[日商簿記3級]三伝票制の処理[無料講座・例題付き!]

2019年9月21日

日商簿記3級 三伝票制の処理

今回は日商簿記3級三伝票制について学習します。

チョロ
チョロ
伝票って枚数が多くて逆に大変そうでチュ・・・
キュー
キュー
最近は電子で保存したりしてソートも簡単にできる仕様になってきてるから非常に便利やで

伝票

今までは仕訳帳を用いて取引を記録していましたが、実際に仕事で仕訳帳を使っていると取引が多い企業などでは集計が非常に大変になってしまいます。

そこで用いるのが伝票と呼ばれる紙で、取引ごとに集計できるので非常に便利になります。

取引が発生したら今までは仕訳帳と呼ばれる帳簿に仕訳を書いていきましたが仕訳帳の場合はノートのため、取引が多くなってくるとスペースが足りなかったり、順番を変えたいときに不便になります。

そこで紙片として手軽なサイズで切り離すことができて仕訳帳の代わりとしても使うことができる伝票を用いることで便利に使用することができます。

伝票には入金取引を記入取引を記入する入金伝票、出金取引を記録する出金伝票など種類があります。

どの種類の伝票を使うかにより、伝票制度は三伝票制、五伝票制などがありますが、3級の試験では三伝票制がメインなので今回は三伝票制について紹介していきます。

三伝票制とは

三伝票制は

  • 入金伝票
  • 出金伝票
  • 振替伝票

の3種類の伝票に記入する方法です。

入金伝票とは

最初に入金伝票がどのような物か、どのように記入していけばよいかを例を通して見てみましょう。

7月8日 ひまわり商事は、売掛金500円を現金で受け取った。なお、ひまわり商事は三伝票制を採用している。

これまでの知識を用いると・・・

売掛金を現金で受け取った際の仕訳自体は以下のようになりますね。

借方 金額 貸方 金額
現金 500 売掛金 500
キュー
キュー
この処理自体はパッとできるようにしておこうな!

入金伝票の起票

入金伝票はその名の通りお金が入った場合の取引が記載されます。

ここでのお金は現金を指しているため、借方に現金が来ることは確定事項となります。

形式としては以下のようになります。

入金伝票
借方は現金
令和元年7月8日
科目 金額
売掛金
相手科目を記入
500
金額を記入

出金伝票とは

次は出金伝票を学習します。こちらもどのような物か例を通して見てみましょう。

7月13日 ひまわり商事は、買掛金300円を現金で支払った。なお、ひまわり商事は三伝票制を採用している。

これまでの知識を用いると・・・

売掛金を現金で支払った際の仕訳自体は以下のようになりますね。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 300 現金 300

出金伝票の起票

出金伝票もその名の通り、お金(現金)が出ていった場合の取引が記載されます。

お金が出ていくという事は貸方に決まるので、相手科目は借方となり以下のように記入します。

出金伝票
貸方は現金
令和元年7月13日
科目 金額
買掛金
相手科目を記入
300
金額を記入

振替伝票とは

中には現金が動かない取引もあり、その時は振替伝票を使用します。

具体的な例を見てみましょう。

7月15日 ひまわり商事は、商品800円を売り上げ、代金は掛けとした。なお、ひまわり商事は三伝票制を採用している。

これまでの知識を用いると・・・

掛けで売り上げた場合の仕訳は以下の通りです。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 800 売上 800

振替伝票の起票

入金伝票、出金伝票はいずれも現金が取引に関与していましたが、それ以外の、上記のような取引ももちろんあります。そのような場面で用いるのが振替伝票で、形式としては仕訳の通り記入します。

振替伝票
令和元年7月15日
↓そのままの形で記入
借方科目 金額 貸方科目 金額
売掛金 800 売上 800

一部現金取引の場合

最後に、取引の中には一部現金が動いてそれ以外の科目も動く場合があります。具体的には仕入のうち半分を現金で支払い、残り半分を掛けとした場合などが挙げられますが、こちらもどのように処理をするのか、例題を通して見てみましょう。

7月18日 ひまわり商事は、商品500円を仕入れ、代金のうち250円は現金で支払い、残額は掛けとした。なお、ひまわり商事は三伝票制を採用している。

これまでの知識を用いると・・・

通常の仕訳は以下のようになります。

借方 金額 貸方 金額
仕入 500 現金 250
買掛金 250

一部現金取引の起票

今回の問題の様に、取引の中には現金取引とそれ以外の取引が混在しているものがあり、このような取引を一部現金取引と言います。

このような一部現金取引の起票をする場合は1つの取引を2つの取引に分けるパターンと、一度現金を考慮しない取引で仕訳を切り、次に現金を用いた仕訳を切るパターンに分かれます。

1つの取引を2つの取引に分けるパターン

1つの取引を2つの取引に分けるパターンでは以下のように考えて仕訳を行います。

「商品250円を仕入れ、現金で支払った」という出金取引と、「商品250円を仕入れ、掛けとした」というその他の取引2つに分解します。

商品250円を仕入れ、現金で支払った時の仕訳

借方 金額 貸方 金額
仕入 250 現金 250

商品250円を仕入れ、掛けとした時の仕訳

借方 金額 貸方 金額
仕入 250 買掛金 250

したがって、前者は出金伝票に、後者は振替伝票に記載できるようになります。

出金伝票
令和元年7月18日
科目 金額
仕入 250
振替伝票
令和元年7月18日
借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 250 買掛金 250
一度現金を考慮しない取引で仕訳を切り、次に現金を用いた仕訳を切るパターン

次のパターンでは、一度「商品500円を掛けで仕入れた」仕訳を行い、「買掛金のうち250円をただちに現金で支払った」と考える仕訳を行います。

商品500円を掛けで仕入れた時の仕訳

借方 金額 貸方 金額
仕入 500 買掛金 500

買掛金のうち250円をただちに現金で支払った時の仕訳

借方 金額 貸方 金額
買掛金 250 現金 250

これらの仕訳を伝票に記入する場合、前者を振替伝票、後者を出金伝票として見ることができます。

振替伝票
令和元年7月18日
借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 500 買掛金 500
出金伝票
令和元年7月18日
科目 金額
買掛金 250
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三伝票制・例題

実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。

問題

問1

次の取引について起票した振替伝票と入金伝票は次のとおりである。各伝票の解答欄に記入される勘定科目を答えなさい。

[取引]建物5,000円を売却し、代金のうち3,000円は現金として受取り、残額は未収入金として処理した。なお、減価償却費は考慮せず、建物の売却価格と簿価は一致するものとする。

振替伝票
×年〇月△日
借方科目 金額 貸方科目 金額
2,000 建物 2,000
入金伝票
×年〇月△日
科目 金額
3,000

問2

次の伝票はある取引について作成されたものである。この取引を推定し、仕訳を切りなさい。

振替伝票
■年●月▲日
借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 800 支払手形 800
出金伝票
■年●月▲日
科目 金額
仕入 200
借方 金額 貸方 金額

(負債)

(資産)

解説(クリックで展開)

三伝票制・まとめ

今回は三伝票制について学習しました。

三伝票制のそれぞれの意味をしっかり理解し、正しい仕訳が切れればこの問題も得点源にできます。

カズ
カズ
しっかりと一回仕訳の形に直すのがポイントだよ!

次回は仕訳日計表について学習します。


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