電子メール(SMTP・POP3・S/MIME)【ITパスポート講座】

この記事で学ぶこと
- 電子メール送受信の仕組み
- 電子メールに関連するセキュリティ
- CCとBCCの違い
今回はITパスポート問われる電子メールの仕組みについて学習します。


電子メールはビジネスにおいて欠かせない便利ツールです。具体的にどのような仕組みで送受信されているのか確認しましょう。
電子メール
送信者の端末から送信した電子メールは、いったんメールサーバを経由し、受信者の端末へと届きます。
メールを送る時や受け取る時にはプロトコルを用いますが、インターネットの章で学んだHTTPやFTPとは別のプロトコルを用います。
また、近年ではメールによるウイルス感染や情報流出が問題化しています。電子メールのセキュリティについても学習しましょう。
メール送受信のプロトコル
メール送受信に関わるプロトコルを確認しましょう。
SMTPとPOP3
メールの送受信で利用するプロトコルには、SMTPとPOP3があります。
SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)は、パソコンやスマートフォンなどの端末からメールサーバへメールを送信する役割があります。
POP3(Post Office Protocol Version 3)はメールサーバからメールを端末側に受信する役割があります。
MIME
電子メールは基本的にテキストデータの送信に限定されます。日本語を含む複数バイトからなるデータや、添付ファイルなどを送受信する場合はMIMEと呼ばれる拡張機能を用いる必要があります。
IMAP4
IMAP4(Internet Message Access Protocol 4)は、電子メールを確認するプロトコルです。POP3と異なり、電子メールをメールサーバ上で管理します。
サーバ上にメールを保存するため、複数端末でメールを確認したい場合に相性が良いです。
メール形式
メールの形式には、テキスト形式とHTML形式があります。それぞれの形式について確認しましょう。
テキスト形式
テキスト形式は文字だけで構成された簡素なメールです。受信者の環境やメールソフトに影響されにくい点や、悪意のあるコードを埋め込まれにくいメリットがあります。
一方でプレーンな文字列しか扱えないため、太字や赤字などの強調ができません。

HTML形式
HTML形式のメールは、Webページにも用いられるHTMLを用いています。Webページ同様、文字を大きくしたり画像を埋め込んだりが可能です。

装飾を施せる分、正しく表示されるかどうかは受信者の環境やメールの設定に依存します。不正なコードを埋め込まれ攻撃に悪用されるケースもあります。
Webメールと電子メールの違い
近年、電子メールとは別にWebメールが利用されることも増えてきました。

Webメールは、インターネット経由で接続し、ブラウザ上でメールチェックや送受信が可能です。手元の端末にメールアプリがインストールされていなくても、インターネットにさえつながれば利用できるため利便性が高いです。
Webメールで送受信を行う場合、送受信にはHTTPプロトコルが用いられます。
宛先メールアドレスの設定
会社などで複数人にメールを送る際、TOの箇所に並列して入力できます。
一括送信は便利ですが、宛先の人同士がお互いに知らない場合、並列してTOに入れることはメールアドレス流出の観点から望ましくありません。CC(Carbon Copy)も同様、お互いのアドレスが見えてしまいます。
例えばくろんからモナとぷりんの宛先をTOとCCに入れてメールを送るとします。
この2匹がお互いに知り合いでない場合は、お互い届いたメールから相手のメールアドレスを知ることができてしまいます。


受信者のメールアドレスを他の方に見せたくない場合、TOではなくBCC(Blind Carbon Copy)欄にメールアドレスを入れることで該当アドレスを別の受信者に知られずに済みます。
電子メールのセキュリティ
近年、企業や組織のほとんどが電子メールを用いています。電子メールは便利ですが、サイバー攻撃の温床となるケースが非常に多いです。

先ほど紹介したメール受信プロトコルのPOP3ではメールサーバ上のメールをすべて受信してしまうので、悪質なメールだけ弾く事は不可能です。IMAP4を用いてダウンロードしない方法は一つの対策方法です。
メールの盗聴を防ぎたいなら、S/MIMEで暗号化する方法も考えられます。
特に怪しいメールを受信したら以下を徹底するようにしましょう。
- 不審なメールは開かずに削除する
- 添付ファイルはウイルスチェックを行う
- 万が一開いてしまったら管理部門に迅速に報告

電子メールの例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問1
電子メールの送信に関する事例のうち,個人情報保護の観点から不適切な物はどれか。(H.29秋/問12)
ア:製品の質問メールへの回答で、その内容を知ってもらいたい複数の顧客のメールアドレスをCC欄に設定して返信した。
イ:通信販売の購入額上位10人の顧客に対して1通ずつメールを作成し、順位に合わせた商品の内容を通知した。
ウ:同窓会全員に配布してある同窓会名簿に記載された全員のメールアドレスを宛先に設定して、同窓会の案内メールを送信した。
エ:春の特別企画展を実施することになり、特定の会員のメールアドレスをBCC欄に設定して出店依頼のメールを送信した。
(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)
問2
Webメールに関する記述①~③のうち,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。(H.30秋/問57)
① Webメールを利用して送られた電子メールは,Webブラウザでしか閲覧できない。
② 電子メールをPCにダウンロードして保存することなく閲覧できる。
③ メールソフトの代わりに,Webブラウザだけあれば電子メールの送受信ができる。
ア:①,②
イ:①,②,③
ウ:①,③
エ:②,③
(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)
問3
メールサーバに届いた電子メールをメールソフトで受け取るために使用されるプロトコルはどれか。(H.24秋/問77)
ア:DNS
イ:HTTP
ウ:POP3
エ:SMTP
(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)
電子メールのまとめ
今回は電子メールの仕組みについて学習しました。SMTPやPOP3は試験に頻出ですし、基礎的なプロトコルなので必ず押さえておきましょう。
また、メールセキュリティはサイバー攻撃が激化する昨今で必須の概念です。

次回はLANについて学習します。

福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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