[FP3級]公的年金(遺族給付・寡婦年金)[無料講座・例題付き!]
今回はFP3級の公的年金の中でも遺族給付について学習していきます。
遺族給付
年金加入者や年金受給者が死亡した場合、遺族の生活保障として遺族給付があります。
遺族給付には国民年金である遺族基礎年金と厚生年金である遺族厚生年金が存在しています。
遺族基礎年金
国民年金に加入している被保険者等が死亡した場合、一定の要件を満たしていれば遺族に遺族基礎年金が支給されます。
受給できる要件などは以下の通りです。
受給要件
死亡した人に生計を維持されていた子または子のある配偶者
子の要件
- 18歳到達年度の末日までの子
- 20歳未満で障害等級1~2級に該当する子
保険料納付要件
原則として、保険料納付済み期間+保険料免除期間が全被保険者期間の2/3以上であることが必要です。
特例として、原則の要件を満たさない場合でも直近1年間に保険料の滞納がなければ要件を満たします。
遺族基礎年金額
781,700円+子の加算額
ここで、子の加算額は第1子、第2子は224,900円、第3子以降は各75,000円となります。
寡婦年金と死亡一時金
国民年金の第1号被保険者については独自の給付として寡婦年金と死亡一時金を受け取る制度があります。
これらの給付金はどちらかしか受け取ることができません。
寡婦年金
老齢基礎年金の受給資格期間が10年以上を満たしているにもかかわらず、第1号被保険者の夫が年金を受け取らずに死亡した場合、妻に支給される年金です。
以下のポイントをしっかりと押さえておきましょう。
- 受け取ることができるのは妻に限られる
- 寡婦年金を受け取るためには10年以上の婚姻期間が必要
- 寡婦年金の受給期間は妻が60歳~65歳に達するまで
死亡一時金
第1号被保険者として、保険料を納付した期間が3年以上ある人が年金を受け取らずに死亡した場合で、遺族が遺族基礎年金を受け取ることができない場合に支給されます。
具体的には子のない配偶者や子でも18歳(障害等級1~2級に該当する場合は20歳)を超えた場合などが当てはまります。
遺族厚生年金
第2号被保険者が亡くなった場合、一定要件を満たしていれば遺族は遺族基礎年金に加えて遺族厚生年金も受け取ることができます。
受給できる要件は以下の通りです。
受給要件
死亡した人に生計を維持されていた①配偶者・子、②父母、③孫、④祖父母
遺族厚生年金額
老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4相当額
中高齢寡婦加算と経過的寡婦加算
一定の条件を満たす遺族には中高齢寡婦加算と経過的寡婦加算があります。
中高齢寡婦加算
夫の死亡当時、40歳以上65歳未満で子のない妻または、子があっても40歳以上65歳未満で遺族基礎年金を受け取ることができない妻に対して、遺族厚生年金に一定額が加算されます。
ただし妻が65歳になった時点で老齢基礎年金を受け取れるようになるためこの支給は打ち切られます。
経過的寡婦加算
中高齢寡婦加算が打ち切られることによって年金が減少する分を補うために経過的寡婦加算と呼ばれる制度が設けられています。
例えば会社員のAさんが死亡(死亡当時妻は40歳、子は15歳)とすると子が18歳の時に遺族基礎年金が打ち切られ、妻が65歳になると中高齢寡婦加算が打ち切られることになります。
それぞれの年金を補うために各寡婦加算があることが分かります。
公的年金(遺族給付)・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
問1
遺族基礎年金を受給することができる遺族は、国民年金の被保険者等の死亡の当時、その者によって生計を維持され、かつ、所定の要件を満たす「子のある配偶者」または「子」である。(2019年/1月)
○
×
問2
遺族厚生年金の額(中高齢寡婦加算額および経過的寡婦加算額を除く)は、原則として、死亡した者の厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の()に相当する額である。(2019年/5月)
1 2分の1
2 3分の2
3 4分の3
問3
厚生年金保険の被保険者である夫が死亡し、子のいない45歳の妻が遺族厚生年金の受給権のみを取得した場合、妻が65歳に達するまでの間、妻に支給される遺族厚生年金に中高齢寡婦加算額が加算される。(2020年/1月)
○
×
解説(クリックで展開)
公的年金(遺族給付)・まとめ
今回は公的年金の遺族給付について学習しました。
それぞれの給付の条件を一つ一つ覚えていくのは大変ですが、特に遺族給付の寡婦年金はよく聞かれます。どの条件の時に支給されるかをしっかりと押さえておきましょう。
次回は確定拠出年金について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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