[日商簿記3級]前受収益(地代)の処理[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記3級の前受収益について学習します。
前受収益の処理
自社で所持している土地や物を貸した際に地代などを貰う場合がありますが、場合によっては返却時にではなく、貸した時点で先に受け取ってしまうこともあります。
この場合に発生する地代も収益として計上しますが、今まで学習してきた収益・費用同様、期末にその期分を計算し、前受収益として計上する必要があります。
前もって大きいお金を一括で受け取った場合でも、月割でその期ごとに収益を計上する必要があるのでそちらの処理を見ていきましょう。
収益を前受した場合
例えば土地を貸してみた場合の処理を見ていきましょう。
これまでの知識を用いると・・・
小切手を受け取ったという事は現金が増加したことになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 (資産の増加↑) |
36,000 |
収益を前受した場合
土地代などを前受した場合、受取地代と呼ばれる収益勘定で処理します。
収益の発生なので貸方に記載します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 36,000 | 受取地代 (収益の発生↑) |
36,000 |
決算日の処理
決算日が訪れた場合、当期に受け取った地代から次期分の先に受け取ってしまった地代分を前受として計上しなおす必要があります。
前受収益の処理
先ほど、令和3年1月1日に1年分の地代を受取地代として処理していました。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 | 36,000 | 受取地代 | 36,000 |
令和3年1月1日から令和3年3月31日までの3ヵ月分は当期の地代ですが、それ以降の残り9ヵ月分は次期の地代に当たります。
2年期首 | 3年期首 | 3年期末 | |||||||||||||||||
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 |
2年度分 | 3年度分 |
そのため、いったん計上した1年分の受取地代(収益)のうち、9ヵ月分を減らす処理を行います。
次期の受取地代は月割計算で以下のように計算します。
\[次期の受取地代=36,000円×\frac{9ヵ月}{12ヵ月}=27,000円\]
収益を取り消す場合は借方に記載します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
受取地代 (収益の取消↓) |
27,000 |
次に、次期分の収益を当期に前受しているという事は、前受した分だけ後程サービスを提供しないけない義務が発生します。
その為、貸方に前受地代と呼ばれる負債の勘定科目を用いて計上します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
受取地代 | 27,000 | 前受地代 (負債の増加↑) |
27,000 |
翌期首の処理
決算日に計上した次期分の前受収益に関しては、翌期首に逆仕訳を行い振り戻します。
再振替仕訳
次期分として繰り越した前受収益に関してはその期が訪れたら期末の仕訳と逆の仕訳をして振り戻します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
前受地代 | 27,000 | 受取地代 | 27,000 |
前受収益・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[現金][当座預金][前受家賃][受取家賃]
問1
×2年5月1日 事務所の家賃48,000円を、小切手で受け取った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問2
×3年3月31日 決算日につき次期の家賃を前受処理する。なお、5月1日に家賃48,000円(1年分)を受け取っている。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問3
×3年4月1日 前受家賃として処理していた家賃を再振替仕訳により振り返る。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解説(クリックで展開)
前受収益・まとめ
家賃や地代に関しては借りた側だけでなく貸した側の仕訳も必要になってきます。
やっていることは全く逆の考えなので、前払費用とセットで覚えてしまいましょう。
次回は訂正仕訳に関して学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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