[ITパスポート試験]LANの仕組み[無料講座・例題付き!]
今回はITパスポートで問われるLANについて学習していきます。
LANとは
LAN(Local Area Network)はケーブルや無線などを使ってコンピュータ同士や周辺機器、ルータを用いてデータをやり取りするネットワークになります。
規格としてさまざまな物がありますが、その中でも主流なのがイーサネットと呼ばれるもので、1本のケーブル上をデータが行き来するものになります。
アクセス制御
一本の線上をデータが行き来するため、何らかの交通整備をする必要があります。
この整備の方式として、各端末が伝送路上の信号を監視し、空いていればデータを送信する方式を取ります。これをCSMA/CD方式と呼びます。
しかしこの方式を用いると、複数の端末から一斉にデータが送信されるとケーブル内でデータ同士が衝突してしまう場合があります。
このデータの衝突の事をコリジョンと呼びますが、コリジョンが起こることでうまくデータが送受信できない不具合が起きてしまいます。
伝送路が空いていればデータを送出しますが、複数の端末が同時にデータを送ってしまうとコリジョンを起こしてしまうので、そのことを見越してコリジョン発生時には少し待ってから再送する仕組みがあります。
LANのつなぎ方
イーサネットでLANを構築する場合、つなぎ方にはいくつか種類があります。
一つ目がハブと呼ばれる装置を用いて、ハブと各端末を接続するスター型になります。
このハブを用いた形式が最近では一般的になっています。
また、ハブを用いず、それぞれの端末が輪になるようにつないだ形式をリング型と言います。
加えて、最初に紹介していたコリジョンが発生するような1本のケーブルから複数端末につながっている形式をバス型と言います。
接続機器
各コンピュータからデータを集約する装置をハブと言いました。
次にLAN同士を接続する必要があります。
接続するプロトコルの階層によっても機器がいくつかありますが、特に以下の接続機器は頻出事項なので押さえておきましょう。
物理層:リピータ
物理層においては伝送距離が長くなってくると通信信号が弱くなってしまうことがあります。
信号が弱まってしまうと伝送速度が著しく落ちてしまったり、データが正常な形で届かないと言った不具合が生じてきます。
そこでリピータと呼ばれる信号を戻す装置を間に挟むことによって信号を増幅させることが可能です。
データリンク層:ブリッジ
データリンク層では複数のコンピュータが集まったセグメント同士のデータのやり取りを行う装置が必要になります。
これをブリッジと呼びます。
それぞれのセグメントから流れてきたパケットは、MACアドレスによって次の送付先を示されているため、ブリッジはそのMAC情報により送り先を指定、異なるセグメントにパケットを送ってしまわないように制御しています。
ネットワーク層:ルータ
ネットワーク層ではネットワーク同士のデータの中継を行う必要があります。
外部へパケットを転送するための装置はルータと呼びます。
これらはOSI参照モデルの各層とセットで覚えておきましょう。
無線LAN
今までは有線LANについて紹介しましたが、ケーブルの代わりに電波を用いてデータの送受信を行う無線LANについても見ていきましょう。
無線LANではアクセスポイントを介して通信するインフラストラクチャモードと、通信機器同士が直接通信をするアドホックモードの2種類があります。
無線LANルータ
インフラストラクチャモードで必要なアクセスポイントは、無線を受発信した段階で無線LANと有線LANを切り替えてくれます。最近ではルータと無線アクセスポイントの両方の機能を利用できる無線LANルータが増えています。
端末側でアクセスポイントを検知する場合、どれが自分の所属するLANなのかを識別するためのESSIDと呼ばれるネットワーク識別子を用います。
Wi-Fi
異なるメーカ間でデータの受け渡をしようとした場合、規格を統一する必要があります。
この統一された規格をWi-Fiと呼び、Wi-Fiの認証を受けた場合お互い接続することが可能となります。
その他のインターネット接続サービス
インターネットで音声や画像、動画と言ったデータを送信するには高速な回線を用意する必要があります。
これをブロードバンド回線と呼び、ブロードバンド回線を用いた接続サービスには以下のようなものがあります。
ADSL
家庭で用いられているアナログ電話回線を用いてそれまで使用されていなかった周波数帯域を利用することでディジタル通信を行う伝送方式がADSLとなります。
通信業者から利用者へ送られる下りと、利用者から通信業者への上りの通信速度が異なるため、非対称ディジタル加入者線とも呼ばれます。
利用するにあたっては音声信号とデータ信号を分けるスプリッタと、アナログデータとディジタルデータを変換するADSLモデムを用意する必要があります。
FTTH
インターネットの専用線として光ファイバを家庭に引き込む方式をFTTHと呼びます。
光ファイバは信号の減衰がほとんどなく、外部からのノイズにも強い一方で曲げに弱いと言った特性も持ちます。
光を利用しているため通信速度も速く、1秒間でギガバイト単位の通信が可能となります。
CATV
ケーブルテレビ用のケーブルを用いて、テレビ放送では利用しない周波数帯域を使用することで通信を行う方法をCATVと呼びます。
専用の機器が必要になる点も押さえておきましょう。
LANにおける重要語句
以下は試験でも良く問われる語句です。あわせて押さえておきましょう。
- PoE(Power Over Ethernet)・・・イーサネットの通信ケーブルを通じて電力を供給する技術です。
- ゲートウェイ・・・互いに直接通信できないネットワーク同士の通信を可能にする機器です。
- 広域イーサネット・・・通信事業者が自社のWANを利用して、顧客の遠く離れた複数拠点のLAN同士をルータを用いずに直接相互接続させるサービスです。
- キャリアアグリケーション・・・複数の周波数帯の電波を重ねて無線通信を高速化する手法の一つです。
- SIMカード・・・携帯番号を特定するための固有のID番号が記録されたICカードです。
- テザリング・・・スマートフォンや携帯電話をルータとして利用し、他の端末をインターネットにつなげる技術です。
- 輻輳・・・通信帯域を圧迫することでつながりにくくなることです。
LAN・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
問1
ハブと呼ばれる集線装置を中心として,放射状に複数の通信機器を接続するLANの物理的な接続形態はどれか。(H.30/春)
ア スター型
イ バス型
ウ メッシュ型
エ リング型
問2
無線LANで使用するESSIDの説明として,適切なものはどれか。(H.29/春)
ア アクセスポイントのMACアドレス
イ 使用する電波のチャネル番号
ウ デフォルトゲートウェイとなるアクセスポイントのIPアドレス
エ 無線のネットワークを識別する文字列
問3
ルータの説明として,適切なものはどれか。(H.24/春)
ア LANと電話回線を相互接続する機器で,データの変調と復調を行う。
イ LANの端末を相互接続する機器で,受信データのMACアドレスを解析して宛先の端末に転送する。
ウ LANの端末を相互接続する機器で,受信データを全ての端末に転送する。
エ LANやWANを相互接続する機器で,受信データのIPアドレスを解析して適切なネットワークに転送する。
解説(クリックで展開)
LAN・まとめ
今回はLANの仕組みについて学習しました。
LANの接続方式や中継機器について、頻繁に問われる分野なのでしっかりと押さえておきましょう。
次回は暗号化技術について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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