[日商簿記3級]法人税等の処理[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記3級の法人税等について学習します。
法人税等
私たちが会社で働いて給料をもらう時、給料からは所得税と言って稼いだ分からいくらか税金が引かれています。
企業単位での儲けに対しても税金がかかり税務署に納めないといけません。
企業の儲けにかかる税金のことを法人税と呼び、会計期間が1年の場合は期中において中間納付をする必要があります。
法人税等を中間申告・納付した場合
株式会社の様に、法人の場合は利益に応じた法人税に加え、住民税や事業税も課されてきます(これらをまとめて法人税等と言います)。事例を踏まえ流れを見ていきましょう。
これまでの知識を用いると・・・
小切手により5,000円振り出したとあります。したがって当座預金を5,000円分減少させる必要があります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
当座預金 (資産の減少↓) |
5,000 |
法人税等を中間申告・納付した場合
法人税等は利益に対して何%といった形で課されるため、決済にならないと金額が確定しません。
しかし、会計期間が1年の会社の場合、会計期間の中間で半年分の概算額を申告し納付する義務があります。
期首 | 期末 | ||||||||||
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
概算額を仮払いする |
仮払といった文字からもわかるように、あくまで概算で正式な金額ではないため、ここでは仮払法人税等と呼ばれる資産の科目を用いて処理します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仮払法人税等 (資産の増加↑) |
5,000 | 当座預金 | 5,000 |
法人税が確定したときの処理
決算が終わると純利益に対して一定率を掛けた税額を算出することができます。
中間申告で納付した分を差し引いて残りを納付しますが、その際の処理を見ていきましょう。
法人税が確定した場合
決算が終わり、当期の法人税などの金額か確定した場合、借方に法人税等(法人税、住民税及び事業税)を計上します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
法人税等 | 11,000 |
くわえて、法人税等の金額が確定したため、中間申告時に納付し、資産として計上した仮払法人税等を減らします。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
法人税等 | 11,000 | 仮払法人税等 (資産の減少↓) |
5,000 |
最後に、確定した金額と仮払法人税等の金額の差額がこれから納付すべき金額となるので、未払法人税等として負債勘定で処理します。
負債の増加なので貸方に記載ですね。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
法人税等 | 11,000 | 仮払法人税等 | 5,000 |
未払法人税等 (負債の増加↑) |
6,000 |
未払法人税等を納付した場合
決算において確定した法人税等は決算日2ヵ月以内に申告し納付しなければいけません。
これまでの知識を用いると・・・
小切手を振り出して支払っているので6,000円分を当座預金から減少させます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
当座預金 (資産の減少↓) |
6,000 |
一方で支払わなければいけなかった負債である未払法人税等を支払ったことによりこちらも減少します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
未払法人税等 (負債の減少↓) |
6,000 | 当座預金 | 6,000 |
法人税等・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[現金][当座預金][仮払法人税等][未払法人税等][法人税等]
問1
中間申告を行い、法人税5,000円、住民税3,000円、事業税2,000円を小切手を振り出して中間納付した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問2
決算につき、当期の法人税、住民税及び事業税が25,000円と確定した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
(資産) |
|||
(負債) |
問3
確定申告を行い、問2で計上した未払法人税等を現金で支払って納付した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解説(クリックで展開)
法人税等・まとめ
法人税に関しては会計期間が1年の場合、年の間に中間申告があること、加えて住民税や事業税等他の税金も法人税等として一括でくくってしまうことを押さえておきましょう。
次回は消費税に関する処理を学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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