[日商簿記3級]当期純利益の振り替え処理[無料講座・例題付き!]

2019年8月31日

日商簿記3級 当期純利益の振り替え処理

今回は日商簿記3級当期純利益の振り替え処理について学習します。

チョロ
チョロ
無事に会社のもうけが出てるみたいで良かったでチュ
キュー
キュー
株式を発行して株式会社にしたなら、毎期毎に決算書にまとめて報告せんとあかんで~!

当期純利益

会社を設立するという事は当然、利益(もしくは損失)が発生します。ここでは順風満帆に事が運び、利益が発生し決算を迎えた場合の処理を見ていきましょう。

その期のうちに発生した収益から費用を差し引いた分はその期のもうけ(もしくは損失)となり、損益勘定で処理することになります。

今期は儲かったという仮定の下、当期純利益を学習していきます。

当期純利益を計上した場合

株式会社設立から1年がたち無事にそれなりの利益が出ました。この利益の処理に関してはどのように処理するべきなのかを見ていきます。

令和2年3月31日 ひまわり商事株式会社は第1期の決算において、当期純利益800,000円を計上した。

当期純利益を計上した場合

利益が出た、という事は会社のお金が増えたことになり、会社が使える資本が増えたことになります。

そのため、資本が増える処理を行う必要があります。

その時に使えるお金というのは時期に繰り越せるので、繰越利益剰余金と呼ばれる勘定科目を使うことになります。

借方 金額 貸方 金額
繰越利益剰余金
(資本の増加↑)
800,000

また、その相手科目としては当期に発生した収益から費用を引いた損益勘定を用います。

損 益

費用 収益
当期純利益

例えば諸収益(収益の合計)が1,000,000円、諸費用(費用の合計)が200,000円だとすれば、当期純利益は収益と費用の差額、1,000,000-200,000円より800,000円となりますね。

詳しくは後々学習するので、今回は利益を計上する場合は貸方に繰越利益剰余金と呼ばれる勘定科目を記載することを覚えておいてください。

借方 金額 貸方 金額
損益 800,000 繰越利益剰余金 800,000

当期純損失を計上した場合

会社を立てれば必ず利益が出るとは限りません。時と場合によっては損失が発生することもあるので、そちらもあわせてみてみましょう。

令和2年3月31日 あざらし商事株式会社は第1期の決算において、当期純損失200,000円を計上した。

当期純損失を計上した場合

損失が出た、という事は前期よりも会社で使えるお金(資本)が減ってしまったことを意味します。したがって資本の減少という事で、借方に繰越利益剰余金を記載することになります。

借方 金額 貸方 金額
繰越利益剰余金
(資本の減少↓)
200,000

また、損失が発生した、という事は収益よりも費用が上回ってしまったことを意味しています。したがって、損益のボックス図を描くと以下のような形になります。

損 益

費用 収益
当期純損失

したがって仕訳は以下のようになります。

借方 金額 貸方 金額
繰越利益剰余金 200,000 損益 200,000
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当期純利益の振り替え・例題

実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。

問題

次の仕訳をせよ。

金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。

(例:現金 500、商品 1,000,000)

使える勘定科目は以下のものとする。

勘定科目:[損益][繰越利益剰余金]

問1

当期純利益100,000円を、損益勘定から繰越利益剰余金勘定に振り替える。

借方 金額 貸方 金額

問2

当期純損失50,000円を、損益勘定から繰越利益剰余金勘定に振り替える。

借方 金額 貸方 金額

解説(クリックで展開)

当期純利益の振替え・まとめ

当期純資産や当期純損失は資本金同様、繰越利益剰余金という形でそのまま資本にかかってくる科目になります。

利益が発生したときと損失が発生したときで貸方借方どちらに繰越利益剰余金が来るかをしっかりと押さえましょう。

カズ
カズ
資産・負債・純資産のボックスを覚えちゃえば理屈で理解することができるよ!

次回は剰余金の配当について見ていきます。


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