人的控除(配偶者控除・扶養控除・寡婦控除)[FP3級講座]

2020年9月8日

今回はFP3級で問われる所得控除の中の人的控除について学習します。

キュー
キュー
今回も所得控除について学習していくで~
チョロ
チョロ
確か所得控除には人的控除と物的控除があるんだったでチュね?
キュー
キュー
せや。今回は人的控除について学んでいこか

人的控除

人的控除は所得において、納税者自身や家族等、人や人の事を考えて控除される所得控除になります。

具体的な例を見てみましょう。

基礎控除

基礎控除は誰であろうと条件なく適用を受けることができます。

ただし2020年以降の基礎控除は以下の表の様に、納税者本人の合計所得金額に応じて変わります。

合計所得金額 控除額
~2,400万円以下 48万円
2,400万円超~2,450万円以下 32万円
2,450万円超~2,500万円以下 16万円
2,500万円超~ 0円

配偶者控除

配偶者控除は控除対象となる配偶者がいる場合に適用される所得控除になります。

  • 納税者本人と生計を一にする配偶者(青色事業専従者及び事業専従者は除く)であること
  • 配偶者の合計所得金額が48万円(控除抜きで年収103万円)以下であること
  • 納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であること

また、控除対象となる配偶者の年齢が70歳以上の場合老人控除対象配偶者となり、金額が変わります。

納税者本人の合計所得金額 控除額
控除対象配偶者 老人控除対象配偶者
~900万円以下 38万円 48万円
900万円超~950万円以下 26万円 32万円
950万円超~1,000万円以下 13万円 16万円
1,000万円超~ 0円

配偶者特別控除

配偶者特別控除は合計所得金額が48万円を超えて配偶者控除の対象にならない場合に一定の条件を満たすことで適用を受けることができます。

  • 納税者本人と生計を一にする配偶者(青色事業専従者及び事業専従者は除く)であること
  • 配偶者の合計所得金額が48万円超133万円以下であること
  • 納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であること
↓配偶者の所得/納税者の所得→ ~900万円以下 900万円超~950万円以下 950万円超~1,000万円以下
48万円超~95万円以下 38万円 26万円 13万円
95万円超~100万円以下 36万円 24万円 12万円
100万円超~105万円以下 31万円 21万円 11万円
105万円超~110万円以下 26万円 18万円 9万円
110万円超~115万円以下 21万円 14万円 7万円
115万円超~120万円以下 16万円 11万円 6万円
120万円超~125万円以下 11万円 8万円 4万円
125万円超~130万円以下 6万円 4万円 2万円
130万円超~133万円以下 3万円 2万円 1万円

扶養控除

扶養控除については、以下の条件を満たす扶養親族がいる場合に適用されます。

  • 納税者本人と生計を一にする配偶者以外の親族(青色事業専従者と事業専従者は除く)であること
  • その親族の合計所得金額が48万円以下であること

また、扶養親族の括りや控除額は年齢によっても異なってきます。

年齢 控除額 区分
0歳以上~16歳未満
16歳以上~19歳未満 38万円 控除対象扶養親族
19歳以上~23歳未満 63万円 特定扶養親族
23歳以上~70歳未満 38万円 控除対象扶養親族
70歳以上~ 58万円(同居老親など)
48万円(それ以外)
老人扶養親族

障害者控除

障害者控除は納税者本人や同一生計配偶者、扶養親族が障害者の場合に適用されます。

区分 控除額
一般障害者 27万円
特別障害者(障害等級1級・2級) 40万円
同居特別障害者 75万円

寡婦控除

寡婦控除は納税者本人が寡婦である場合に適用される控除です。寡婦となる要件は以下の通りです。

  • 合計所得金額が500万円以下 かつ
  • 夫と死別後再婚していない者 または 夫と離婚後、再婚しておらず、扶養親族を有する者

控除額は一律27万円となっています。

ひとり親控除

ひとり親控除は、納税者本人が一人親の場合に適用されます。

ひとり親の要件としては

  • 合計所得金額が500万円以下
  • 現在婚姻していない者
  • 総所得金額等の合計額が48万円以下の子がいること

のすべてを満たす必要があり、控除額は35万円となります。

勤労学生控除

勤労学生控除は納税者本人が勤労学生(一定の学生であり、合計所得金額が75万円以下)である場合に適用されます。

控除額は27万円となります。

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人的控除・例題

実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。

問題

問1

納税者の2018年分の合計所得金額が1,000万円を超えている場合、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、所得税の配偶者控除の適用を受けることはできない。(2019年/5月)


×

問2

納税者の合計所得金額が1,000万円を超えている場合、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、所得税の配偶者特別控除の適用を受けることはできない。(2015年/9月)


×

問3

所得税において、老人扶養親族のうち、居住者またはその配偶者の直系尊属で、居住者またはその配偶者と常に同居している者(同居老親等)に係る扶養控除額は、()である。(2017年/5月)

1 48万円
2 58万円
3 63万円

解説(クリックで展開)

人的控除・まとめ

今回は所得控除の人的控除について学習しました。

人的控除については控除額も良く問われるので合わせて覚えていきましょう。

カズ
カズ
年齢や年収などもしっかり押さえておこう!

次回は所得控除の物的控除について学習します。


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