[日商簿記2級(商業簿記)]損益計算書[無料講座]
今回は日商簿記2級における損益計算書について学習します。
損益計算書
損益計算書は、一会計期間の収益と費用から当期純利益(損失)を計算した書類で、会社がいくら儲けたのかと言った成績表のようなものです。
損益計算書には勘定式と報告式と言った2つの形式があり、勘定式は3級で学習した形式で借方と貸方に分けて記入します。
損益計算書(勘定式)
自××年4月1日 至○○年3月31日
費用 | 金額 | 収益 | 金額 |
売上原価 | 1,800 | 売上高 | 2,800 |
減価償却費 | 200 | 受取利息 | 20 |
貸倒引当金繰入 | 50 | 有価証券評価益 | 80 |
支払利息 | 150 | ||
当期純利益 | 700 | ||
2,900 | 2,900 |
一方で、報告式では借方・貸方に分けず、縦に並べて表示します。
具体的には以下のようになります。
損益計算書(報告式)
自××年4月1日 至○○年3月31日
Ⅰ 売上高 | 10,000 | |
Ⅱ 売上原価 | ||
1. 期首商品棚卸高 | 1,000 | |
2. 当期商品仕入高 | 5,500 | |
合計 | 6,500 | |
3. 期末商品棚卸高 | 1,500 | ⊖5,000 |
売上総利益 | 5,000 | |
Ⅲ 販売費及び一般管理費 | ||
1. 広 告 費 | 800 | |
2. 貸倒引当金繰入 | 200 | |
3. 減 価 償 却 費 | 500 | ⊖1,500 |
営業利益 | 3,500 | |
Ⅳ 営業外収益 | ||
1. 受 取 利 息 | 100 | |
2. 有価証券利息 | 300 | ⊕400 |
Ⅴ 営業外費用 | ||
1. 支 払 利 息 | 50 | |
2. 有価証券評価損 | 250 | ⊖300 |
経常利益 | 3,600 | |
Ⅵ 特別利益 | ||
1. 固定資産売却益 | ⊕250 | |
Ⅶ 特別損失 | ||
1. 火災損失 | ⊖850 | |
税引前当期純利益 | 3,000 | |
法人税、住民税及び事業税 | ⊖1,200 | |
当期純利益 | 1,800 |
※枠線は分かりやすくしているだけで本来はありません。
各種利益
それぞれの利益について見てみましょう。
売上総利益
売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いた値です。
営業利益
営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた値です。
販売費及び一般管理費には、商品の販売に要した費用や本社の管理に要した費用を指しており、給料・広告費・減価償却費・貸倒引当金などが含まれます。
経常利益
経常利益は営業利益に営業外収益を足して営業外費用を引いた値です。
営業外収益には受取利息・有価証券利息・有価証券評価益などが、営業外費用には支払利息・有価証券評価損などが該当します。
税引前当期純利益
税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を足して特別損失を引いた値です。
特別利益や特別損失はあまり発生しないもので、例を挙げると特別利益には固定資産売却益・保険差益などが、特別損失には固定資産売却損・火災損失などが挙げられます。
当期純利益
当期純利益は税引前当期純利益から法人税、住民税及び事業税(法人税等)を差し引いて求めます。
商品評価損と棚卸減耗損の表示
商品評価損は毎回売上原価に含めて記入します。
一方で棚卸減耗損は売上原価に含めて記載する場合と、販売費及び一般管理費に記載する方法があります。
貸倒引当金繰入の表示
売上債権(売掛金や受取手形)にかかる貸倒引当金繰入は損益計算の販売費及び一般管理費に表示します。
一方で、営業外債権(貸付金など)にかかる貸倒引当金繰入は損益計算書の営業外費用に表示します。
損益計算書まとめ
今回は損益計算書について学習しました。報告式と呼ばれる新しい形式を押さえておきましょう。
次回は貸借対照表について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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