[日商簿記3級]未収収益(利息)の処理[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記3級の未収収益について学習します。
未収利息の処理
お金を借りる場合があればもちろん、お金を貸す場合もあり。その時は貸付金を用いるのでした。
貸付金に関する処理も借入金同様、過去に学習済みですが、こちらも期をまたぐと少し処理が面で臭くなってしまいます。今回はお金を貸した場合について学習を進めていきましょう。
借りたお金に関して受け取れる利息を受取利息と言います。
お金を貸した場合、貸付日から年単位で課すことも多く、期の途中から貸した場合などもその期間にいくら利息が発生したかを計上する必要があります。
貸し付けた場合は未収利息と呼ばれる勘定科目を用いるため、例題を通して見ていきましょう。
お金を貸し付けた場合
実際にお金を貸し付け、利息が発生した場合の処理を見てみましょう。
これまでの知識を用いると・・・
お金を他社などに貸し付けた場合は、手元のお金が減るので資産の減少として貸方に現金と記入します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
現金 (資産の減少↓) |
8,000 |
お金を貸し付けた場合
お金を貸し付けた際、現金という資産が減少しますが、その分後からお金を返してもらえる権利(資産)が増加します。
これを貸付金と言い、資産の増加なので借方に記載します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
貸付金 (資産の増加↑) |
8,000 | 現金 | 8,000 |
利息に関しては返済時に受け取るため、この時点で処理をすることはありません。
決算日を迎えた場合
お金を貸し付けたまま決算日を迎えた場合、利息の未収分を計上する必要があります。
未収分の利息の計上
利息は貸付金の返済時に受け取るため、まだ収益として計上していません。しかし、令和2年7月1日~令和3年3月31日までの9ヵ月分の利息は当期の収益となるので、この9ヵ月分を受取利息として収益で計上します。
2年期首 | 貸付日 | 2年期末 | 3年期首 | 返済日 | |||||||||||||||
4月 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
当期分の利息 | 来期分の利息 |
金額は以下のように求めます。
\[当期の受取利息=貸付額×年利率×\frac{当期貸付期間}{全体の貸付期間}\]
これに各数値を代入すると、
\[当期の受取利息=8,000円×5\%×\frac{9ヵ月}{12ヵ月}=300円\]
よって金額は300円となるので、収益の発生として受取利息に300円計上します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
受取利息 (収益の発生↑) |
300 |
なお、今回の場合、当期分の収益をまだ受け取っていないため、次期に受け取れる権利が発生しています。そこで借方には未収利息といった資産の勘定科目で計上します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
未収利息 (資産の増加↑) |
300 | 受取利息 | 300 |
翌期首の処理
他の費用や収益同様に、未収利息を計上したまま期首を迎えた場合、再振替仕訳を行い、未収分を振り戻す必要があります。
令和3年4月1日 未収利息として処理していた利息を再振替仕訳により振り返る。
再振替仕訳
再振替仕訳については期末の仕訳と逆仕訳をすれば良いです。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
受取利息 | 300 | 未収利息 | 300 |
未収収益・例題
実際に例題を解いて問題に慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[現金][当座預金][貸付金][未収利息][受取利息]
問1
×2年8月1日 貸付期間1年、年利率3%、利息は返済時に支払うという条件で、現金60,000円を貸し付けた。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問2
×3年3月31日 決算日(当期:×2年4月1日~×3年3月31日)につき、当期分の利息を未収処理する。なお、貸付金に関しては×2年8月1日に、貸付期間1年、年利率3%、利息は返済時に受け取るという条件で、現金60,000円を貸し付けている。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問3
×3年4月1日 受取利息として処理していた利息を再振替仕訳により振り返る。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解説(クリックで展開)
未収収益・まとめ
期をまたぐ貸付金の場合、発生する利息のうちいくら分が当期なのかを計上する必要があります。
今回は貸付期間が1年の場合で見ましたが、借入金の時同様、2年、3年となっても怯まずに落ち着いて対応できるようになりましょう。
次回は収益を前受した場合の処理を見ていきます。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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