[ITパスポート試験]システム構成(稼働率)[無料講座・例題付き!]
今回はITパスポートにおけるシステムの稼働率に関する内容です。
稼働率
機器が稼働している確率を稼働率と言った数値で表すことができます。
稼働率にはいくつかの接続形態があるので、それを参考に見ていきましょう。
直列
直列では複数の機器が全て稼働している必要があります。
例えば以下の例を見てみましょう。
ラクはこれからPCを用いて友人とFPS(ゲーム)をプレイする予定です。FPSをプレイするにはPCがしっかりと動作することに加え、ルータが問題なく接続できる事が前提です。
パソコンが故障せずに動く確率が99%、ルータが問題なく接続できる確率が90%の時、ラクが無事ゲームをできる可能性はどれくらいでしょうか。
今回の例の様に、複数の機器が全て稼働していることで全体が稼働するシステムを直列システムと呼びます。
この時の、システム全体の稼働率はPCが稼働している割合のうちで、さらにルータも稼働している割合になるためそれぞれの稼働率の積で表され、今回の場合以下のようになります。
\[パソコンの稼働率×ルータの稼働率\]
ここに実際に数字を入れると、\(0.99×0.9=0.891\)となります。
並列
並列では一部の機器が稼働していればよく、全ての機器が動かないときだけoutとなります。
こちらも例を見ながら解説します。
カズは今からフライパンを使った料理をしようとしており、コンロが二つあります。それぞれをコンロA、コンロBとし、料理をするにはこれらのうちどちらかが利用できることが前提となります。
コンロAが使用できる確率が90%、コンロBが使用できる確率が80%の時、カズが無事料理をできる確率はどれくらいでしょう。
このように、2つ以上の機器があって、少なくとも1つが稼働していれば全体が稼働するシステムを並列システムと言います。
この場合はコンロAとコンロBが両方同時に故障しない限り無事に料理ができます。
したがって、100%から、コンロAとコンロBが同時に故障する確率を引くことによって求められます。
\[稼働率=1-コンロAが故障する確率×コンロBが故障する確率\]
今回の場合、\(1-(1-0.9)×(1-0.8)=0.98\)となります。
MTBFとMTTR
システムには、稼働している時間と、故障したり修理に充てている時間(=稼働していない時間)があります。
稼働している時間の平均をMTBF(Mean Time Between Failures)と呼び、1度修理してから次の故障までの平均時間を表します。
一方で1回の修理に要する時間(=稼働していない時間)の平均をMTTR(Mean Time To Repair)と呼びます。
稼働率は全ての時間(MTBF+MTTR)のうち、稼働している時間(MTBF)の割合なので以下の式で求めることができます。
\[\frac{MTBF}{MTBF+MTTR}\]
システム構成(稼働率)・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
問1
三つの装置A,B,Cの稼働率はそれぞれ0.90,0.95,0.95である。これらを組み合わた図のシステムのうち,最も稼働率が高いものはどれか。ここで,並列に接続されている部分はどちらかの装置が稼働していればよく,直列に接続されている部分はすべての装置が稼働していなければならない。(H.22/秋)
ア
イ
ウ
エ
問2
あるシステムは5,000時間の運用において,故障回数は20回,合計故障時間は2,000時間であった。おおよそのMTBF,MTTR,稼働率の組合せのうち,適切なものはどれか。(H.21/春)
MTBF | MTTR | 稼働率 | |
ア | 100 | 150 | 40 |
イ | 100 | 150 | 60 |
ウ | 150 | 100 | 40 |
エ | 150 | 100 | 60 |
ア
イ
ウ
エ
解説(クリックで展開)
システム構成(稼働率)・まとめ
今回は稼働率について学習しました。
計算問題も多く良く問われるところなので人によっては難しいと感じるポイントかと思います。しかし、しっかりと何問か解けばパターンも掴めてくるので、くじけずに頑張りましょう。
次回は冗長化やトラブル発生時の対応に関して学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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