[日商簿記3級]現金過不足(少ないとき)の処理[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記3級における現金過不足の帳簿残高より実際にある現金が少ないときについての処理を学習します。
現金過不足(少ないとき)
現金が帳簿残より多かった時、何らかの理由で計上漏れが生じており、後々その仕訳が入るという意味合いから負債的な面があるとのことで貸方に現金過不足を、借方に現金を記入していました。
今回のパターンのように、逆に現金が不足しているときも帳簿残より現金が多かった時と同様、現金過不足の勘定科目を使います。
では今度、現金が帳簿残より少なかった時はどのような処理をするのか例題を通して見ていきましょう。
実際有高が帳簿残高より少ない時
実際に例を通してみていきましょう。
発見したとき
実際に手元にあるお金(実際有高)が帳簿より少ない時は、帳簿上のお金を減らすことにより、帳簿残高と実際有高を一致させます。
帳簿上の現金を減少させるため、貸方に現金を記入します。
一方、現金過不足は反対側の借方になります。
借方 | 現金 | 貸方 | 金額 |
現金過不足 | 50 | 現金 (資産の減少↓) |
50 |
原因が分かったとき
原因が分かったときには一時的に借方に置いていた現金過不足勘定を打ち消し、正しい勘定科目で置き換えます。
借方 | 現金 | 貸方 | 金額 |
買掛金 (負債の減少↓) |
50 | 現金過不足 | 50 |
本来の処理は以下のような処理をするのが正しいでチュ!
借方 | 現金 | 貸方 | 金額 |
買掛金 | 50 | 現金 | 50 |
原因がわからないまま決算を迎えたとき
現金過不足の原因がわからないまま締め日を迎えた場合は清算する必要があるのでした。
今回は使った覚えがないにもかかわらずお金が足りず、損をした、といった見方をできるので、費用である雑損として処理します。
借方 | 現金 | 貸方 | 金額 |
雑損 (費用↑) |
50 | 現金過不足 | 50 |
現金過不足(少ないとき)・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[現金][現金過不足][買掛金][売掛金][仕入][売上][雑益][雑損]
問1
金庫を調べたところ、現金の実際有高は700円であるが、帳簿残高は800円であった。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問2
問1の現金過不足の原因を調べたところ、50円については買掛金の支払いが記帳漏れであることが判明した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問3
本日決算日につき、問1で生じた現金過不足のうち原因不明の50円について雑損または雑益で処理する。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解説(クリックで展開)
現金過不足(少ないとき)・まとめ
現金過不足の勘定はお金が多い時でも少ない時でも一貫して用いられます。
貸方に来るか、借方に来るかで意味合いが全く逆になるので注意しましょう!
次回はいよいよ預金に関する論点です。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
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