IPアドレス(IPv4とIPv6の違い・MACアドレスとは)【ITパスポート講座】

2019年10月16日

ITパスポート IPアドレス

この記事で学ぶこと

  1. IPアドレスの仕組み
  2. IPv4とIPv6の違い
  3. MACアドレスについて

今回はITパスポート試験で問われるIPアドレスについて学習します。

くろん
くろん
確かIPアドレスはインターネット上の住所みたいなものだったにゃ?
モナ
モナ
そうニャ。住所と言っても〇〇県××市~みたいに分かりやすいものではなくて、数字の羅列になってるニャ

IPアドレスはインターネット上の住所を表します。普段の業務でもパソコンを使う方なら聞いたことがある方が多数かと思われます。IPアドレスの仕組みについて、簡単に押さえておきましょう。

IPアドレス

IPアドレスの仕組み

インターネット上の住所に値するものをIPアドレスと呼びます。

通信を行う場合、送り先と送り元にIPアドレスを設定することで、正確にデータを相手へと届けられます。

IPアドレスの概要

通信を行う相手のコンピュータを一意に定めるために、1台1台のPCにユニーク(唯一の)なIPアドレスを割り振ります。具体的なIPアドレスは32ビット(列)からなる0と1の数字の並びです。

11000000 01001101 00001101 11110011

IPアドレスは2進数と呼ばれる数え方で表記されており、コンピュータにとっては都合が良いですが、人は理解しにくい仕様です。

IPアドレスの2進数表記

くろん
くろん
0と1が並んでいて、桁数も多いからわかりにくいにゃ・・・

人が理解しやすくするため、2進数を10進数と呼ばれるなじみ深い数字に変換して表記することもあります。

IPアドレスの10進数表記

インターネット上に接続するすべてのデバイスにはIPアドレスを割り振る必要があります。

モナ
モナ
IPアドレスなしだと、住所不定でデータが届かないニャ

IPアドレスが枯渇?IPv4とIPv6について

インターネットが登場した当初、IPv4と呼ばれ、32ビットの長さで用いられていました。現在でもIPv4は主流ですが、アドレス数は2の32乗(約43億)までしか割り当てできません。

くろん
くろん
世界の人口が70億人を超えているから、1人1アドレス使えないにゃ・・・

IPアドレスの枯渇問題を解消するため、長さを128ビットに増やした新しい規格としてIPv6が登場しました。

IPv6は2の128乗(340兆の1兆倍の1兆倍)個のアドレスが使えます。

モナ
モナ
膨大すぎる数で、実質無限大と言えるニャ!

現時点ではIPv4が普及しており、IPv4とIPv6は互換性がないことからもすぐの移動は困難です。

IPv6は128ビットを16ビットごとにコロン(:)で区切り8つに分割し、16進数で表記します。

IPv6

プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレス

世界中にネットをつなぐ場合、世界中でユニークであるグローバルIPアドレスが必要です。

ただし特定のネットワーク内であれば、内部で有効なプライベートIPアドレスを割り振ることもできます。

プライベートIPアドレスは、同じネットワーク上で重複してはいけません。ただし、他ネットワークとの重複はOKです。

プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレス

NATはグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスを紐づけるプロトコルです。NATによりユーザ側は意識せずにIPアドレスを自動設定できます。

NAT

複数のプライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスにまとめ上げる技術をNAPT(IPマスカレード)と呼び、1対多通信をあたかも1対1通信に見せかけます。

NAPT

ネットワークアドレスとホストアドレス

インターネットに接続するデバイス1つ1つにIPアドレスを割り振るのは大変です。

したがって、IPアドレスをそのコンピュータがどこのネットワークに属するかを示すネットワークアドレスと、ネットワーク内のそのコンピュータ自身を示すホストアドレスに分割します。

ネットワークアドレスとホストアドレス

ネットワークアドレスが同じであれば同じ地域にいることを意味します。

ネットワークアドレス

モナ
モナ
〇〇県××市の様にその地域に住む人に共通する部分がネットワークアドレスに値するニャ
くろん
くろん
その後の番地のように、人によって違うところがホストアドレスっとことかにゃ!

どこまでがネットワークアドレス?

上の例では、左(上位とも言う)から24ビットがネットワークアドレスと定義していました。ネットワークアドレスの決め方は固定的に〇〇ビットと決める方法だけでなく、可変的に決める方法もあります。

可変的に決めることで柔軟性が増すメリットがあります。どこまでがネットワークアドレスかを表す情報をサブネットマスクと呼びます。

サブネットマスクは、ネットワークアドレス部分を1に、ホストアドレス部分を0にします。

サブネットマスク

IPアドレスとサブネットマスクを並べることで、ネットワークアドレスとホストアドレスの境界がわかります。

IPアドレスとサブネットマスク

デフォルトゲートウェイ

デフォルトゲートウェイは、同一のネットワーク内には存在しない外部のネットワークと通信する必要がある場合に、その出入口となる機器を指します。

通常はルータがデフォルトゲートウェイの役割を果たします。

デフォルトゲートウェイ

MACアドレス

MACアドレスはネットワーク機器やネットワークアダプタについている固有の識別番号で、メーカー識別子24ビットと製品固有番号24ビットの合計48ビットで編成されています。

MACアドレスは物理アドレスとも呼ばれ、別のネットワークに移動させてもMACアドレスが変わることはありません。

IPアドレスとMACアドレスの違いを郵便に例えてみましょう。

IPアドレスとMACアドレスの違い
  • IPアドレス:封筒に書くあて先
  • MACアドレス:ポストや郵便局の場所を示すアドレス

MACアドレス

DHCP

DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、IPアドレスそのものや、IPアドレスに付随する必要な情報を割り当てるプロトコルです。

インターネットに接続する端末にはIPアドレスが必要ですが、DHCPを利用するとユーザが何も設定しなくても、DHCPサーバが自動でIPアドレスを割り当ててくれます。

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IPアドレスの例題

実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。

問1

サブネットマスクの役割として,適切なものはどれか。(R.5/問97)

ア:IPアドレスから,利用しているLAN上のMACアドレスを導き出す。
イ:IPアドレスの先頭から何ビットをネットワークアドレスに使用するかを定義する。
ウ:コンピュータをLANに接続するだけで,TCP/IPの設定情報を自動的に取得する。
エ:通信相手のドメイン名とIPアドレスを対応付ける。

(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)

問1の正解を表示
問1の解説を表示

サブネットマスクは、IPアドレスのどの部分がネットワークアドレスでどの部分がホストアドレスかを示す情報です。ネットワーク部分が1、ホストアドレスが0のビット列で表現されます。

ア:IPアドレスから,利用しているLAN上のMACアドレスを導き出す。
⇒ARPに関する説明なので不正解です。

ウ:コンピュータをLANに接続するだけで,TCP/IPの設定情報を自動的に取得する。
⇒DHCPに関する説明なので不正解です。

エ:通信相手先のドメイン名とIPアドレスを対応付ける。
⇒DNSに関する説明なので不正解です。

問2

膨大な数のIoTデバイスをインターネットに接続するために大量のIPアドレスが必要となり,IPアドレスの長さが128ビットで構成されているインターネットプロトコルを使用することにした。このプロトコルはどれか。(R.4/問73)

ア:IPv4
イ:IPv5
ウ:IPv6
エ:IPv8

(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)

問2の正解を表示

問2の解説を表示

現在用いられているIPアドレスは、アドレス長が32ビットのIPv4と128ビットのIPv6です。

このうちIPv4は枯渇が懸念されたため、徐々にIPv6へと移行されています。

したがって「ウ」が正解です。

問3

MACアドレスに関する記述のうち,適切なものはどれか。(H.28春/問68)

ア:同じアドレスをもつ機器は世界中で一つしか存在しないように割り当てられる。
イ:個別情報が含まれており、同じアドレスをもつ機器は各国に一つしか存在しないように割り当てられる。
ウ:ネットワーク管理者によって割り当てられる。
エ:プロバイダ(ISP)によって割り当てられる。

(ログイン後回答すると、ここに前回の正誤情報が表示されます)

問3の正解を表示

問3の解説を表示

MACアドレスは、ネットワーク上の機器を識別するため、各機器に割り当てられた48ビットの番号です。同一セグメント内における通信に限っては、このMACアドレスを基に行われることになります。

イ:個別情報が含まれており、同じアドレスをもつ機器は各国に一つしか存在しないように割り当てられる。
⇒国情報は含まれないので不正解です。

ウ:ネットワーク管理者によって割り当てられる。
⇒ベンダIDはIEEEに申請することで割り当てられ、残りの24ビットは機器ベンダが組織内で重複しないように割り振られるので不正解です。

エ:プロバイダ(ISP)によって割り当てられる。
⇒IEEEによって割り振られるので不正解です。

IPアドレスのまとめ

今回はIPアドレス周りについて学習しました。IPアドレスを学ぶ上では2進数や16進数などの進数変換の知識も必要なので、あわせて確認しておきましょう。

また、用語が多く登場したので、図と合わせて覚えておくと迷いません。

モナ
モナ
プロトコルの役割は試験で頻出だニャ!

次回はWebページの仕組みについて学習します。


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