[ITパスポート試験]経営戦略(マーケティング)[無料講座・例題付き!]
今回はITパスポートの経営戦略について学習していきます。
経営戦略とは
経営戦略は目標達成のための指針や構成で、これについてもいくつかの考え方があります。
特に他社との競争で優位に立つためにも、どのような戦略を立てるかは非常に重要です。
経営戦略
ITパスポートで問われる具体的な経営戦略は以下の通りです。
コアコンピタンス経営
他社には真似のできない企業独自のノウハウや技術を強みに特化した経営のことをコアコンピタンス経営と言います。
競争戦略
競争相手に対して優位に立つための戦略を競争戦略といいます。
具体的に以下の3つの基本戦略に集約されます。
- コストリーダーシップ・・・低コストを実現することで優位に立つ戦略です。
- 差別化・・・自社の商品やサービスを他社とは違う特異なものと顧客に認知してもらう戦略です。
- 集中・・・特定の顧客や製品、地域に集中してリソースを投入する戦略です。
ブルーオーシャン戦略
新しい価値を生み出すことで競争のない新たな市場を生み出す戦略をブルーオーシャン戦略と呼びます。
一方で、多くの企業がひしめき合い血で血を洗うような競争を繰り広げている市場をレッドオーシャンと呼びます。
提携・吸収合併
他社との提携や吸収合併を行い市場で優位にふるまうのも戦略の一つです。
用語がいくつかあるので押さえておきましょう。
- アライアンス・・・企業同士の提携のこと全般を指します。
- アウトソーシング・・・企業が自社の業務の一部を外部に委託することです。経理や企画、経営等委託内容は多岐に渡り、アウトソーシングすることで社内の資産を円滑に効率よく利用することができます。また、受託企業が海外に存在する場合、オフシェアアウトソーシングと呼びます。
- M&A・・・企業の吸収ち合併の総称です。
- TOB・・・買い取りたい株数や価格、期限などを公知し、不特定多数の株主から株式市場外で株式を買い集めることを言います。株式公開買付けとも言います。
- MBO・・・経営権の取得を目的とし、経営陣や幹部社員が親会社などから株式や営業資産を買い取る事です。
- 垂直統合・・・自社の仕入れ先や販売先とアライアンスを行い、事業領域の拡張を行う事です。具体的には自動車メーカーが販売店舗や部品メーカーとM&Aを行うような認識です。
- 水平統合・・・同一業種の他社とのM&Aを行う事で、主にスケールメリットによるコスト優位を狙う事業展開方式です。
マーケティング
商品がより売れるように市場を調査したり、製品を開発、製造したり、広告を打つことを総じてマーケティングと呼びます。
ワンツーワンマーケティング
以前は大量生産および大量販売により、製品1個当たりの単価を下げ、あらゆる顧客を相手に販売するマーケティングであるマスマーケティング(薄利多売)がメインでした。
しかし最近では情報技術を駆使し、顧客1人1人と向き合い、長期にわたって製品を販売したりサービスを提携していくワンツーワンマーケティングに移行しつつあります。
顧客満足度を高めることで、収益を向上させていく経営戦略の一つです。
ニッチマーケティング
ニッチマーケティングとは、成熟した市場の隙間を狙い専門化を図る戦略です。
マーケティングミックス
さまざまなマーケティング要素を戦略的に組合せることをマーケティングミックスと呼びます。
売り手側の視点から見たマーケティング要素は4Pと呼び、主に以下の4つになります。
- Product(製品)・・・製品やサービス、品質やデザイン等
- Price(価格)・・・価格や割引、支払等
- Place(流通)・・・流通経路や立地、品揃え等
- Promotion(プロモーション)・・・販売促進や営業、広告等
これに対して、顧客始点に切り替えた4Cと呼ばれるものもあります。
- Customer Value(顧客価値)・・・顧客が手にしたときに利益等
- Cost(経費)・・・製品価格等
- Convenience(顧客利便性)・・・実店舗なのか、オンラインなのか、営業担当は昼用なのか等
- Communication(コミュニケーション)・・・どうすれば顧客とコミュニケーションを取れるか
アンゾフの成長マトリクス
アンゾフの成長マトリクスでは、企業の事業ドメインを「製品が既存か新規か」といった点と、「市場が既存か新規か」の二軸で分けた4つの象限からそれぞれ取るべき戦略を決めたものになります。
アンゾフの成長マトリクス | 市場 | ||
既存 | 新規 | ||
製品 | 既存 | 市場浸透 | 市場開拓 |
新規 | 製品開発 | 多角化 |
それぞれのポジションごとに取る戦略は以下の通りです。
- 市場浸透・・・既存の製品を既存の市場に投入する場合に取る戦略です。事業拡大を目指す企業が取るべき戦略で、商品の購入頻度や購入量に対するアプローチを行います。
- 市場開拓・・・既存の製品を新規の市場に投入する場合に取る戦略です。参入する市場の見極めが非常に重要で、地域的な要因や新たなターゲットなどを考慮する必要があります。
- 製品開発・・・新規の製品を既存の市場に投入する場合に取る戦略です。事業拡大を目指す企業が取るべき戦略で、新製品を既存の物とどのように差別化するかが重要なポイントです。
- 多角化・・・新規の製品を新規の市場に投入する場合に取る戦略です。多角化にはさらに、水平型多角化、垂直型多角化、集中型多角化、集成型多角化があり、いずれの多角化戦略が良いかを考察する必要があります。
マーケティングにおける重要語句
以下は試験でも良く問われる語句です。あわせて押さえておきましょう。
- イノベーション・・・技術革新、新しいサービスや製品を生み出すことです。
- ヴァリューエンジニアリング・・・製品やサービスの価値を機能とコストの関係から把握し、システム化された手法によって最小のコストで製品の価値の最大化を図る手法になります。
- ヴァリューチェーン・・・企業が提携する製品やサービスの付加価値を、事業活動のどの部分で生み出しているかを分析する考え方です。
- コモディティ化・・・技術革新が進み競合する商品同士の品質や機能に差がなくなり、価格だけによって選択されることです。
- マーチャンダイジング・・・店舗における商品の陳列や、販促でのキャンペーンなど、消費者のニーズに合致するような形で商品を提供するために行う活動です。
- リスティング広告・・・検索エンジンにおいて、ユーザがあるキーワードで検索したとき、その検索結果に連動させて表示される広告です。
- ロードマップ・・・横軸に時間、縦軸に市場や商品・技術などを示し、研究開発への取り組みによる要素技術や、求められる機能などの進展の筋道を時間軸上に記載した図になります。
- MOT・・・技術経営とも呼ばれ、技術を理解するものが財務やマーケティング等の企業経営を学び、技術革新をビジネスに結びつける経営方針です。
経営戦略・マーケティング・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
問1
顧客に価値をもたらし,企業にとって競争優位の源泉となる,競合他社には模倣されにくいスキルや技術を指すものはどれか。(H.23/秋)
ア アカウンタビリティ
イ コアコンピタンス
ウ コーポレートガナバンス
エ パーソナルスキル
問2
ブルーオーシャン戦略の説明として,適切なものはどれか。(H.27/秋)
ア 新しい価値を提供することによって,競争のない新たな市場を生み出す。
イ 売れ筋商品以外の商品も幅広く取り扱うことによって,販売機会の増大を図る。
ウ 業界のトップ企業が提供する製品との差別化を徹底的に進める。
エ コスト削減によって競合他社に対する優位性を築く。
問3
“製品”,”価格”,”流通”,”販売促進”の四つを構成要素とするマーケティング手法はどれか。(H.26/春)
ア ソーシャルマーケティング
イ ダイレクトマーケティング
ウ マーケティングチャネル
エ マーケティングミックス
解説(クリックで展開)
経営戦略・マーケティング・まとめ
今回は経営戦略及びマーケティングに関する内容を学習しました。
戦略やマーケティング手法は多岐に渡りますが、出題される範囲は限りがあるので過去問を解いて復習しましょう!
次回はビジネス用語について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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