[宅地建物取引士]合格後の登録の流れは?登録に必要な書類や費用まとめ
努力の成果も実り、無事に宅建試験に合格できた方のなかには
と意気込んでいる方も多いことでしょう。
しかし宅建試験に合格しただけでは宅建士と名乗ることはできません。
そこでこの記事では宅建試験合格後にどのような流れを踏んで登録できるのか、必要な書類は何で、費用はどれくらいかかるかなどを解説していきます。
宅建試験合格後は登録が必要なのか
まず、宅建試験に合格したら絶対に宅建士として登録しなければいけないかと言われると、そうではありません。
理由としては以下の3点が挙げられます。
試験合格自体は生涯有効
宅建試験に合格したという実績は生涯有効です。
そのため、試験合格後5年経とうが10年経とうがいつでも宅建士登録手続きに移行することが可能で、試験を受けなおす必要はありません。
早急に宅建士になる必要がない場合、すぐに登録するメリットは無いと言えるでしょう。
登録しない場合のメリットも大きい
宅建士に登録してなくても、宅建試験に合格したという実績があれば評価してくれる企業や顧客も多いです。
宅建士に登録することで登録手続き費用がかかってしまったり維持費がかかるので、あえて登録しないという方も大勢いらっしゃいます。
登録しないことで逆に得られるメリット等は以下の記事でもまとめているので、あわせてご覧ください。
登録することでかかる費用や更新制度についても確認しよう
宅建士に登録すると登録費用だけでなく維持費だったり定期的な講習を受ける必要もあります。
講習は5年に1度なのでそこまで負担が大きいとは言えませんが、1日潰れるため人によってはめんどくさいと感じる方も多いようです。
更新に関する流れは以下の記事でまとめているので、こちらもあわせてご覧ください。
宅建士の登録は人によって手続きが変わる
宅建士の登録にあたっては、人によって登録手順や手続きが変わることがあります。
具体的には以下のポイントを見てみると良いでしょう。
2年以上の実務経験があるかどうか
宅建試験に合格しても、2年以上の実務経験がなければ別途登録実務講習を受ける必要があります。
実務経験のカウントに関しては
を、登録実務講習の詳細については
をご覧ください。
合格発表から1年以上経過しているかどうか
宅建試験の合格には期限がないと書きましたが、合格発表から1年経過したか否かで法定講習を受講しなければ行けなくなるかどうかが変わります。
講習の目的としては宅建業法のように、毎年法改正が入ると試験合格時の知識では対応できないためです。
宅建士は常に最新の法知識を持っていることを求められるため、このように法定講習があるわけですね。
欠格事項に該当しないか
宅建士には欠格事項と呼ばれ、条件に該当する場合登録できないケースがあります。
例えば
- 成年被後見人
- 破産者で復権を得ていない人
- 免許を取り消され、取消の日から5年を経過していない人
などですね。
宅建士に登録することでできる仕事
宅建士として登録を受け、宅建士証を入手した場合には以下のような仕事ができるようになります。
重要事項の説明
宅建士は契約を行うにあたって、不動産の取引の契約に関する重要事項の説明をする義務があります。
例えば不動産売買の際に瑕疵はどちらにあるのか、不動産の状態はどうなのか、などさまざまな事項がありますね。
不動産売買は大きな額が動くため、特に知識の少ないお客さんに不利なことをしてしまうと後々訴訟問題など、大きなトラブルに繋がってしまうわけです。
そのためお客さんに詳細に説明し、後から不動産に関する理解の食い違いが生じないようにする必要があるわけです。
説明するにあたって宅建業法や権利関係について学び、さらに最新の法改正を反映させた知識を持つ宅建士がその役を担う必要があるわけですね。
重要事項説明書(35条書面)への記名押印
重要事項を説明するにあたっては口頭で終わらせるだけではなく、文書としてもお客さんに交付する必要があります。
重要事項を記載した書面の事を35条書面と呼びますが、宅建士をしてこの書類に記名押印しなければいけません。
後々「説明した」「説明していない」の水掛け論を防ぐためにも責任をもって説明しましたと宅建士が記名した書類を交付します。
契約書(37条書面)への記名押印
宅建士は契約にあたって、契約書(37条書面)も交付する必要があります。
契約書では家賃の額や引き渡し時期など、契約に関する詳細な情報が書かれています。
35条書面と37条書面に相違が無いか、お客さんとの合意の上で契約を進めたかなどを確認したうえで宅建士は37条書面へと記名押印を行います。
宅建士登録の流れ
最後に、宅建士に登録するための流れを確認しましょう。
書類を揃える
まずは登録にあたっての必要書類を確認しましょう。
具体的には
- 登録申請書
- 誓約書
- 身分証明書
- 成年被後見人・被保佐人に登記されていないことの登記事項証明書
- 住民票の写しの原本
- 合格証書の写し
- 顔写真
- 登録資格を証する書面
が必要です。
以下は東京で登録する場合の必要書類ですが、基本的にどの自治体も同じはずです。
登録費用
宅建試験にかかる費用とは別に登録費用がかかるので、その点も押さえておきましょう。
具体的には
- 資格登録手数料・・・37,000円
- 宅建士証交付申請手数料・・・4,500円
の合計41,500円が必要です。
加えて実務経験がない場合は登録実務講習費用がかかり、約20,000円追加でかかることも押さえておきましょう。
宅建士登録まとめ
今回は宅建試験に合格後に登録するための流れについて解説しました。
宅建士として仕事をするには登録が必要である点を押さえておきましょう。
一方で、会社によっては入社後に登録手続きすれば良いケースも多く試験合格さえしていれば問題ないこともあります。
登録することで費用がかかってしまい家計を圧迫するリスクもあるので、試験合格段階であれば求人を確認して登録の必要性を先に確認しておいても良いでしょう。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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