[FP3級]源泉徴収[無料講座・例題付き!]
今回はFP3級における源泉徴収について学習します。
源泉徴収
源泉徴収は給与等を支払う側(会社や雇用人)が支払いをする際に、一定の方法で所得税を計算して、その金額を給与等からあらかじめ差し引いておくことです。
源泉徴収票
給与等を支払う側は支払いを受ける側に対して、その1年間に支払った税金が記載されている書類(源泉徴収票)を発行します。
源泉徴収票のうち、いくつか押さえておくポイントがあるので見ておきましょう。
①1年間の給与
支払いの給与・賞与額を記載します。
②給与所得額
給与所得額控除を考慮して、給与所得額を求めます。
給与の収入金額 | 給与所得控除額 |
162万5千円以下 | 55万円 |
162万5千円超~180万円以下 | 収入金額×40%-10万円 |
180万円超~360万円以下 | 収入金額×30%+8万円 |
360万円超~660万円以下 | 収入金額×20%+44万円 |
660万円超~850万円以下 | 収入金額×10%+110万円 |
850万円超 | 195万円 |
給与所得額控除:6,000,000円×20%+44万円=1,640,000円
給与所得額:6,000,000円-1,640,000円=4,360,000円
③所得控除額
各所得控除額を合計して求めます。
480,000円(基礎控除)+380,000円(Ⓐ:配偶者控除)+630,000円(Ⓑ:特別扶養控除)+880,000円(©:社会保険料控除)+90,000円(Ⓓ:生命保険料控除)+20,000円(Ⓔ:地震保険料控除)=2,480,000円
④源泉所得税額
所得税の速算表を用いて所得税額を求めます。
課税所得金額 | 税額 |
~195万円以下 | 課税所得金額×5% |
195万円超~330万円以下 | 課税所得金額×10% – 97,500円 |
330万円超~695万円以下 | 課税所得金額×20% – 427,500円 |
695万円超~900万円以下 | 課税所得金額×23% – 636,000円 |
900万円超~1,800万円以下 | 課税所得金額×33% – 1,536,000円 |
1,800万円超~4,000万円以下 | 課税所得金額×40% – 2,796,000円 |
4,000万円超 | 課税所得金額×45% – 4,796,000円 |
課税所得金額:4,360,000円-2,480,000円=1,880,000円
基準所得税額:1,880,000円×5%=94,000円
復興特別所得税額:94,000円×2.1%=1,974円
合計:94,000円+1,974円=95,974円→95,900円(100円未満は切り捨て)
年末調整
給与所得から源泉徴収された所得税の精算を年末において、会社が一括して行うことを年末調整と呼びます。
源泉徴収・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
問1
会社員である井川芳樹さんの2020年分の給与所得の源泉徴収票が下記のとおりである場合、源泉徴収票の(ア)にあてはまる数値として、正しいものはどれか。なお、問題作成の都合上、源泉徴収票の項目の一部を空欄(※)としている。(2015年/9月・改)
給与の収入金額 | 給与所得控除額 |
162万5千円以下 | 55万円 |
162万5千円超~180万円以下 | 収入金額×40%-10万円 |
180万円超~360万円以下 | 収入金額×30%+8万円 |
360万円超~660万円以下 | 収入金額×20%+44万円 |
660万円超~850万円以下 | 収入金額×10%+110万円 |
850万円超 | 195万円 |
1 1,520,000
2 3,880,000
3 4,207,000
問2
年末調整の対象となる給与所得者は、年末調整の際に、所定の書類を勤務先に提出することにより、()の適用を受けることができる。(2019年/9月)
1 寄附金控除
2 生命保険料控除
3 雑損控除
解説(クリックで展開)
源泉徴収・まとめ
今回は源泉徴収について学習しました。
どちらかと言うと実技の際に計算問題が出てくるので、何回か解いて手順を覚えておきましょう。
次回は個人住民税について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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