通信講座やスクールを利用している傾向にあることからも独学での勉強は中々難しい点もあります。
この記事では宅建試験に独学で挑戦してみようと考えている方に向けて、具体的な勉強方法や各指標について解説していきます。
本記事のまとめ!
- 宅建試験の独学合格は不可能ではないが難しい
- 独学だと講座の費用はかからないが、何度も落ちると受験料と時間が無駄になる
- 自信がないのであれば、無理に独学にこだわらずに通信講座を活用するのもアリ!
宅建試験は独学で合格できるの?
宅建試験の勉強をまだ始めていない方の中には、そもそも宅建試験は独学で合格できるものなのか気になる方も多いかと思います。
実際合格率は毎年出ているものの、独学か通信講座などを利用したかといったデータは中々得られません。
しかし、筆者を含め周りには独学で合格できた人がいることも事実なので、その点について触れさせていただければと思います。
勉強に慣れていれば”できなくはない”
宅建試験も言ってしまえば試験です。
過去の傾向を分析し、出題傾向を掴めれば独学での合格も不可能ではないでしょう。
筆者自身も独学で合格していますし、筆者の周りでも独学で合格したという方は数人知っています。
ただ独学で合格した人の傾向として、そもそも自分での勉強方法を確立していると言った前提条件があるように思えました。
筆者の場合は宅建士の前に簿記やFPといった資格を通信講座だったり、独学だったりで勉強して、ある程度コツをつかんでいます。
他の方も似たようにある程度資格を取得した経験がある方が多かったため、独自の勉強方法を身に着けているかどうかが、独学で合格できる一つの要因と言えるでしょう。
宅建試験自体そこまで難しい資格ではない
宅建士は合格率が15%なので、6人に1人受かるかどうかといった合格率と言えるでしょう。
この数値を見ると中には難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
確かに宅建試験は落ちる方が多く狭き門ではあります。しかし他の資格を引き合いに出すと
- マンション管理士:8~9%
- 行政書士試験:8~9%
- 社労士試験:5%
- 診断士試験(ストレート):5%
と、宅建士よりもさらに狭き門になっています。
そしてこれらの宅建資格よりさらに難関と言える資格でも独学で合格される方がいることから、宅建も決して独学合格が不可能なわけではないとお分かりいただけるかと思います。
独学で勉強することのメリット・デメリット
宅建は独学での勉強が決して不可能ではないことを解説しました。
それではあらためて、宅建試験に独学で挑むことのメリット・デメリットも確認しておきましょう。
メリット
まずはメリットからです。
自分のペースで勉強できる
自分で勉強方法を確立している方であれば、場合によっては通信講座の講義ペースが遅く感じてしまい合わないと思い、学習効率の悪化につながることがあります。
その他にも用意されたテキストや問題集よりも自分に合ったものを自分で選びたいと言った方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方の場合、通信講座を利用することで逆に合格が遠ざかってしまうリスクもあると考えられます。
このことからも、勉強慣れしている方はむしろ独学で挑んだ方が良いかもしれませんね。
費用を抑えられる
宅建試験の通信講座の費用は安くても大体4~5万円程かかります。
独学でこれらの通信講座費用を浮かせることができればその分別の事に回せますよね。
4~5万は非常に大きいので、自身がある方は一度独学で挑戦してみても良いかもしれません。
デメリット
一方で、宅建試験に独学で挑戦することのデメリットもあります。
モチベーションの維持が難しい
まずは独学だとモチベーションの維持が難しい点にあります。
通信講座の様にスケジュールが決まっていたり、他の学習者の勉強時間が分かると言った機能があったりすれば、おのずと机に向かう方も増えますが、独学ではそれが無いです。
個人でコツコツと勉強できる方は別ですが、そうでない方も多いと思うのでまずはSNSや掲示板を活用して勉強仲間を見つけるところから始めてみても良いかもしれませんね。
分からないところがあっても質問しにくい環境
宅建試験のように法律関係を扱う資格は抽象的で細かい論点が多いため独学が難しく、判例の判断なども困難です。
通信講座では特に難しい論点については詳しく解説されたり、それでも分からなかったら自分から質問しに行けたりと環境が恵まれているのは確かですね。
分からないところが積もってしまうと結局モチベーションの低下につながるので、安心感を得たい、と言う方も独学は不向きと言えるのではないでしょうか。
法改正への対処が難しい
宅建試験は法律を基に出題されますが、その法律は毎年変わります。
したがって宅建試験でも出題内容が毎年変わるわけですね。
特に何度か受験していると毎年法改正によって細かい数値や法の及ぶ範囲が変わるため覚えなおしをする必要があり、そもそもどこが変わったかを判定するところから始めるので時間がかかってしまいます。
一方、通信講座などでは最新の法改正内容が反映されているので安心できます。
宅建試験の全体的な勉強方法
次に宅建試験の全体的な勉強方法を見ていきましょう。
必要な勉強時間は250時間~
宅建試験に必要な勉強時間は、知識がない状態から初めておおよそ250時間ほどと言われています。
この250時間と言う指標はもちろん人によって差があり、記憶力に自信があったり、すでに法学部で基礎を学んでいる、仕事で知識を用いていると言った場合だったりすれば短くなりますし、逆に覚えるのが苦手な方は伸びることもあるでしょう。
また、具体的なスケジュールの立て方等は以下の記事でまとめています。
勉強時間の作り方
勉強時間が250時間だとして、半年で合格すると考えると1日1.5時間は確保しておきたい計算になります。
しかし
と思う方も多いのではないでしょうか。
勉強時間の確保方法としては以下の3点が挙げられます。
通学・通勤時間はフル活用!
筆者のように車通勤だったり、徒歩通勤だったりの場合通学・通勤時間は中々活用できないかと思います。
しかし、電車通勤で片道数十分~数時間かかる場合、その時間は勉強をする絶好のチャンスです。
片道1時間だとしても往復2時間、半年で120日出勤すると仮定するとそれだけで240時間は確保できてしまいます。
最近ではスマホ1台で勉強できるようなアプリもあるので、わざわざ分厚いテキストを持ち運ばなくても良いと言ったメリットもあります。
仕事の休憩時間を充てる
仕事の休憩時間も勉強の絶好のタイミングです。
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、例えばお昼休みが1時間あるとして、そのうち15分を食事に、15分を休憩に、後30分を勉強に充てればこれだけでも毎日累積するとかなりの時間になりますよね。
小さな積み重ねが結局は大きな山となり合格に近づくので、こういったスキマ時間有効に活用していきましょう。
仕事が終わってから寝るまでの間
仕事が終わってから寝るまでの時間も非常に大切です。
筆者の場合18時くらいに帰宅し、そこから家事・食事・風呂などを済ませると大体21時でした。
そこから1時間程かけて1記事サイトを更新するというのも日課だったので、あと1時間勉強して23時に寝ると言ったサイクルを組んでいました。
この寝る前の時間帯は静かで勉強も捗るのでおすすめです。
また、寝る前に勉強することはおすすめですが、寝る時間を削ってまで勉強することはあまりおすすめできません。
人は寝ている間に記憶が整理され定着します。したがって寝不足だとせっかく学習した内容も頭に残らずむしろ効率悪くなると言えるでしょう。
モチベーション維持の方法
次に勉強のモチベーション維持の方法も確認しておきましょう。
あらかじめ無理のないスケジュールを組む
まず、勉強を始めるにあたってスケジュールを最初に組んでおくと無理なく勉強をすすめられることと思います。
小学生や中学生の時の夏休みの宿題を思い出してみてください。生徒の中にはページ数を日数で割って毎日コツコツと積み上げていた方もいれば、夏休み終盤になって慌てて消化して結局間に合わなかった・・・と言う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
宅建試験も何らそれと変わりません。
何時間(もしくはテキストで何ページ)かければ合格できるかをあらかじめ見積もって置き、日数で割ってこつこつ積み上げていきましょう。
誘惑は視界に入れない
勉強部屋には漫画・ゲーム・スマホなど、誘惑のあるものは極力視界に入れないようにしておきましょう。
勉強中手元にあるとついつい手に取ってしまい勉強がなかなか捗らないと言った経験がある方も多いと思います。
あると取ってしまうので、最初から無い環境を作り出すことをおすすめします。
SNSや掲示板等で他の学習者の状況はチェック
先ほども少し紹介しましたが、SNSや掲示板などを活用して他の学習者の学習状況をチェックすることも、モチベーション維持には重要です。
周りが何時間勉強したと言った報告だったり、模試で何点取れたと言った具体的な数値だったりが可視化されることで、自分と相対評価ができるのでやる気が起きてきますね。
過去問を重視する
宅建試験は過去問からの類題が多い傾向にあります。したがってまずは過去問を網羅的に解いていくことを意識すると良いでしょう。
以下のサイトでは無料で過去数十年分の問題を解くことができます。
間違えた問題は記憶され、復習にも役立つので是非登録して見てください。
宅建試験の分野ごとの勉強方法
次に、宅建試験の各分野毎の対策方法を見ていきましょう。
宅建試験は「宅建業法」・「権利関係」・「法令上の制限」・「税・その他」の4つの分野から出題され、比重も異なってくるので科目ごとにバランスを考慮して勉強を進めて行かなければいけません。
問題数の分布
まず、それぞれの科目の問題数を見てみましょう。
科目 | 問題番号 | 内容 |
権利関係 | 1~14 (14問) |
・民法 ・借地借家法 ・不動産登記法 ・区分所有法 |
法令上の制限 | 15~22 (8問) |
・宅地建物取引業法 |
税・その他 | 23~25問 (3問) |
・税法 ・土地建物等 ・統計問題など |
宅建業法 | 26~45問 (20問) |
・都市計画法 ・建築基準法 ・農地法 |
免除科目 | 46~50 (5問※) |
(5点免除で税・その他の範囲) |
このように問題数も科目ごとに異なっています。
科目によって配点の比重に違いはなく、どれも1問1点です。
また、どれかの科目が著しく得点率が悪くても足切りなどは無いので、その点もご安心ください。
宅建業法
宅建業法は50問中20問を占めており非常にウエイトが重いです。
対策難易度としてもそこまで高くなく、まずは最初に攻略すべき科目と言えるでしょう。
9割は狙って行きたいですね。
具体的な対策方法については以下の記事をご覧ください。
権利関係
権利関係も50問中14問とかなりのウエイトを占めています。
権利関係も問題数は多いのですが、難しい論点が多く対策が難しい科目とされています。
こちらは逆に5割くらいでOKだったりするので、5割以上を狙った勉強方法をするのが良いと言えるでしょう。
法令上の制限
法令上の制限における問題数は8問程度です。全体的に見たウエイトはそこまで重くありませんが対策しやすいと言った特性があります。
8割近くは取っておきたい科目ですね。
税・その他
税・その他も合計8点(うち5点は免除科目)です。
こちらも8割くらい取得できれば問題ありません。
宅建試験におすすめのテキスト・問題集
特に独学で勉強する場合、テキスト選びは重要なポイントです。
テキストの中には網羅的で分かりやすい物から、コンパクト過ぎて内容が不足している物、難解すぎて理解し辛い物までさまざまです。
極力イラストが多用されておりフルカラーの物が分かりやすくて理解につながるのではないでしょうか。
テキストは最新版を用意
フリマアプリや古本屋を見ていると過去の年度のテキストが安く売られていることがあります。
宅建士のテキスト自体1冊3,000円程と高いのでついつい安い方に気を取られがちですよね。
しかし宅建試験は毎年法改正の関係もあって、出題内容が少しずつ変化していきます。
1年2年前のテキストでも新傾向の問題に対応できていない・・・と言うパターンは大いに考えられるので、テキストは最新版を用意しておきましょう。
特別な理由がない限りみんなが欲しかったシリーズでOK
宅建試験のテキストは各出版社から色々と出ていますが、個人的にはフルカラーで見やすく、イラストを多用していて理解しやすいみんなが欲しかったシリーズがおすすめです。
他のテキストも見てみたいと言う方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
独学が難しく感じたら?
宅建試験にまずは独学で挑んでみようと独学していても、その学習範囲の広さから挫折してしまったり、モチベーションが低下してしまったりする可能性は大いにあります。
そんな場合の対策方法もご紹介します。
素直に通信講座を使うべき
独学が辛いと感じたら、まずは素直に通信講座を利用しましょう。
その理由は以下の3つです。
試験に落ち続けると良いことがない
筆者の周りにも独学にこだわり、何度も試験を受けている方がいます。
しかしよくよく考えてみてください。
1度目の試験で5万円ほどの受講料を支払って合格できるのと2度3度独学にこだわって合格するのでは時間の観点からも前者の方がお得と言えます。
特に宅建資格のように人気資格は所有していると1ヵ月あたり万単位で資格手当が出ることもあります。
1年早く取得できれば十数万のアドバンテージができるので、受講料分はすぐにおつりが来てしまいますね。
また、何度も落ちてしまうと徐々にモチベーションが下がり翌年も翌々年も合格できない・・・といった負のループに陥りかねません。
それよりはサクッと1発合格を決めてしまいましょう。
通信講座によっては合格率が跳ね上がる
通信講座によっては受講者の合格率を公開しているところもあります。
全体の受験生の合格率が15%前後でしかないにもかかわらず、受講者の合格率は50%を超えると言った通信講座もちょくちょく見られます。
このように数値を公開しているだけでも信頼できますし、これだけ高い合格率だったら受けてみたいと思いますよね。
フォーサイトがおすすめ
宅建の通信講座はいくつもありますが、中でもフォーサイトは特におすすめです。
テキストがかなりコンパクトにまとめられており、重要な部分のみ取り扱われているので挫折しにくい設計となっています。
また、スマホ一台でどこでも過去問が解けたり講義が見られたりするManabunも好評です。
先ほど通信講座によっては合格率を公開していると書きましたが、フォーサイトは毎年公開しており全国平均の4倍前後だったりします。
かなりおすすめできる講座なので、独学で挫折しそうな方は試していただければと思います。
詳しい教材の情報に関しては、以下の記事もご覧ください。
宅建の勉強方法まとめ
本記事のまとめ!
- 宅建試験の独学合格は不可能ではないが難しい
- 独学だと講座の費用はかからないが、何度も落ちると受験料と時間が無駄になる
- 自信がないのであれば、無理に独学にこだわらずに通信講座を活用するのもアリ!
今回は宅建の勉強方法について紹介しました。
宅建試験のように範囲が広い試験は、スケジューリング管理を徹底しつつまず過去問を解いて傾向を見極めるのが良いです。
科目毎のバランスを考え、宅建業法を中心に得点源にしていきましょう!
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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