日付順試算表問題の解き方[日商簿記3級講座]
日商簿記3級の試算表問題のパターンとして項目別に分かれているパターンと日付順に並んでいるパターンがあり、項目別に並んでいるパターンは前回学習しました。
今回学習するのは日付順に取引が並んでいる場合になります。
日付順試算表問題の解き方
日付順試算表問題では勘定科目ごとではなく、日付事に起こった取引がまとめられています。
いずれにしても正しく仕訳を切り転記をしていくことが得点への第一歩となります。
日付順試算表問題
実際に問題を通して学習していきましょう。
次の資料から合計残高試算表と売掛金明細表を完成させなさい。
[資料]4月29日と30日の取引(売上と仕入は掛けで行っている)29日 仕入:大阪商事 800円 京都商事 500円
北海道商事の売掛金500円が当座預金口座に入金された。
30日 売上:沖縄商事 400円 北海道商事 300円
京都商事の買掛金300円を小切手を振り出して支払った。
合計残高試算表
借方残高 | 借方合計 | 勘定科目 | 貸方合計 | 貸方残高 | ||
4月30日現在 | 4月30日現在 | 4月28日現在 | 4月28日現在 | 4月30日現在 | 4月30日現在 | |
2,500 | 当座預金 | 500 | ||||
1,000 | 売掛金 | 300 | ||||
100 | 買掛金 | 800 | ||||
資本金 | 750 | |||||
繰越利益剰余金 | 650 | |||||
400 | 売上 | 1,800 | ||||
1,000 | 仕入 | 200 | ||||
5,000 | 5,000 |
売掛金明細表
日付 | 沖縄商事 | 北海道商事 | 合計 |
4月28日 | 200 | 500 | 700 |
4月30日 |
日付順試算表問題の解く手順
日付順の試算表問題を解く手順も大まかには同じです。
各取引の仕訳を切る
最初は各取引の仕訳を切ります。
注意すべき点として、売掛金明細表を作成する必要もあるため売掛金に関しては相手の社名も書かなければいけません。
- 29日-1 (仕入) 800 (買掛金) 800
- 29日-2 (仕入) 500 (買掛金) 500
- 29日-3 (当座預金) 500 (売掛金・北海道) 500
- 30日-1 (売掛金・沖縄) 400 売上 400
- 30日-2 (売掛金・北海道) 300 売上 300
- 30日-3 (買掛金) 300 (当座預金) 300
Tフォームに記載
それぞれの仕訳を切った後は科目ごとにTフォームを作成し、貸借それぞれの取引とその合計を記載します。
当座預金に限定すると以下のようになります。
- 29日-1 (仕入) 800 (買掛金) 800
- 29日-2 (仕入) 500 (買掛金) 500
- 29日-3 (当座預金) 500 (売掛金・北海道) 500
- 30日-1 (売掛金・沖縄) 400 売上 400
- 30日-2 (売掛金・北海道) 300 売上 300
- 30日-3 (買掛金) 300 (当座預金) 300
赤で示した箇所が借方、青で示した箇所が貸方となるため、Tフォームは以下のようになります。
当座預金
28日 2,500 | 28日 500 |
29日-3 500 | 30日-3 300 |
合計 3,000 | 合計 800 |
同様に他のフォームも作っていきましょう。
売掛金
28日 1,000 | 28日 300 |
30日-1 400 | 29日-3 500 |
30日-2 300 | |
合計 1,700 | 合計 800 |
買掛金
28日 100 | 28日 800 |
30日-3 300 | 29日-1 800 |
29日-2 500 | |
合計 400 | 合計 2,100 |
売上
28日 400 | 28日 1,800 |
30日-1 400 | |
30日-2 300 | |
合計 400 | 合計 2,500 |
仕入
28日 1,000 | 28日 200 |
29日-1 800 | |
29日-2 500 | |
合計 2,300 | 合計 200 |
また、売掛金に関しては明細表も必要になるため。会社ごとのTフォームも作成します。
売掛金・沖縄商事
28日 200 | |
30日 400 | |
合計 600 |
売掛金・北海道
28日 500 | 29日 500 |
30日 300 | |
合計 800 | 合計 500 |
Tフォームから試算表に記入
Tフォームごとに計算した借方合計と貸方合計を合計残高試算表の4月30日現在残高欄に記入していきます。
借方残高 | 借方合計 | 勘定科目 | 貸方合計 | 貸方残高 | ||
4月30日現在 | 4月30日現在 | 4月28日現在 | 4月28日現在 | 4月30日現在 | 4月30日現在 | |
3,000 | 2,500 | 当座預金 | 500 | 800 | ||
1,700 | 1,000 | 売掛金 | 300 | 800 | ||
400 | 100 | 買掛金 | 800 | 2,100 | ||
資本金 | 750 | 750 | ||||
繰越利益剰余金 | 650 | 650 | ||||
400 | 400 | 売上 | 1,800 | 2,500 | ||
2,300 | 1,000 | 仕入 | 200 | 200 | ||
7,800 | 5,000 | 5,000 | 7,800 |
資本金や繰越利益剰余金のように金額の増減がなかった場合は28日の金額をそのまま移動させます。
そして最後に、4月30日現在の借方合計と貸方合計の差額を記入していきます。
借方残高 | 借方合計 | 勘定科目 | 貸方合計 | 貸方残高 | ||
4月30日現在 | 4月30日現在 | 4月28日現在 | 4月28日現在 | 4月30日現在 | 4月30日現在 | |
2,200 | 3,000 | 2,500 | 当座預金 | 500 | 800 | |
900 | 1,700 | 1,000 | 売掛金 | 300 | 800 | |
400 | 100 | 買掛金 | 800 | 2,100 | 1,700 | |
資本金 | 750 | 750 | 750 | |||
繰越利益剰余金 | 650 | 650 | 650 | |||
400 | 400 | 売上 | 1,800 | 2,500 | 2,100 | |
2,100 | 2,300 | 1,000 | 仕入 | 200 | 200 | |
5,200 | 7,800 | 5,000 | 5,000 | 7,800 | 5,200 |
Tフォームから掛明細表に記入
得意先ごとの売掛金から、その残高を売掛金明細表に記入していきます。
売掛金明細表
日付 | 沖縄商事 | 北海道商事 | 合計 |
4月28日 | 200 | 500 | 700 |
4月30日 | 600 | 300 | 900 |
日付順試算表問題・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
次の取引にもとづいて、解答用紙の合計残高試算表と売掛金明細表を完成させなさい。なお、6月28日現在の合計試算表は解答用紙の6月28日現在欄のとおりである。また、売上げと仕入れはすべて掛けで行っている。
また、数字に関しては全て半角で3桁ごとにカンマ区切りを入れること。
なお回答ボタンは各列の下側にある。
該当しない箇所は空白にしておくこと。
[資料]6月29日と30日の取引29日
仕入:鳥取商事 500円 島根商事 300円
売上:広島商事 700円 山口商事 500円
鳥取商事に対する買掛金800円を支払うため、同社宛ての約束手形を振り出した。
30日
仕入:鳥取商事 300円 島根商事 400円
売上:広島商事 300円 山口商事 800円
広島商事に対する売掛金800円を同社振出、当社宛ての約束手形で回収した。
山口商事に対する売掛金700円を回収し、当座預金口座に預け入れた。
合計残高試算表
借方残高 | 借方合計 | 勘定科目 | 貸方合計 | 貸方残高 | ||
6月30日 現在 |
6月30日 現在 |
6月28日 現在 |
6月28日 現在 |
6月30日 現在 |
6月30日 現在 |
|
3,000 | 当座預金 | 1,500 | ||||
1,800 | 受取手形 | 1,000 | ||||
4,000 | 売掛金 | 3,800 | ||||
1,200 | 支払手形 | 1,500 | ||||
2,100 | 買掛金 | 2,500 | ||||
資本金 | 1,000 | |||||
繰越利益剰余金 | 800 | |||||
800 | 売上 | 5,000 | ||||
4,600 | 仕入 | 400 | ||||
17,500 | 17,500 | |||||
|
|
回答ボタン |
|
|
売掛金明細表
日付 | 広島商事 | 山口商事 | 合計 | 回答ボタン |
6月28日 | 200 | 0 | 200 | |
6月30日 |
|
解説(クリックで展開)
日付順試算表問題・まとめ
今回は日付順に取引が与えられた場合の試算表問題を学習しました。
今回扱った問題は売掛金明細表を同時に書かせる問題でしたが、買掛金や受取手形の明細表を作成させられる場合もあります。
解き方は同じなのでマスターしてしまいましょう!
次回は伝票に関しての論点です。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません