[日商簿記2級(商業簿記)]製造間接費の配賦[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記2級における製造間接費の配賦について学習します。
製造間接費の配賦
製造間接費は、どの製品にいくらかかったか明確には分からない原価です。
しかし、分からないからと言ってそのままにしておいては、正確な原価が求められません。
そこで、何らかの基準を設けて製造間接費を各製品へと振り分けます。
基準はいくつかありますが、今回は予定配賦率を用いて配賦する問題を見てみましょう。
②月末において、当月の製造間接費の実際発生額は2,600円であることが判明したため、製造間接費配賦差異を計上する。
①製造間接費の配賦処理
製造間接費を配賦する流れとしては、製造間接費勘定(貸方)から、仕掛品勘定(借方)へと振り替えることになります。
今回の仕訳では以下のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仕掛品 | 2,500 | 製造間接費 | 2,500 |
②製造間接費を予定配賦したときの月末の処理
製造間接費を予定配賦している場合、月末において製造間接費の実際発生額を計算し、予定配賦額と実際の発生額の差額を、製造間接費勘定から製造間接費配賦差異勘定へと振り替えます。
今回の問題では、予定配賦額が2,500円、実際の発生額が2,600円なので、100円の不利差異(借方差異)が生じます。
- 製造間接費配賦差異:2,500円(予定配賦額)-2,600円(実際発生額)=△100円(不利差異)
したがって、製造間接費勘定の貸方から製造間接費配賦差異勘定の借方に振り替えます。
製造間接費
実際発生額 2,600円 |
予定配賦額 2,500円 |
不利差異(借方差異) 100円 |
製造間接費配賦差異
不利差異(借方差異) 100円 |
これより、月末の仕訳は以下の通りです。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
製造間接費配賦差異 | 100 | 製造間接費 | 100 |
製造間接費の処理・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
また、仕訳が複数行に渡る場合、金額の多い物から順に書き、不要なところは空白のままにしておくこと。
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[仕掛品][製造間接費][製造間接費配賦差異]
問1
当月の製造間接費予定配賦額は10,000円である。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問2
月末において、当月の製造間接費の実際発生額は9,500円であることが判明したため、製造間接費配賦差異を計上する。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解答(クリックで展開)
製造間接費の配賦・まとめ
今回は製造間接費の配賦について学習しました。配賦基準はいくつかあるので、詳しくは工業簿記を通して学んでいきましょう。
次回は減価差異の会計年度末の処理について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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